水資源機構の生息数の発表を、対比して見ていただこうと作った資料
2010年の発表資料からずっと、978個体だとおもっていたオオサンショウウオの個体数。
さらに継続追跡調査をしていた水資源機構川上ダム建設所は、今年3月に新たな個体数を発表していました。
それが1,369個体です(いずれもオオサンショウウオの成体数)。 プラス391になりました。
環境が、いかに良い川であるかを物語って居ますね。ーーー本日、ブログの紹介文に有るオオサンショウウオの数を書き換えました。
水資源機構は、オオサンショウウオの個体数だけではなく
繁殖巣穴・孵化した幼生の確認など生育状況を、1996年(H8)からずっと調査しています。
ー経費は、国が付けてくる川上ダム建設費用の中で賄われている。今年は総額で約21億円ー
ダム予算の中で、特別天然記念物であるがゆえの川上ダムにおけるオオサンショウウオの調査をしっかりとやってくれて居ます。
(特別天然記念物指定した文化庁は、ここまでの特別天然記念物調査をする予算は無いですが発言力はあるはず)
-去年は、私達は有識者のご指導の下に作成した要望書と賛同署名を青柳文化庁長官へ約千通提出しました。
さて、1、369個体のうち現在登録されている個体はいくらかは私達は知りません。
絶滅危惧されて居るオオサンショウウオですから、相当数が水資源機構によって登録されたこと自体は良かったかなと思います。
しかし3千万年前から骨格がほとんど変わっておらず、地球温暖化や反対に冷却期間も食糧不足の時代も命をつないで生きてきたオオサンショウウオに登録制度導入は、とっても畏れおおいと感じるのですが。
<チュウリッヒ大の博物館所蔵の、3千万年前と推定される化石>
何事にもおおらかなオオサンショウウオですから、登録チップをいれられても別にどうってことないでしょうか((;_;))。
川の王様とか生きた化石と称されるオオサンショウウオがたくさん棲む川を、巨大人造物によって環境破壊してしまうことに私達は危惧しています。
水資源機構環境部のみなさまは私達の観察会に来られて、どのように感じられたでしょうか?
10月17日の夜間観察会の座学で、
水資源機構川上ダム建設所環境課長の竹沢さんがお話しされた資料を見ると、
「オオサンショウウオは伊賀地域に広く棲息している」
ーーーーーーー確かに、大山田の馬野川がA地域(繁殖の可能性有る)に復活したと清水先生はおっしゃいました。
ですが既に三重県では伊賀地方以外で棲息せず、しかも中国種との交雑問題解決策は ?。
「川上ダム上流部は、オオサンショウウオの生息環境として適している」
ーーーーーーーたしかに適地ですが、そこへ移転させることによる餌や繁殖巣穴のバランスへの影響は ?。
「ダムによる分断の影響はちいさい」
ーーーーーーーその理由は多くのオオサンショウウオの移動距離は短いからとのことですが、20年間以上で見た場合のデータは ?。
「ダム上流部に有る井関などにはオオサンショウウオ遡上路を設置」
ーーーーーーー遡上路を利用するオオサンショウウオは どれほどいましたか、 ?。
「繁殖に必要な人口巣穴の設置」
ーーーーーーーこれもなかなか難しいと聞きました。人口巣穴で繁殖成功した実績は ?。
「オオサンショウウオが身を隠すための寄石 整備」
ーーーーーーー賛成です。 これは大山田橋ですが寄石のない人造物ばかりあって、遡上できないでオオサンショウウオが下流で迷子になっているとききました。
「放流水温の影響を低減」
ーーーーーーーこれは、経費の掛かる事業でしょう。 川上ダム総事業費値上げにつながりますね。
「モニタリング調査継続」
ーーーーーーー有識者の意見を伺う事は、今後是非ともお願いします。
オオサンショウウオの棲む川に巨大ダムを造ることに対して
三重県教育委員会文化財保護課主査職さんが、「川上のオオサンショウウオを1個体たりとも死なせてはなりませぬ」の気概で臨むと言われていました。また「コンサル会社の調査を鵜呑みにはしません」とも語っておられました。
オオサンショウウオモニタリングは、その有識者と三重県教育委員会の連携が鍵を握ったと言えるのではないでしょうか。
有識者のお一人である清水先生のご指導と水資源機構川上ダム建設所のご協力で、
川上ダム建設直下の川で 私達はとても有意義な観察会を開かせていただきました。
本当にありがとうございました。
これからもあきらめず 川上のオオサンショウウオを応援していきましょう。
オオサンショウウオの有識者が主催する「日本オオサンショウウオ大会」は、今年は島根県で開かれました。
私達は、パタゴニア日本支社から助成を受けて活動を行っています。
それでも会いたい気持ちを持って、参加されるのですよ。
あんがい青山のおおさんしょううおは、義理堅いのかもしれません。