国際医療について考える

国際協力という分野に興味を持つ人たちとの情報共有、かつ国際協力に関する自分としてのより良いありかたについて考える場所。

エボラウイルスワクチン evola virus vaccine (empirical)

2010-06-30 | Vaccine 各論
2009年3月にドイツの研究所でエボラウイルスの針刺し事故があった。 そのような事例は1976年にイギリスで、2004年にアメリカで、2004年にロシアでも報告されている。 またマールブルグウイルスに関しても少なくとも3回の暴露が報告され、そのうちの1例は感染者が死亡している。 マールブルグを含むフィロウイルスの輸入感染は1990年代に3例(南アフリカ、オランダ、米国)で報告され、1例が死亡、1名 . . . 本文を読む
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莢膜多糖体肺炎球菌ワクチン(成人用肺炎球菌ワクチン)PPSV23

2010-06-24 | Vaccine 各論
[歴史] 最初の肺炎球菌ワクチンはSir Almroth Wrightによって1911年に開発された 多糖体ワクチンは1940年代に市場に出たが、抗菌薬の出現により、流通しなかった 耐性菌の出現もあり、14価のPPSVが1977年に米国で承認 1983年に14価から現在の23価に(PPSV23) ニューモバックス®(23価価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)は国内で1988 年 3 . . . 本文を読む
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ロタウイルスワクチン [Rotavirus Vaccine]

2010-06-17 | Vaccine 各論
  途上国では、5歳未満の小児を中心にロタウイルス感染によって年間52万7千人以上の死亡者 日本国内で年間79万回の外来受診の原因 [Kawamura N, 2011] WHOによるロタウイルスワクチンのポジションペーパー(2009年以来のthe WHO Strategic Advisory Group of Experts on Immunization (SAGE)による改定) . . . 本文を読む
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Malaria診断

2010-06-15 | Malaria
Blood SmearがGold Standard マラリア陰性と判断するには1000倍で200-500視野の観察、もしくはthick smearで20分間の検査が推奨 検査が陰性であれば1日1回、3回以上の検査を繰り返す 血液塗抹検査形態学的特徴 感染赤血球の大きさ 変化なし→熱帯熱マラリア(捻じれていたり、辺縁が不整で変色している)、四日熱マラリア(形の変化や色の変化がなし) 大き . . . 本文を読む
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Clindamycin monotherapy

2010-06-07 | 感染症内科 各論
熱帯熱マラリアに対するCLDMの単独治療は1975年に症例報告あり、これまでに500症例以上の治療報告がある 少なくとも1日2回以上、5日間以上の使用すれば平均98%の症例で効果あり 副反応は少ないが、原虫消失時間は平均4~6日、発熱消失時間は3~5日と効果発現は遅い よってCLDMの単独療法は推奨されない 抗マラリア薬との併用療法でも広範囲の活性と現場での経験からCLDMよりもDOXY . . . 本文を読む
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MCQs in Travel and Tropical Medicine 3rd edition Section3 (Vaccines)

2010-06-06 | MCQ in T&TM
*不適切と考えられる問題には☆印 General S3-1 皮下注射と筋肉注射の違い ↓ 皮下は筋肉より血流が少ないので、皮下注射での抗原の吸収・移動の過程がより遅い 皮下注射だと特にB型肝炎、狂犬病、インフルエンザの時に抗体獲得率が低い 皮下は筋肉より神経支配領域が豊富なので、皮下注射での疼痛がより強い 皮下は筋肉よりリンパの供給が豊富なので、皮下注射での局所反応はより多い 26Gの . . . 本文を読む
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CA-MRSAの治療と予防

2010-06-03 | 感染症内科 各論
MRSAは世界中の院内で流行していて、重症化や死亡の原因となる。MRSAの院内感染は医療機器の使用や外科手術によって感染の危険性が増加する。一方で市中MRSA感染はそのような危険因子のない健康な人においても感染が増加し、いくつかの国では感染が蔓延している。これらのことから市中MRSAは古典的な院内MRSAよりも感染力が強いと考えられる。市中MRSAに対する中途半端な治療は感染力を強めて感染を拡大さ . . . 本文を読む
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ダニ脳炎ワクチン [Tick borne encephalitis Vaccine]

2010-06-01 | Vaccine 各論
世界におけるダニ脳炎の患者数については、患者数の集計が整った1990年以降のデータでは、毎年6,000 人以上発生し、多い年には10,000人前後発生している。 主なものとしてロシア春夏脳炎ウイルスと中部ヨーロッパ脳炎ウイルスがある。なお、ロシア春夏脳炎は、我が国でも1993年に北海道の酪農家の主婦が本疾患に罹患した報告があり、ロシア春夏脳炎ウイルスが道南地域のイヌに分布していることが判明した。そ . . . 本文を読む
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