蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

新☆メニュー

2012年05月12日 13時31分48秒 | 日記
昨日は自主稽古日。
劇団員と研修生3名が参加。

明日からオープンエアシアター・ワークショップで
使用予定の基礎訓練用・新☆メニューを
ケンジ君とガンちゃんに

  つくってみてくれる?

と依頼。

目的は

  ・筋力・体力アップ
  ・体の軸を覚える
  ・体感を高める
  ・リズム感を養う
  ・自分の身体を知る

二人は、あれこれ試行錯誤しながらも
何とか形にしてくれた。
昨夜は、そのプログラムを私とケンタロウ君で
チェックして修正をかけ、ついに完成!

これを地道に継続していけば
体力・筋力が強化され、ダンスの振り付けも
スムーズに覚えることができる…はず。

一見、難しそうに見えるけど
単純な体操なので、覚えてしまえば大丈夫。
大切なのは、一つ一つの動きを
丁寧にきっちり行うこと。

今日は、稽古初日なので、ストレッチと基礎訓練を
丁寧に教えながら、ゲームなどの遊びを入れて
チーム全体のコミュニケーションを図っていく。

研修生のMikiに帰り際

  外郎売を聞いてください

と頼まれ、課題をクリア出来たかチェック。

取り敢えず、第1課題のスピードをクリア。
発音や台詞のイントネーションなど
更なる課題を与えて、チェック終了。

努力を重ね、課題をクリアしていくことが

  楽しい♪

って、思えるようになると良いね。

見えない力

2012年05月11日 17時21分12秒 | 日記
今週は、月曜日から読書と台本構成の熟考で
自宅に閉じこもり、左脳と右脳がフル活動♪

昨日、久しぶりに外出。
午後から、オープンエア声楽隊に初参加の意思表明をしてくださった
声楽家集団「土の会」のWさんとお会いした。
ご紹介下さったのは、同じく「土の会」所属のMさん。
こうして、声楽を中心に長年活動されている皆さんに
オープンエアに参加していただけるような環境が
徐々に整って来たことが、とても嬉しい。

オープンエアの目的の一つは
長野在住の芸術家の皆さんとのコラボ。

  演劇は総合芸術である

と考え、2001年から創作し始めた野外劇である。

ようやく認知されるようになってきた…

更に芸術性の高い舞台を提供できるよう頑張らねば!

Wさんも、Mさんと同様、大変魅力的で
これまでもオペラのソリストや聖歌隊として
数々の舞台をご経験されて来た。
歌声を聞かせて頂くのが、今から楽しみ♪

夜は、市民劇場例会にて観劇。

今月は、無名塾!
あの仲代達矢氏が率いる劇団だ。

仲代氏に関しては、30年位前に観た映画「二百三高地」での
フレームからはみ出そうな表情と演技を観て

  凄い役者さんがいる…

と思ったことを、未だに鮮明に覚えている。

無名塾は、俳優として、人間としての磨きをかけ
品格の高い芸質を備えた役者を育てることを目的として
寝食を共にしながら真摯に演劇創作に取り組んでいる劇団である。

若い頃、本気で無名塾に入りたい!と思ったことがあったっけ。

市民劇場の例会としては、久しぶりの無名塾。
なので、とても楽しみにしていた。
ただ、仲代さんは既に80歳とご高齢のため
そこだけが若干心配だったが…

作品名  Hobson's Choice-ホブソンの婿選び-
作    ハロルド・ブリッグハウス
訳・演出 丹野郁弓
出 演  仲代達矢 渡辺梓 樋口泰子 松浦唯 ほか

内容は…

舞台は、1886年のイギリスの片田舎。
靴屋を営むホブソン一家が、婚期を逃した長女の結婚騒動を経て
大きく変化をしてく人間模様を描いている。
1886年はイギリスのビクトリア時代後半。
商人たちが力を持ち始め、そのエネルギーが産業革命の旗印となり
その後の大英帝国経済圏へと発展していく、そんな時代。
妻に先立たれ、飲んだくれの頑固親父ホブソンに
反旗を翻した娘達と職人ウィリー…

一言で言うと…

  良い作品を観させていただいた!

観終わった後の充足感…観劇の醍醐味です。

体調が心配だった仲代氏は、愛嬌がありコミカルで軽やか
全く年齢を感じさせない演技だった。
善悪が混同し、理不尽極まりない父親だけど
愛すべきキャラクターとして、つくられていた。

板の上には、目には見えない力が存在している…
そんなことを思った。

観劇前に台本を読んだ時は

  理不尽で頑固者の飲んだくれ親父

というイメージだったが、良い方に裏切られ
それがとても心地よかった。

翻訳物は、違和感が残ることが多いが
今回は、その点が殆ど気にならず

 事なかれ主義、見て見ぬふり

が横行している現代において
この作品を提出した意味は深い。

主人公の娘マギーは、大変意思が強く
自分の未来ビジョンを明確に持ち
それを行動に移していく。
やり方はかなり強引だけど
状況を変えたいと本気で思えば
摩擦も覚悟で取り組む必要があるのだろう。
大切なのは、周囲の…家族の幸せを忘れないこと。
一見エゴに見えるマギーの行動の裏側には
父と妹たちへの深い思いがある。

自分の幸せがみんなの幸せ…
みんなの幸せが自分の幸せ…

どっちが先かで論争になりそうだけど

自分の幸せが周囲の幸せに繋がるのか
周囲の幸せが自分の幸せに繋がるのか

と、自問自答してみると、今の自分の状態がわかるかもしれない。

どちらにしても、相手のこと、あるいは
近しい人に思い馳せることができるか否かで
状況や出来事は変化していくんじゃないかな。

無名塾は、若手メンバーも育っていて、今後も楽しみな劇団
舞台芸術がおかれた日本の現状は厳しいが
諦めず、今後も継続していって頂きたいと心から願う。

役者は、役者である前に人間である。
人間として、どうであるか…
ここが重要なポイントだと私も思う。

舞台は、その人が見えちゃうんだよね。

弱い自分と向き合い、悪戦苦闘しながらも
くじけず努力を積み重ねていくにつれ
舞台での存在感が増していく―

昨日は、充実した一日でした♪

人間の可能性

2012年05月07日 20時02分31秒 | 日記
限界を決めているのは自分―

であることに、気付いたとき
人間は大きく成長する。

これは、私が様々な体験を積み
確信していることの一つ。

それを再認識させていただいたのが
昨日の茅野市民館で上演されたWS発表会。

プロではない人でも、潜在能力の活性が成功すれば
思わず見いってしまう身体になることが出来る…

人間の可能性を目撃した舞台だった。


演出家K氏は、参加者の導き方が上手く
インスピレーションを紡いでいく構成力が抜群。
会館スタッフの熱意も相当なものだったようだ。

総合力は相乗効果となり、物凄いエネルギーを生み出す。

私がいつも目指している舞台が、そこにあった。
第三者として、客観的に観て
感じることができたのは、大きな収穫だった。

お陰様で、かなり気合いが入りました!

これで夏を乗り切れる!!

参加したケンジ君もガンちゃんも、自分自身の
身体や感性を見つめる良い機会になっただろうし
一緒に観劇したもっちゃんやShinya・Sariaも
きっと刺激を受けたはず。

彼らの成長が、より一層楽しみになって来ました♪

共通認識の必要性

2012年05月05日 08時34分20秒 | 日記
いよいよ明日は、茅野ワークショップの舞台発表会♪

夢幻所属員全員に公演案内を送り
出来るだけ観劇するように伝えたが
GWでそれぞれ予定があるのか反応が今一つ。
再度今晩の稽古で促がしてみよう。

先週の稽古時に

  団としての共通言語を持とう

と青年クラスの団員に伝え

  創造と表現の違い

について話した。

まあ…何度も話していることなんだけどね…

私が演技指導の時に使う用語のうち多いのは

  見通し(パースペクティブ)
  前提条件
  細分化
  役割
  声の位置・強弱・スピード
  イントネーション
  台詞を立てる
  腰を入れる

など。

他にも色々あるが、何年も夢幻に所属していながら
前提条件や細分化の意味を
きちんと理解していない団員もいる。

自分が知らない言語や理解出来ない言葉を
そのまま放置しないで欲しいなぁ。

一時期はしつこく言うのが嫌になり
一回話したら暫く話さないようにしていたが
今はそれを改めて、何度でも諦めずにしつこく
話すように努力をしているが・・・

共通認識がないと、伝わりにくいんだよね。

  言語とイメージの共有

これを演出家と役者の間で成立させることが
舞台を創造する上で必要だと痛感している。

日本語は多様な表現があり
それが日本語の良さでもあるが
例えば

  美しい

と言っても、何を美しいと思うかは十人十色。

正確に伝達しようと思っても
言語の使い方や受け取り方で、全く違うものになる。

それを踏まえて、茅野ワークショップ発表会を
団員には是非観ておいてもらいたいのだ。
私が演出で使う身体表現の根幹となるものを
客観的に観て感じてもらうことが出来そうだから。

例えば

  茅野WSの舞台の△△のイメージ

というと、お互いにわかりやすいでしょ?

同じ舞台を観たことがある団員には

  ○○さんが演出した××さんの◆◆のシーンの演技

と言うと、お互いに共通のイメージを抱ける。

今回のWSの演出をする小池博史さんは
30年間、パパ・タラフマラという劇団を率る中で
現在のスタイルを確立して来られたそうだ。
劇団旗揚げ当初は、いわゆる演劇だったようだが
台詞が減り、身体表現の比重が高くなり…
その劇団史の変遷は、大変興味深い。

だから、その小池さんの持つ空気と感性に触れて
何らかを学んで来て欲しいと思い
劇団員2人には、どちらかというと半強制的〈?〉に
ワークショップに参加してもらった。

参加した2人は、大変刺激を受け
自分の力のなさを痛感しつつ
今後何をすべきかを知る良い機会になったようだ。

演劇や舞台を志す人にとって損はしない舞台だと思う。

昨夜、ケンジ君から発表会のチラシをもらった。
今晩の稽古時、団員に配布する予定。

下記は、チラシに掲載してある小池氏のメッセージです。

このワークショップでは、1週間という期間で1時間の作品を制作しています。
みんな素人ですから、出来ることはたかが知れてはいますが
ただ、人間の持つ潜在力はいろいろな感覚を呼び覚ますことを可能とします。
人は可能性の宝庫なのです。
しかし、多くがその力を押し込めることで、社会を成り立たせようとする愚行を犯す。
けれど、からだが活性化すれば多大な力を人は発揮します。
それを知って頂ければ・・・。ぜひ、ご来場ください。
(小池博史/元パパ・タラフマラ芸術監督、演出家・作家・振付家・舞台美術家・写真家、P.A.i.所長)


僅か一週間で制作した一般市民23名によるパフォーマンスだけど
指導する演出家やスタッフ次第で、ここまで完成度が上がる…
それを知る舞台になると私は思っています。
 
公演発表会
タイトル:幻の教室
日時:2012年5月6日(日) 15:00開演(上演時間60分程度)
会場:茅野市民館内 マルチホール ≪入場無料≫

WS見学☆

2012年05月02日 22時50分54秒 | 日記
朝8:00に長野を出発し、茅野市民館で開催されている
パパ・タラフマラ芸術監督/小池博史さんの
GWワークショップを見学させていただいた。

茅野市民館の建物の設計者は、古谷誠章氏。
この会館の設計で日本藝術員賞を受賞された方。

外壁はほぼ全面ガラス貼りで近代的な造り
内装は黒と白を基調にしていて
固定概念に囚われないシンプルさを感じた。
つまり、どんなジャンルの催し物にも
対応できる会館というイメージ。

ワークショップは、マルチホールと呼ばれる
市民館の中で一番大きいホールで行われていた。
内装は黒を基調としていて、本舞台床面は
なんと檜を黒く染めた板で出来ている。
客席数は最大800席弱で中ホール程度だが
本舞台の奥行きが広く、客席も手動で動かすことができるため
様々な舞台どりをすることが出来る。
照明・音響設備も整っていて
全体的に使いやすそうなホールだった。
その上、残響音が少なく客席数的にも
中規模の演劇を上演するには実に理想的なホール。

  こんなホールで夢幻の芝居を上演してみたい!

と思えるホールだった。

こんな素敵なホールで朝から晩まで
稽古を出来るなんて、ナント幸せなことなんでしょう♪

会館の事業部長さんは、演劇経験者。
熱い志をお持ちで、舞台の話をする時
目がキラキラ輝いていて
とても気さくで、素敵な方だった。

  今後も何らかの形で関わっていきたい!

と思える方と出会えたことが嬉しい。

さて、見学の話―

今日は、ゴールデン・ウイーク中ではあるが
平日だっただめ、参加者数が半数ほど。
指導をする小池氏も、頭を悩ましている様子で
全体像を観れなかったのは残念だが
参加したメンバーは、皆さん真剣に取り組んでいて
小池さんの要求に応えようと
必死に体力の限界に挑戦していた。

一般市民が殆どだと聞いていたけど
何の経験もない参加者の皆さんが
あれほどのハードな稽古についていけるというのが
新鮮な驚きだった。

だって、夢幻の団員の基礎訓練以上のハードさですよ。
オープンエア一般参加者向けの
初期段階のワークショップは
団員の基礎訓練の3分の1程度から開始して
三ヶ月かけて、徐々に訓練量を増やしていきます。

今回のワークショップは、今日で僅か3日目!
そう考えると、ますます凄いと思っちゃうわけです。

身体表現+感性を磨くには、とても良いWSだと思ったし
小池氏が僅か一週間でどこまで完成度を上げていくつもりなのか
是非とも本番を観てみたい!と思った。

きっと凄い舞台になる!
そんな予感があります!!

なので、私も何とか都合をつけて
6日の公演を観に行こうと思案中。

ご興味のある方、ご予定のつきそうな方は
是非、茅野市民館へ足を運んでみてくださいね♪

下記は、GW詳細です。

GWワークショップ
日程:2012年4月29日(日)~5月6日(日)
会場:茅野市民館内
 
【公演発表会】
日時:2012年5月6日(日) 15:00開演(上演時間50分程度)
会場:茅野市民館内 マルチホール
料金:無料