蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 第17回 劇団本公演「星のない町 ぼくの町」

NPO法人劇空間夢幻工房 第17回 劇団本公演
タイトル 『星のない町 ぼくの町 ~ゴミ人間プペル奇譚~』
脚本・演出 青木由里
原案 『えんとつ町のプペル』西野亮廣 著
出演 青木賢治/栗生みな/坂本真由美/青木淳/井田亜彩実/鈴木一衣/導星ゆな 他

日時 2022年3月5日(土)18:00~    2022年3月6日(日)11:00~/16:00~
会場 須坂市 メセナホール 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/mugen_puperu

上記公演は好評のうちに幕を閉じました。
ご来場を賜りました皆様、ご尽力を賜りました皆様に、心より御礼を申し上げます!

今夏の救世主は―

2016年08月27日 10時07分33秒 | 日記
今年の一番の救世主は……

マッチ!

彼は元夢幻の団員。

現在は、東京で殺陣を学びつつ俳優業を続けているが
去年に引き続き、今年もオープンエアへの出演が決定し
7月末から長野に帰省して、ご実家から連日
稽古場に足を運び、積極的に小道具や甲冑製作も
手伝ってくれて、殺陣のアドバイザー的な役割も。

キャスティングが決まってからのエントリーだったため
マッチの配役をどうするか、マジ悩んだ。
が、大きな役を2役演じる予定だったガンちゃんが
7月下旬に稽古中に怪我を(・・;)
その瞬間、稽古場にいたみんなの顔が青くなった。

台本を修正した結果、ガンちゃんが演じる白雲斎の役の重みが
更に増したこともあり、2役のうちの一役を
マッチに演じてもらえれば…と思い、早速連絡。

マッチから快諾をもらえて助かった。

生身の体を扱う舞台は、本当に恐ろしい。
役者が怪我をしたり、病気になれば
上演不可能になるケースだってあるのだ。

私も以前、所属していた劇団で
本公演のキャストが発表された直後
大きな病気が発覚し緊急手術を行うことになった。

病名は胃癌―

医師は

 癌は出来たら取ればいいんですよ。
 定期的に検査をして、早期に発見し
 出来たら切除、そうすれば何も恐いことはない。

と。

私は早期ガンとのことだったが、手術をしたところ
思いのほか腫瘍が深く、もしかしたら転移の可能性も・・・
と脅され、抗がん剤を服薬し様子を見る日々。

劇団側は私の代役を誰に頼むか・・・ということで
色々考慮してくれたのだが、東京からプロの役者を
招聘するには予算が必要で、その予算組みが出来ず
舞台を取りやめることになってしまった。

不可抗力とは言え、周囲に多大な迷惑をかける結果となった。

私はすぐにでも舞台に復帰したくて
術後、歩く許可が出てから毎日病院内を散歩して
抜糸後は、すぐに筋トレを開始。

退院してからは、すっかり筋肉が落ちてしまった足を
元に戻すために、トレーニングマシンを購入し
毎日、一時間、トレーニングを行なって
術後2カ月頃には、以前と同様に動ける身体に戻した。

驚いたのは、筋肉の落ちるスピード。
僅か一週間、寝たきりだっただけなのに
足の筋肉が全くなくなり、一気に細くなった。
胃を切除して、ご飯を食べられなかったせいもあるが…

舞台は身体が資本―
一人でも欠けたら成立しないのが舞台―

ということを、痛感した出来事だった。

私はすぐに劇団活動に復帰したかったが
病気が病気だったため、演出家のくるま先生は不安のようで
一年近く、舞台に復帰させてもらえなかった。

けど、私は逆に病気が病気だけに
入院中に今後の人生を深く考えるきっかけをいただき
二つの結論に至っていた。

①子どもたちが成人するまで何としても生きる。
②社会人として今の私に出来ることは「演劇」
 演劇で社会貢献をしていく。

故に、舞台に向かうエネルギーは更に強くなっていた。

くるま先生の不安は分かり過ぎるほどわかる。
舞台が一つポシャッてしまったのだから…

けど……
私は舞台に立ちたい・・・

ちょうどそんな折に、私と一緒に舞台を作りたいという
メンバーが現れて、私は彼らと一緒に市民演劇祭に参加し
私が長野に越してきて以来、初の演出作品を創作。

この作品が好評で、動員も300人を超えた。
この出来事が、夢幻を旗揚げするきっかけになり
翌翌年の秋、古巣の劇団を退団し、夢幻工房を立ち上げた―

あの病気のおかげで、今の夢幻工房がある。
まさに人生の転機だった・・・

何しろ演劇を始めたのは小学校4年生の時。
日本児童劇団に入団し、中学・高校は演劇部
高校2年の時に、アルバイトで貯金したお金で
劇団東俳に入団し、東俳の初期メンバーとして活動。

結婚して6年ほどブランクがあったが
長野に引っ越してきてすぐ、くるま先生と出会い
子育てと仕事をしつつ女優として舞台に立ち続け・・・

振り返れば演劇一色の人生。
そんな私が社会貢献できるのは「演劇」

今もその思いの延長線上で生きている。

話がずれた(^_^;)

ガンちゃんの怪我は、そこまで酷いものではなく
安静にしていれば治るとのことだったので、ホッ。

けど、マッチの登場で、ガンちゃんも一役に集中出来ることになり
殺陣が得意な彼は、殺陣振付のケンジの片腕として動いてくれた。

甲冑製作も自分の仕事として受け止めてくれて
連日連夜、製作し続けてくれた―

オープンエアシアター2016の救世主は“マッチ”

彼がいなかったら、どうなっていたか・・・

本当にありがとうm(__)m



今日の夜こそは、何としても通さねば・・・

うーむ…雨が心配だ・・・

トリプル台風の影響で強風が吹くのも危険・・・

舞台の出来、不出来も重要だが
今はひたすら無事故であることを祈る―

事故が起きれば、どんな良い舞台でも
みんなの心に傷が残ってしまう。

心の底から笑顔にはなれないだろう。

それだけは何としても避けたい。

夢幻の草創期を支えてくれた元団員が
2人も出演してくれるこの舞台・・・

大勢の皆さんのお力添えで成立しているこの舞台・・・

……

もしや…

八百万神(やおろずのかみ)に試されているのかも…

ふとそんなことを思った。

今はやれることを精一杯やるのみ。

結果は後からついて来る・・・はず――

会場入り3日目 ~またもや雨が・・・~

2016年08月27日 02時55分11秒 | 日記
台本が濡れてしまって破れそう・・・

昨年から、Qきっかけ記載には消せるボールペンを使用している。
「フリクションボール」という消えるボールペン。
3色を「音響」「照明」「道具」に分けて書き込めるし
変更しても、消して書きかえられるから非常に便利。

以前は、鉛筆で書き込んでいたがコピーには適さない。

フリクションが発売されて、使い勝手がよく
稽古用ノートの記載も、殆どフリクション。

けど、このボールペンは熱に弱い。
熱に弱いから、摩擦で消えるので、当然なのだが
65℃以上で消えてしまうそうで
濡れた台本をドライヤーで乾かそうと思ったが
ドライヤーの熱風は高温なので消えてしまう可能性が!

明け方、帰宅しながら

 濡れた台本をどうやって乾かそうか・・・

と考えたが、良いアイディアが浮かばず
洗濯ハンガーに吊り下げエアコンをつけっぱなしで就寝。

9:00過ぎに起床。

少しは乾いたかな?と思ってみたが、殆ど乾いてない。

外を見ると、雨は降っていない様子。

今日は1日、降りませんように・・・

晴れなら、現場に行って干しておけばすぐ乾くよね。

毎晩雨続き、今夜は何としても最後まで通さなければ。

明日は午前中が音楽中心の合わせ稽古
午後はゲネプロ、そして夜は本番!

よぉし、気合い入れて行こーっ!

疲れを吹き飛ばし、現場に向かう。

暑い!
今日も真夏日か・・・

けど、ひとまず雨の心配はなさそう。

おお~のぼり旗が良い感じにたなびいてるぅ~


今年は、広告付きのぼり旗を考案。
企業や個人事業主の方にお願いして
全部で36本ののぼり旗を製作。
    

ここで、のぼり旗広告にご協力いただきました皆様を
ご紹介させていただきます。

オリオン機械株式会社 様
    

ホクシンハウス(北信商建株式会社) 様
    

株式会社サンジュニア 様
    

株式会社ショーシン 様
    

株式会社ダイナミクス 様
    

株式会社パナホーム長野中央 様
    

株式会社ヒシヤ 様
    

株式会社VC 様
    

カラオケ・チャオ 様
    

信州須坂 田中本家博物館 様
    

弓場会計事務所 様
    

cyuy2♪ 様
    

複数本のお申し込みをいただいた企業が多く
お陰さまで賑やかな会場となりました。

ご快諾をいただきました皆々様に
心より御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。

多数ののぼり旗が風にたなびく姿が
イベント会場の雰囲気を醸し出している。

多忙で途中製作自体を挫折しそうになったが

 “やる”と決めたことはやり遂げる

と思い直して取り組んだ結果だ。

今日は本番前日ということもあって
昨日の昼間よりキャスト人数が多い。

午後から抜き稽古の予定なので
本当なら全員参加してもらいたいところだが
仕事や学校の関係で、そうもいかない。

来ている人で、危ういシーンや
幕関係、出入り等の抜き稽古をするつもり。

14:00からは演奏隊・声楽隊も来て
サウンドチェック
17:30からはマナブンさんのライブのリハーサル。
18:30から本番通りの稽古をする予定。

作業人数がいるのでテントの移動お願いする。
会場を取り囲むように配置して
外側から中が見ないように横張幕を吊るしていく。

これまでもこういうスタイルにしたかったが
横張用の布が足りないと言われ出来なかった。

本当に足りないのかな・・・
布は大量に有るはずだし・・・

今回も、布が足りないかも…と言われたが
不足分は考えるからやってみて欲しいと伝えた。

実際吊るして見たところ、ぎりぎり足りました!

良かった(^^)

だってね、倉庫にはまだ布がたくさんあるのですわ。
足らないなら、他の布を代用することも出来る。

吊るす作業は大変だっただろうけど
お陰で落ち着いた野外劇場空間が生まれた。

作業をしてくれた皆さん、ご苦労さまでした!

連日参加してくださっているボランティアスタッフさんもいる。
本当にご苦労さまです!

研修生とボランティアスタッフさんは客席づくり。

昨年は本番日に客席作りをしてもらったのだが
ゲネがおして、落ち着いて客席づくりが出来なかった。

なので、今日は人数が少なくても金曜日に行う、と決めていた。
もっと人数が少ないかと思っていたが
今年は予想以上に大勢の方が手伝いに来てくれている。

本番前の3日間、ボランティアスタッフさんは17:00解散。
本当によく働いてくれている。

本番日も20人ほどご参加いただける予定とか。
助かりますm(__)m

皆様に心から感謝!

客席づくりも指示を出し、修正しながら
椅子を並べてもらったので
とってもきれいに並んでいる。

丁寧に並べてくれてありがとうm(__)m

14:00から粗通し稽古をしながら
出入りや立ち位置の確認をしていく。
最後に大布の出し入れを確認。

音響さんは、次々と到着する演奏隊のセッティングや
サウンドチェックで大忙し。

夕方、湿った風が吹き始めた。
空を見上げると怪しげな雲が・・・

どうか通し稽古が終るまで降らないで・・・

と祈るが、またもやパラパラと降りだした。

けど、今日はやるしかない。

どうかキャストが風邪をひきませんように・・・
転んで怪我をしませんように・・・
無事故で終えられるますように・・・

祈る思いで、通し稽古を開始。

全く止めなければ21:00には終わるはずなのだが
何しろ現場で初めての通し稽古。
しかも、今日から参加しているメンバーもいるし
演奏・声楽隊も現場では初めての合わせ稽古。
更に、音響さんも照明さんも通しで合わせるのは
初めてで、すんなり通るわけもなく・・・

出来るだけ止めないように…と思うが
明日の天気もどうなるかわからないので
修正出来る箇所は、止めながら進めるしかない。

子どもたちも本当は最後までいて欲しかったが
途中で雨脚が強くなって来たこともあり
エンディングシーンは明日行うことにして
子どもたちだけ先に解散。

21:30になってもまだ最後まで行きつかない。
雨脚は更に強くなってきて、土砂降り状態。

台本が再び濡れてしまい、めくるもの一苦労。

土砂降りの中、最後の大殺陣のシーンに突入。

強行してでも最後までいきたいところだが
ご近所の皆様のご迷惑になってもいけないし
何よりキャストの体調が心配である。

 ここでやめておきましょうか。

と言ったところ、キャスト陣から

 最後までやらせてください!

という声が!

有難い・・・

 では、続行しましょう。
 雨で足元が滑るので、くれぐれも無理のないように。

後で聞いた話だが、音響さんと照明さんが

 あの時点でやめてしまったら、どうしようかと思った。

と。

そうだよね。
特に照明さんは、夜しか明かりの変化を見ることが出来ない。

スタッフさんに確認すべきだったと反省。

ずぶ濡れになりながら、最後まで通していく。

大勢が立ち回りをする殺陣のシーンは
走り込んで来るキャスト見ながら

 転びませんように―
 怪我をしませんように―

と、ただひたすら祈る。

声楽隊の皆さんもずぶ濡れになりながら歌ってくれて
申し訳なく思いつつも、明日の本番が万が一
雨ならば、同じ環境で舞台をやることになる。
そう考えると、雨の中リハーサルを行えるのは
有難いことなのかもしれない・・・

と思ったり――

勿論、全日晴れていることに越したことはないが・・・

22:00、通し稽古終了。

キャスト、スタッフ、演奏隊、声楽隊の皆さん、お疲れ様でした。

どうか風邪をひかないでね・・・

今年は、遠方からの参加者がお二人♪

新潟市から参加の服部半蔵役の島村さん((演劇集団NAI))と
諏訪郡から参加の大野修理&村長役の大久保さん(演劇裁縫室ミシン)

お二人とも今日から日曜日まで宿泊してくださるとのこと。
本当にありがとうございますm(__)m

明日は笛の後藤さんも合流し、ようやく全員集合。

本番日に始めて全員が集合する舞台なんて、昔は想像できなかった。

けど、今は・・・

オープンエアシアターは市民参加のエンターテイメント。
分割稽古で作って来たシーンを
パズルのように組み合わせて
エンタメに仕上げる演出の仕事――

演出でお見せするのが、オープンエアシアター(^_-)-☆

そう考えるようになって、気持ちが楽になった。

そして、わかったこと。

本番になれば、みんな必ず持てる力を発揮してくれる。

だから、稽古をしてきたシーンはなんの不安もない。

ただ稽古回数が少なかったシーンは少々不安が残るが
幕が上がれば、みんなテンションが上がり
生き生きと演じてくれるはず。

テンションが上がり過ぎて、力が入ってしまい
声を潰してしまうことだけが心配だが。

キャスト陣には事前に喉を潰す危険性について伝えてある。

大切なのは身体と発声のアップ。
これを怠ると、怪我をしたり喉を潰したりする確率がある。

あとは各自に委ねるしかない。

私はただ見守るのみ――

終演後、照明スタッフは卓前に座り込み
ずっと照明チェックを続けている。
恐らく、最初から全てのQをチェックしているのだろう。
午前0時を過ぎても、まだ継続している。

私たちは依頼した警備会社の社員さんに警備をお願いして
一足先に失礼することに。

三光スタッフの舞台監督さん、舞台スタッフさん
そして照明スタッフさんは、仕込みの日からずっと
深夜の作業が続いている。

連日、本当にありがとうございますm(__)m

体調が心配だが、皆さん

 大丈夫です!

と仰ってくれて…

有難いスタッフ陣に心から感謝!

シンヤとユウマとマッチは、連日連夜
十勇士の甲冑と鉢巻製作。

シンヤの筆が入って、一気にグレードが上がった。
流石だわ!

この甲冑、衣装さんではなく、型紙はケンジが作成。
薄いプラスチック製のプレートを
片に沿ってカッティングして
そのプレートに合皮を貼り付け
真田氏の家紋六文銭のマークをカタで吹きつけ
合皮に立体感を出すべく、ペイントを施す。

ケンジ・サリア・ユウマ・シンヤ・マッチの合作
真田十勇士の甲冑は、舞台映えのする甲冑に仕上がった。

本当にご苦労さま!!


さて、明日はいよいよ初日――

朝9:00集合だ。

今日は日中は真夏日、夜は雨で冷え込んで
体調を崩す人が出なければ良いが・・・

私もお風呂に入って身体を温めよう――