蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

共通認識の必要性

2012年05月05日 08時34分20秒 | 日記
いよいよ明日は、茅野ワークショップの舞台発表会♪

夢幻所属員全員に公演案内を送り
出来るだけ観劇するように伝えたが
GWでそれぞれ予定があるのか反応が今一つ。
再度今晩の稽古で促がしてみよう。

先週の稽古時に

  団としての共通言語を持とう

と青年クラスの団員に伝え

  創造と表現の違い

について話した。

まあ…何度も話していることなんだけどね…

私が演技指導の時に使う用語のうち多いのは

  見通し(パースペクティブ)
  前提条件
  細分化
  役割
  声の位置・強弱・スピード
  イントネーション
  台詞を立てる
  腰を入れる

など。

他にも色々あるが、何年も夢幻に所属していながら
前提条件や細分化の意味を
きちんと理解していない団員もいる。

自分が知らない言語や理解出来ない言葉を
そのまま放置しないで欲しいなぁ。

一時期はしつこく言うのが嫌になり
一回話したら暫く話さないようにしていたが
今はそれを改めて、何度でも諦めずにしつこく
話すように努力をしているが・・・

共通認識がないと、伝わりにくいんだよね。

  言語とイメージの共有

これを演出家と役者の間で成立させることが
舞台を創造する上で必要だと痛感している。

日本語は多様な表現があり
それが日本語の良さでもあるが
例えば

  美しい

と言っても、何を美しいと思うかは十人十色。

正確に伝達しようと思っても
言語の使い方や受け取り方で、全く違うものになる。

それを踏まえて、茅野ワークショップ発表会を
団員には是非観ておいてもらいたいのだ。
私が演出で使う身体表現の根幹となるものを
客観的に観て感じてもらうことが出来そうだから。

例えば

  茅野WSの舞台の△△のイメージ

というと、お互いにわかりやすいでしょ?

同じ舞台を観たことがある団員には

  ○○さんが演出した××さんの◆◆のシーンの演技

と言うと、お互いに共通のイメージを抱ける。

今回のWSの演出をする小池博史さんは
30年間、パパ・タラフマラという劇団を率る中で
現在のスタイルを確立して来られたそうだ。
劇団旗揚げ当初は、いわゆる演劇だったようだが
台詞が減り、身体表現の比重が高くなり…
その劇団史の変遷は、大変興味深い。

だから、その小池さんの持つ空気と感性に触れて
何らかを学んで来て欲しいと思い
劇団員2人には、どちらかというと半強制的〈?〉に
ワークショップに参加してもらった。

参加した2人は、大変刺激を受け
自分の力のなさを痛感しつつ
今後何をすべきかを知る良い機会になったようだ。

演劇や舞台を志す人にとって損はしない舞台だと思う。

昨夜、ケンジ君から発表会のチラシをもらった。
今晩の稽古時、団員に配布する予定。

下記は、チラシに掲載してある小池氏のメッセージです。

このワークショップでは、1週間という期間で1時間の作品を制作しています。
みんな素人ですから、出来ることはたかが知れてはいますが
ただ、人間の持つ潜在力はいろいろな感覚を呼び覚ますことを可能とします。
人は可能性の宝庫なのです。
しかし、多くがその力を押し込めることで、社会を成り立たせようとする愚行を犯す。
けれど、からだが活性化すれば多大な力を人は発揮します。
それを知って頂ければ・・・。ぜひ、ご来場ください。
(小池博史/元パパ・タラフマラ芸術監督、演出家・作家・振付家・舞台美術家・写真家、P.A.i.所長)


僅か一週間で制作した一般市民23名によるパフォーマンスだけど
指導する演出家やスタッフ次第で、ここまで完成度が上がる…
それを知る舞台になると私は思っています。
 
公演発表会
タイトル:幻の教室
日時:2012年5月6日(日) 15:00開演(上演時間60分程度)
会場:茅野市民館内 マルチホール ≪入場無料≫


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