蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

再び上田へ☆

2010年11月19日 23時59分54秒 | 日記
今朝はサンクスへの対応で朝からバタバタ
昨夜から今朝にかけて、若干申し込みが続き
既に定員オーバーだが、団員がテーブルにつかず
椅子のみにすることで対応できそう。
お断りしないで済んで良かった!

サンクスは、今年一年の感謝を込めて
団員が支援者や応援者の皆さんをおもてなしするパーティ
団員諸君はおもてなしをする側で
お客様との歓談がメインだと考えれば
交代で食事を摂れる程度のテーブルがあれば
全員分のテーブルは必要ないものね?

10:30、上田に向けて出発。
勿論“表現&コミュニケーションワークショップ”の宣伝です。
同行者はケンタロウ君。
これで四回目の上田だ。

  山が赤い!

青空と紅葉した山々のコントラストが美しい。
赤い稜線の向こうには真っ白く雪に覆われた北アルプスが

自宅で作業する時間が多い私にとって
車での移動時間中に自然の風景を楽しむのが
息抜きの一つになっている

これで四回目の上田行き。
何としてもこのワークショップを成功に導きたい。
そのためにはまず参加者が集まらないとね♪
そのためだったら、何度でも上田へ足を運びますよ~

もっと余裕がある時なら
観て回りたい建物や場所があるんだけど
そういう時間を取れないのが残念だ

17:00過ぎ、最後に廻ったS高校を後にして
長野の稽古場へ直行。

二日間ほどネットで曲を探し回り
ようやく今回の芝居に合いそうな曲を何曲かゲット
曲や効果音探しのたびに、100曲以上聞いている。
ってことは…
イメージにピタッとはまる曲に出会える確率は100分の1以下???
けど、だからこそ出会えたときの喜びはひとしお

  必ず出会える

と思っていると、絶対出会えるから不思議

稽古中、役者の台詞きっかけで音楽を流してもらって
ゲットした曲の中から今回使う曲を決定。
役者には、音楽を聞きながら
間とテンポを考えて台詞を発するように要求した。

役者も音楽も生きなきゃ
効果音として使う意味がないもんね。

21:30、稽古終了。
買い物をして自宅へ。

さすがに疲れた…かな?

明日はキッズの4時間稽古と準劇団員青年クラスの稽古。
キッズたちはやる気満々
先週彼らに

  来週から更に稽古時間を増やしたいんだけど
  土曜日と日曜日、どっちがいい?

と聞いたところ

  両方いいよ!

と言う返事が
嬉しい!と思ったその直後

  どうせ行くとこないし。

と言われ、ガクッ
そうは言っても保護者の皆さんのご都合もあるだろうし…
と思ったが、皆さんから一つ返事でOKを頂きました。

  ありがとうございます

交通便の良くないところだと
小学生のうちは保護者の方のご協力がないと
稽古場に来ることすら叶わない。

  交通便の良いところに稽古場があればなぁ~

と思うが、まだまだ日替わりジプシー生活は続きそう。。

さてと…
明日のキッズの稽古前までに
音楽編集を完了させねば


「高野辰之日記」を読む-日記に見る高野の実像と唱歌作品-

2010年11月18日 14時47分11秒 | 日記
先日、夢幻に音楽を提供して下さっているMoriさんから
下記の講座のご案内を頂きましたので、お知らせいたします。

【主 催】財団法人八十二文化財団
【催し名】「高野辰之日記」を読む-日記に見る高野の実像と唱歌作品-
【日 時】12月10日(金)、19日(日) 午後2時~4時 [全2回]
【会 場】八十二別館 AV教室(長野市岡田178-13)
【講 師】中山裕一郎(信州大学教授)
【概 要】
「故郷」「春の小川」「朧月夜」「もみじ」などで知られる高野辰之が残した日記には、仕事に対する思い、愛してやまなかった酒と食のこと、幅広い交友関係や鋭くかつユーモアにあふれた人間観察の視線、家族や飼い犬ポチのことなどが日々記されていました。
このたび達筆ゆえの難解な文章を判読し、その内容を解明した信州大学の中山裕一郎教授に、日記の内容と唱歌作品をつなげて、高野辰之の実像についてお話いただきます。
第2回では、ソプラノの光延聖子さん、田中啓子さんと、松澤功さんのフルート、森雄太さんのオルガン・編曲による演奏を交えて、みんなで唱歌を歌って、当時の授業の雰囲気を再現します。
【受講料】会員1,000円/一般2,000円
【お申し込み】http://www.82bunka.or.jp/event/lectures/index.php
(以上、八十二文化財団「教養講座一覧」から転載)

この講座の講師に招かれている中山先生は
昨年のオープンエアシアターで
アコーディオン奏者としてご出演下さった方。
優しい語り口調とユーモアあふれるトークが魅力的な先生です
第2回の講座には、同じくオープンエアにご出演頂いた
演奏隊・声楽隊の皆様が高野氏の作品を演奏し
みんなで歌って当時の唱歌の授業の雰囲気を再現するそうです。

興味深い企画なので、ご予定のつく方は是非受講してみて下さいね

ザ・ウェイブ&ゴールデンスランバー

2010年11月17日 23時58分10秒 | 日記
サンクス・ギビング・デーの参加者数が
昨日で予定人数を超過
開催日の10日も前に座席が埋まるのは今年が初めて。
明後日が一応締め切りになっているが
明日で締め切らざるを得ない状況
有難いことです

昼間は事務関係や効果音探し。
夕食後、先日レンタルしたうちの二本の映画を鑑賞した。

  THE WAVE(ザ・ウェイブ)
  ゴールデンスランバー

いやぁ~
両方とも面白かった
布石も構成も見事でして…

『ザ・ウェイブ』は、アメリカで実際に起きた事件を元に
ドイツで撮影された映画。

(ネタばれになる可能性あり)

高校で、民主主義の良さを知るために行われた≪独裁主義≫の実習授業。
クラスを独裁国家に見立て、教師が独裁者に選ばれる。
僅か一週間の、いわゆる心理実験のような授業なわけだが
いつの間にか生徒達は暴走し始め、やがて、とんでもない結末が…

  こんなに急激に

と最初思ったけど、人間条件が揃えば
暴走し始める時は一瞬なんだよね…
観続けるうちに、最初の違和感はどんどん消えていき
「団結」という名の恐ろしい集団に変化していくのが
「あり得る」と思えるようになってくる。

指導者の最初の理念は素晴らしかった。
だから、みんなついていっちゃうんだろうね。
特に、生きる目的や未来の展望を持たず
今が幸せなら、今が楽しければそれでいいと
思っている人間は、高い理想を掲げられると
傾倒しやすいのかもしれないな。

いつの間にか自分たちは特別だと思うようになり
自分たちの考えに反対する者を排除するようになる。
イエスマンしか存在出来ない集団だ。

人間を独裁主義に走らせるのは、劣等感?
劣等感の裏返しが、特権階級に固執する原因?

  こわいなぁ。。。

多かれ少なかれ、みんな何らかのコンプレックスを持っているものだから。
あ、克服している人もいるでしょうけど

誰しも、あのようになる可能性がある…のか…

この映画がドイツで撮影されたことに、意義を感じる。
現在においても、ドイツでは
ナチスドイツの独裁政治が過ちであったと言うことを
教育の現場で取り上げ、全国民に考える機会を与えているそうだ。
日本はどうだろう?
私の時代は、近代史なんて殆どすっ飛ばしてました。
今はもう少しマシかもしれないけど
事実を知らなければ、きちんとした考察も出来ない。
戦後60年以上経っているにもかかわらず
戦争により苦しめられた人々の傷は癒えずにいる。
必要以上に責任を感じる必要を私は感じないが
過ちの検証は、未来を考えるときに重要なことだと思う。

あ、話が戦争に飛んじゃいました

「暴走する人間」について考えていたところだったので
とてもタイムリーな映画が観れて、良かった

『ゴールデンスランバー』は、原作が伊坂幸太郎さん。
伊坂さんの小説は「死神の精度」ではまった。
はまって小説を何冊か購入したのに
雑事に追われ、未だに読めていなかった。

そんなときに、見つけた一本の映画。
内容はよくわからなかったが

  伊坂さん原作の映画なら、ハズレはないはず

と思って借りたところ、やっぱり正解だった。

観終わって、清々しい気持ちに一瞬なったものの
その後、いくつか残った疑問により

  権力って…

と、考えさせられ

  諦めるしかないのか

と物凄い憤りを覚えたが、現実は確かにそうなんだよね…

あ、ごめんなさい
何の事だかわからないよね

これについては、記載をやめておきます。
ご興味を持った人は是非ご覧になってみてください

スパイラル

2010年11月16日 23時24分06秒 | 日記
僅か三ヶ月前のことなのに
随分以前のことのように思える…

  百々眼~スパイラル~

長野の夏の風物詩とも言えるNAGANO open-air THEATER
あの過酷な野外舞台から早三ヶ月の時が過ぎ
今は、今年一年の感謝の心を込めて開催する
サンクス・ギビング・デーの準備と
12月から始まる『表現&コミュニケーションワークショップ』の
準備に追われる毎日。

ようやく「スパイラル」のDVDが完成し
来週末、発売開始の予定。

前作「百々眼~カオス~」の続編として製作し
10回目の記念公演と銘打ち
劇団の総力を挙げて取り組んだだけあって
DVDで観ても、見応えのある作品だ。

自分で言うと

  アホか

って言われそうだけど
よくこんな舞台を造ったもんだと思う。

  来年も、これ以上の舞台を造らなければならないのか…

と思うと、プレッシャーが重く圧し掛かって来る。
毎回、今まで以上に良い作品を…と思いながら頑張って来た。
これをずっと続けるのか…と思うと苦しくもなるが…

創作し始めると、不思議とプレッシャーが消えちゃうんだよね

苦しいより楽しいが勝つって感じかな。

昨日から今日にかけて、DVDケースのジャケットデータを製作。

今回のDVDレーベルはケンジ君が作ってくれました。

「カオス」のジャケットデータはKaneedaさんが作ってくれたんだけど
今回は急遽、ジャケット印刷も業者に依頼することになって
時間もないため、私が作ることにした。

これでサンクス・ギビング・デーの時に
皆さんに配布することが出来ます
注文された皆さん、どうぞ楽しみにしていて下さいね
本当に映像も音楽も見どころ満載ですよ~~

一生かかって完全な死体に?!

2010年11月15日 15時54分45秒 | 日記
昨日、二年ぶりに演劇実験室カフェシアターの舞台を観劇。

 タイトル 公開ワークショップVol.36 『花札伝綺』
      作=寺山修司 演出=中沢清

この劇団は、長野で30年以上も活動を継続している劇団
演出の中沢さんは、寺山修司さんの天井桟敷で活動された経験がある方。

劇団空素さんにしても、カフェさんにしても
30年以上継続できるなんてホント凄いなぁ~と思う。

22年前、長野に引っ越してきて、初めてネオンホールでカフェの芝居を観た時
物凄い衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えている。

カフェさんの芝居は、いわゆるアングラ演劇と呼ばれるジャンル。
中沢さんは、一貫して寺山ワールドを上演し続けている。

寺山修司氏について、若干記述しておこう。

  寺山 修司 (てらやま しゅうじ、1935年12月10日 - 1983年5月4日)
  日本の歌人、詩人、劇作家、演出家。
  他に小説家、映画監督、作詞家、脚本家、エッセイスト
  俳人、評論家、俳優、写真家などとしても活動した。
  演劇実験室天井桟敷主宰。
  (以上、Wikiより転載)

本業を問われると「僕の職業は寺山修司です」返すのが常だったとか。
「言葉の錬金術師」の異名をとり、膨大な量の文芸作品を発表し
その一方で、映画や演劇なども幅広く手掛けた人。

1970年代~1980年代はアングラ全盛期。
当時私は、意味不明なアングラ演劇をあまり好まなかったが
寺山修司氏の詩やエッセイは心惹かれるところがあった。

大人になっても子どもの心を持ち続けている人―
その豊かな想像力とことばの発想力に圧倒される。

今回のカフェさんの作品は
中沢さんが人形浄瑠璃にヒントを得て

  義太夫的な台詞のみを発する役者
  台詞は発せず身体のみで演技する役者

で観せる演出だった。

はっきり言って一度観ただけでは
あのディープな世界を理解することは難しい。
が、観劇後、いくつか心に残る台詞があって
「花札伝綺」の中から台詞を拾ってみた。

“私の親しい友人たち、と申しましても皆、死んだ者ばかりでございますが…彼らが言いますんは、冥土もなかなか住みよくなった、心には何患いもなく、労働もせず、苦痛も知らず、まるで神々のように生きられる。病気は一切なく、祝宴は毎夜ひらかれ、海の幸も山の幸も食べ放題、田園は果しなく、後悔することなど夢のよう……第一、死美人は年を老らないし、娑婆のように「きれいはきたな、きたなはきれい」などという逆説もいらない。それにくらべればこの世はあまりにむごいことばかりだ。悲劇が起るのも生きてる人の間ばかりだし、殺人強盗詐欺にペテン、悪いことが起こるのも生きていればこそなのです。考えてもごらんなさい。あの世じゃ「殺人事件」なんて起る筈がない。二度死ぬことができるのはジェームス・ボンド位のものです。”

“第一、生きている奴をのこしておかないことにゃ、死んでる奴の世界が見えない。光がないと、まるで影がないのと同じようなものだ。”

“生が終わって死がはじまるのではない。生が終われば死も終わる。生につつまれないなんてあるわけがない。”

“逃げたり、追っかけたり……生きていることはほんの鬼ごっこ遊び、つかまるまでのたのしみだ”

(“”部分、「寺山修司戯曲集・4」(思潮社刊)から引用)

『花札伝綺』は、1967年に演劇実験室・天井桟敷により初演された作品だそうで。

そういえば、中沢さんが「寺山さんの初期作品を上演していく」と言っていたのを思い出した。

「生と死」がテーマだと思うが
あちらこちらに社会風刺がたっぷりで
人間の闇の部分をさらけ出し
エログロナンセンスとレトロチックな雰囲気に
どこか心惹かれるものがある。

好みは分かれるだろうけど、私としては
好奇心がそそられるジャンルだ。

寺山修司氏の名言の中の一つを記しておこう。

  人間は中途半端な死体として生まれてきて
  一生かかって完全な死体になるのだ。

奥が深く、それでいて私にとってはわかりやす言葉―

久しぶりに寺山氏について調べるきっかけになった。
徐々に創作意欲が湧いて来た感じです。