トロピカル~ジュ!プリキュア (左から順に)
キュアフラミンゴ
キュアラメール(ローラ)
キュアサマー
キュアパパイア
キュアコーラル
今シーズンのトロピカル~ジュ!プリキュアは、「今、一番大事なことをやろう!」をテーマとして、「海」と「コスメ」をモチーフとした作品です。1月30日に、最終回が放送されました。
● 最終回(第46話)
トロピカ卒業フェスティバルでは、まなつ(主人公)たちが所属するトロピカル部は演劇をすることになっていました。ローラ(人魚であり人間の姿にもなれる)は、人間界に残るか、それとも次期女王になるためにグランオーシャン(海の中にあるローラの故郷)に帰るかの決断を迫られていました。まなつが「ローラが今、一番大事だと思うことをやってほしい。」と話すと、ローラは演劇のラストシーンを「『プリンセスはみんなと仲良く暮らしました。』ではなく『女王になるために自分の国に帰りました。』に変更したい。」と提案し、まなつたちはローラがグランオーシャンに帰ることを悟りました。
演劇は順調に進み、ローラが提案したラストシーンになりました。(役柄上の)ローラとお別れするシーンになると、まなつは「いかないで!」とこれからも(現実上の)ローラと一緒にいたい気持ちが込み上げて泣き出してしまいました。最後にメンバー揃って「なかよしのうた」を歌い、演劇は感動の結末を迎えるはずでしたが、ちょっとしたアクシデントにより会場は大爆笑w。ローラは観客の前で初めて人魚の姿を見せると、会場は大盛況となりました。
ローラは次期女王になるために、グランオーシャンに帰ります。友情の印として、まなつは大事にしていた口紅をローラにプレゼントして、みんなとお別れしました。グランオーシャンの掟により、人間界の思い出やまなつたちの存在はローラの記憶から消されてしまいました。まなつたちもローラの存在を忘れてしまい、集合写真からもローラの姿が消えていました。
そんなある日、ローラは再び地上に行くと、偶然にもまなつと再会。お互いの記憶がないため初対面のような再会となりましたが、プレゼントの口紅がきっかけで記憶がよみがえりました。
離れ離れになってしまっても、ずっと友達であり、お互いに繋がっているとのメッセージが込められているように思いました。まなつたちにとって、ローラとお別れするのは寂しいことですが、ローラには人間界に残ってほしいとは言わずに、ローラの気持ちを尊重したところが印象的でした。
● 第44話
はるか昔、後回しの魔女(プリキュアの敵対勢力)は「破壊の魔女」と呼ばれており、世界を破壊しようと企んでいました。ある日、その魔女は洞窟の中で弱っていたところを人間の少女に助けられ、「友達になろう」と言われました。後に、魔女は再び世界を破壊しようとしたときに、その少女はキュアオアシスに変身して世界の危機を救おうとしました。キュアオアシスは、以前に助けた魔女が世界を破壊していることを知りショックを受けましたが、魔女と戦いました。しかし、魔女は「決着は明日にしよう。」と言い残して去っていきました。
魔女は、毎日のように決着を翌日に後回しにして、やがて何を後回しにしていたのかすら忘れてしまい、「後回しの魔女」となりました。
後回しの魔女と対峙したキュアサマーは、「あなたの一番大事なことは、破壊じゃなくて…仲良しになること!」と伝えます。このとき、キュアオアシスがキュアサマーの体に宿って現れて、魔女はキュアオアシスとの再会を果たしました。ようやくキュアオアシス(少女)と友達になれた魔女は、穏やかな笑顔で海に消えていきました。
日常生活においても、何かを始めようとするときに、勇気や決断力が必要になることがあります。しかし、この魔女のように、躊躇して好機を逃すと、何もしないまま時が過ぎてしまい、それ自体を忘れてしまうこともあると思います。後になって後悔することがないように、今を精一杯取り組むことの大切さが伝わってきました。
トロピカル~ジュ!プリキュアは、全体的に明るい作風になっており、未来への希望を持てる内容でした。
人魚が人間の姿になるストーリーとして、アンデルセン童話の人魚姫もあります。この童話では、一度人間の姿になると人魚の姿に戻れないなどの代償が伴いますが、ローラはこれとは対照的に、自由に人魚の姿にも人間の姿にもなれます。さらに、ローラは自由奔放、ツンデレ、ナルシストな面があり、明るいキャラクターです。
最終回の演劇のくだりでは、涙や感動のシーンの直後に、笑いのシーンをねじ込んできたのが斬新でした。とても上手くまとめられたストーリーだと思います。
新たに始まる「デリシャスパーティ♡プリキュア」も楽しみにしております。 .