川上ダム待望論と言いますが、「エッ、未だ出来ていなかったの?」と言う方が必ずといって良いほど回りに居られます。
「このごろ洪水が起きなかったのはダムが出来たからでしょ?」と、丁寧に脚色しておられるかたまでいました。
そのたびに私たちは「川上ダム本体は未だ着手されていません」と何度言ってきたことでしょうか。
おそらくダムを待望しておられる方々も、同じ事を言って来られたのではないかと、感じます。
そして9月15日深夜からの18号台風が襲来し被害跡をつぶさに見られたり、日常生活がすっかり変わってしまわれたりすると、
ーもしやダムがあれば解決するのかとお考えになるお気持ち、わからないわけではありません。
大抵そんな考えからスタートするほどに、ダムの効用は語り尽くされてきたのですから。
国が国家予算を使って、ダムを宣伝して来た経緯があります。 ここは原発と同じですね。
ダムがまったくもって万能であるかのように、宣伝されてきたのです。 ここも原発といっしょ。
洪水を防ぐのにダム・利水安定供給するのもダム、と言うコマーシャルに乗っかって2000ものダムがこの国に造られました。
ここ50年ほどの間にです。
全て無駄であったとは言うつもりありません。
しかし、これ以上造る理由と費用対効果とダムの耐用年数・財政能力と自然環境保全、コレが曖昧ではどぶに税金を捨てることになっていまいます。
今、伊賀市は川上ダムを嘗てないほどに検証と検討を重ねているようです。科学的データの基づいて検証するのは歓迎です。
伊賀市が川上ダムの建設負担金を支払う事になるからでしょう。借金雪だるまは、避けた方が良いです。
ところでご参考までにですが、
河川改修100万円/mとして、10億円で1km河川改修できることです。
しかも、地元建設業者が請け負えば地元が潤うことが考えられます。ダムは大手ゼネコンがほとんどを持ち去るのですから、どっちがよいかです。
地盤の低い所の家を地上げするとしたら1軒あたり500万円で如何でしょうか、5億円で100軒の地上げできます。
ダムより年数掛からないで、安心を得られる方法だと言えないでしょうか?
伊賀には立派な遊水地が4つあり、運用開始すれば排水門を締めて900万トンの水を溜めることが出来ます。
また、河床掘削事業を40年ものあいだ怠ってきたツケがあることは誰の目にも明らか。40年とは驚きです。
これも地元業者に発注出来ないでしょうか?
ダムの効用は限定的だと頭の良いお役人さん達が言わないのはなぜでしょう。
今までダムを宣伝してきた手前があり、今更言えないという所でしょうか。打破してもらいたいですね。
ダムを造るか造らないか、どの情報で見極めて選ぶのか自由であり責任が伴います。
特に地元は、ダムによる思いがけない実害が及びます。
市政に携わる人は(市政をチェックする人も)、子どもや孫の世代の幸せを描く青写真を具体的に示して、ビジョンを持って欲しいだけです。
それ以上に
私たち一般市民が、誰のためのダムなのか事態を把握するためにしっかりと考えて意見を持つ事ではないでしょうか。
18号台風の後、にわかに川上ダムの待望論が再燃しうる気配ですが、
洪水被害が出ていて多少なりとも混乱している時よりも、時間を置いて落ち着いたときに「川上ダム」を冷静に考えた方がよいのではないかと思いました。
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