秋田でアクティブに活動

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Scratch メニューバーの仕様(サインイン状態)

2022-12-18 20:30:00 | プログラミング教育
Scratchの紹介」の記事にて、Scratchの作業画面について簡単に紹介いたしました。

Scratchのユーザーアカウントを作成してサインインすると、アカウント上(クラウド上)にプロジェクトを保存,管理することができます。また、作成したプロジェクトを共有することにより、インターネットを介してプロジェクトを外部に公開することもできます。サインインした状態で新規のプロジェクトを作成すると、プロジェクトの保存データがアカウント上に自動作成されます。プロジェクトの作成作業中に「保存」することで、その時点の作業内容をこの保存データに上書きします。


Scratchの作業画面(サインイン状態)


ここでは、サインイン状態における、Scratchのメニューバーについて紹介いたします。尚、サインインはブラウザ版Scratchのみの機能のため、アプリ版Scratchは下記の機能の一部しか使用することができません。


ブラウザ版のメニューバー(クリックで拡大します)


① トップページに移動
サインアウト状態と同様に、ロゴの部分をクリックすると、Scratchのトップページに移動します。


② 言語設定
サインアウト状態と同様に、言語設定を行います。


③ ファイル
ファイル操作や、Scratchの現在の作業内容に関する操作を行います。

「新規」「コンピューターから読み込む」「コンピューターに保存する」の処理内容は、それぞれサインアウト状態と同様です。

● 直ちに保存
プロジェクトの現時点の作業内容を、アカウントの保存データに上書きします。

● コピーを保存
プロジェクトの現時点の作業内容を、アカウントの保存データに上書きします。さらに、この保存データを複製したものをアカウント上に保存します。(同じプログラム内容のプロジェクトが2つ作成された状態となります。)


④ 編集
サインアウト状態と同様に、編集に関する操作を行います。


⑤ チュートリアル
サインアウト状態と同様に、チュートリアルの一覧を表示します。


⑥ タイトル
現在作業中のプロジェクトの名称を指定します。このプロジェクトの内容を端的に表した名称にすると、プロジェクトを複数管理する場合に、目的のプロジェクトを見つけやすくなると思います。


⑦ 共有する
このボタンをクリックすると、現在作業中のプロジェクトを共有します。プロジェクトが既に共有されている場合は、この部分が「共有されたもの」と表示されます。

プロジェクト共有時の表示


⑧ プロジェクトページを見る
現在作業中のプロジェクトの概要を表示,編集します。プロジェクトのタイトルを指定したり、メモを入力したりすることができます。


非共有状態の表示


共有状態の表示

プロジェクトを共有すると、「リンクをコピー」のボタンが表示されます。このボタンをクリックすると、プロジェクトのURLやHTMLタグが表示されます。

共有されたプロジェクトは、インターネットに接続されたどの端末からでも、ブラウザでこのリンク(URL)にアクセスすると閲覧できます。作成したプロジェクトを他人に見せたいときは、このリンクを教えるとよいです。


⑨ 直ちに保存
プロジェクトの現時点の作業内容を、アカウントの保存データに上書きします。プロジェクトの保存後に、プロジェクトに何らかの変更を加えた場合に「直ちに保存」が表示されます。


⑩ 私の作品
サインイン中のアカウントで作成したプロジェクトの一覧を表示,編集します。各プロジェクトに対して、作成作業の再開,削除,共有の取り消しなどを行うことができます。


⑪ アカウント情報
アカウントに関する各種操作を行います。

● プロフィール
アカウントユーザーのプロフィールを表示,編集します。共有したプロジェクトやお気に入りのプロジェクトなども表示されます。

● 私の作品
前述した「⑩ 私の作品」の画面を表示します。

● アカウント設定
サインイン時のパスワードや更新情報を受信するメールアドレスなどを設定します。

● サインアウト
サインアウトします。サインインしていない状態に切り替わります。


以上、サインイン状態における、Scratchのメニューバーについて紹介いたしました。

Scratch メニューバーの仕様(サインアウト状態)

2022-11-27 20:20:00 | プログラミング教育
Scratchの紹介」の記事にて、Scratchの作業画面について簡単に紹介いたしました。

Scratchの作業画面


ここでは、サインアウト状態における、Scratchのメニューバーについて紹介いたします。尚、ブラウザ版とアプリ版では、メニューバーの仕様が少し異なります。


ブラウザ版のメニューバー(クリックで拡大します)


アプリ版のメニューバー(クリックで拡大します)


① トップページに移動
ロゴの部分をクリックすると、Scratchのトップページに移動します。アプリ版のScratchには、この機能はありません。


② 言語設定
地球マークをクリックすると、使用する言語を設定できます。Scratchの画面上の文字列が、ここで指定した言語で表記されます。日本語は、漢字表記の「日本語」と平仮名表記の「にほんご」が用意されており、「にほんご」を選択すると、文字列が全て平仮名で表記されます。


「にほんご」選択時の画面


③ ファイル
ファイル操作や、Scratchの現在の作業内容に関する操作を行います。

● 新規
現在の作業内容を破棄して、新規の状態にします。新規にすると、現在の作業内容が破棄されるため、必要に応じて現在の作業内容を保存してから操作を行ってください。

● コンピューターから読み込む
「コンピューターに保存する」で保存したプロジェクトのファイルを読み込みます。次の画面が表示され、読み込むファイルを選択します。[開く]ボタンを押すと、保存時点の作業内容がScratchの作業画面上に表示され、プログラムの作成作業を再開できます。読み込みすると、現在の作業内容が破棄されるため、必要に応じて現在の作業内容を保存してから操作を行ってください。

読み込むファイルを選択する画面

● コンピューターに保存する
現在の作業内容をファイルに保存します。次の画面が表示され、保存先を指定して[保存]ボタンを押すと、プロジェクトがファイルに保存されます。現時点で最新版のScratchを用いて保存した場合は、保存ファイルの拡張子は「.sb3」となります。

ファイルの保存先を指定する画面


④ 編集
編集に関する操作を行います。

● 削除の取り消し
スプライトや背景を削除した場合に、削除を取り消して復元します。

● ターボモードにする / ターボモードを解除する
クリックすると、ターボモードに切り替えます。shiftキーを押しながらスクリプトエリア上部にある緑色の旗をクリックしても、ターボモードに切り替えることができます。ターボモード中に、再度同様の操作を行うと、ターボモードを解除できます。


ターボモード時の表示

ターボモードにすると、プログラムの処理を実行したときの処理速度が速くなります。例えば、次のプログラムでは、円(正確には正三百六十角形)を120個描く処理が実装されています。

ペンを「1歩動かす」処理を全体で 360×120=43200回 行うために、処理が完了するまでにどうしても時間がかかります。このような場合でも、ターボモードにして処理を実行すると、処理が一瞬で完了します。(※ プログラムの処理をターボモードとターボモード解除状態でそれぞれ実行したときに、コンピューターの[タスクマネージャー]-[パフォーマンス]を確認したところ、前者の方がコンピューターのCPU使用率が高くなりました。)


ターボモード解除状態で円を描画


ターボモードで円を描画


⑤ チュートリアル
クリックすると、チュートリアルの一覧が表示されます。チュートリアルには、Scratchの操作方法やプログラムの作成例などが用意されています。

選択したチュートリアルを、動画やスライドで確認することができます。初心者の方は、はじめにチュートリアルをご覧いただくのがよいと思います。


⑥ Scratchに参加しよう
ユーザーのアカウントを新規に作成します。クリックすると、このような登録画面が表示されます。

ユーザー名やパスワード,メールアドレスなどのユーザー情報を入力して、アカウントを作成します。アカウントの作成が完了すると、このような画面が表示されます。


⑦ サインイン
⑥で作成したアカウントにサインインします。サインインするには、アカウント作成時に入力したユーザー名とパスワードが必要になります。サインインすると、サインアウト状態では使用できない機能を使用することができます。例えば、そのアカウントで作成したプロジェクトを一覧で管理したり、外部公開したりすることもできます。


⑧ プロジェクト名
プロジェクトの名称を指定します。このプロジェクトの内容を端的に表した名称にすると、プロジェクトを複数管理する場合に、目的のプロジェクトを見つけやすくなると思います。


⑨ information
各種情報の確認や設定変更ができます。

● About
Scratchのバージョン情報を確認できます。

● Privacy Policy
プライバシーポリシーを確認できます。

● Data Settings
設定変更を行います。


以上、サインアウト状態における、Scratchのメニューバーについて紹介いたしました。次回は、サインイン状態における、Scratchのメニューバーについて紹介する予定です。

Scratchの紹介

2022-11-23 23:50:00 | プログラミング教育
2020年度より、小学校におけるプログラミング教育が始まりました。主に「プログラミング的思考」を学ぶことをねらいとしており、プログラミング言語そのものを学ぶわけではありません。それでも、プログラミングを学べる塾が増えてきており、習い事としても人気があります。プログラミングスクールでも用いられている、プログラミング的思考力を学ぶツールScratch(読み方:スクラッチ)について紹介いたします。


1.Scratchとは
Scratchとは、マサチューセッツ工科大学メディアラボのライフロング・キンダーガーテン・グループによって開発されたプログラミング言語です。200以上の国と地域で利用され、70以上の言語で使用可能です。特に8歳から16歳向けにデザインされていますが、すべての年代の人々に使われています。日本語は、漢字表記の「日本語」と平仮名表記の「にほんご」が用意されており、小学校低学年や未就学児のお子さんも扱えるように配慮されています。
プログラムは、コードを記述するのではなく、処理に必要な命令の「ブロック」をパズルのように組み合わせることにより、一連の処理を作成します。プログラミング言語の文法を知らなくても、GUIを通して遊び感覚で作成できるのが特徴です。画像や文字に動作を与えたり、音声を出したりすることができます。
Scratchは、誰でも無料で利用できます。インターネットに接続できるパソコンがある場合は、Scratchのサイトにアクセスしてブラウザ上でプログラムを作成できます。作成したプログラムを公開したり、他の開発者が作成した作品やプログラム内容を閲覧したりすることもできます。また、無料のScratchアプリも用意されています。サイトからScratchのインストーラーをダウンロードして、これをパソコンにインストールすることにより、デスクトップアプリとしてScratchを利用することもできます。サイトにアクセスせずにScratchを利用できるため、インターネットに接続していないパソコンでプログラムを作成したい場合などに有用です。WindowsやMacなどのOSに対応されています。


Scratchの作業画面


2.教育現場におけるScratchの活用事例
・大阪府の小学校
小学2年音楽の授業では、おまつりの音楽をつくる際にScratchが活用されました。
あらかじめ画面上に用意された様々なリズムカード(音符や休符を数個組み合わせたもの)を並べたり、繰り返しを指定したりすることで、音楽をつくりました。つくった音楽をScratchで再生して確かめながら、より面白くお祭りらしさが出るように試行錯誤して、思いに合ったリズム表現を探求することができました。Scratchにおける同じ処理を反復させる「くりかえし」の機能を活用することで、音楽の仕組みとしての「反復」を意識することにもつながり、音楽の学習をさらに深めることができました。

・東京都の小学校
小学5年算数の授業では、正多角形を描く際にScratchが活用されました。
はじめに、プリント,定規,分度器を用いて、正多角形の内角の大きさと辺の長さはそれぞれ等しいことを確認してから、手作業で正多角形を描きました。次に、Scratchにて、線を描画する機能を用いて画面上に正多角形を描きました。「○歩動かす」「○度回す」「○回繰り返す」の各ブロックを組み合わせて正三角形を描くときに、「60度回す」(正三角形の内角の大きさ)を指定すると正六角形の半分の図形になってしまいました。この結果を手掛かりにして、どのようなプログラムにすると正しい正三角形を描けるのかを試行錯誤しながら考えたところ、「120度回す」(正三角形の外角の大きさ)を指定することで、正しい正三角形を描けることが分かりました。正多角形の「内角の大きさと辺の長さはそれぞれ等しい」という性質を利用して「○回繰り返す」のブロックを活用でき、正多角形の内角,外角の大きさを確認することで、正三十六角形も簡単に描くことができました。(正多角形の描画に関する参考記事:小学校におけるプログラミング教育


3.画面の操作方法
Scratchのトップページにアクセスすると、このような画面が表示されます(Scratchのトップページはこちら)。

Scratchのトップページ

画面上部の「作る」をクリックすると、プログラミングの作業画面に移動します。

尚、アプリ版のScratchは、トップページ下部の「ダウンロード」から入手できます(ダウンロードページはこちら)。

作業画面です。

ブラウザ版の作業画面

アプリ版のScratchを起動した場合は、作業画面が初期表示されます。

アプリ版の作業画面

作業画面の画面内容を簡単に説明します。(各エリアにおける操作方法の詳細は、別の記事で紹介する予定です。)

① メニューバー
各種設定を行います。例えば、地球マークをクリックすると、使用する言語を設定できます。初期値は「日本語」ですが、「にほんご」を選択すると、画面上の漢字が全て平仮名で表記されます。


「にほんご」選択時の画面

② ブロックパレット
プログラムで利用するための命令のブロックが置いてあるエリアです。命令の種類ごとに「動き」「見た目」「音」「イベント」「制御」「調べる」「演算」「変数」「ブロック定義」のグループに分けられています。例えば、「10歩動かす」のブロックを用いると、④エリアの猫のキャラクターを10の座標距離分動かすことができます。ブロックを1回クリックすると、そのブロックの処理がステージ上に示され、挙動を確認することができます。

③ スクリプトエリア
ブロックを組み合わせて、プログラムの処理を作成するエリアです。背景やスプライトのそれぞれに対して、動作や音声を実装することができます。使用したいブロックを、ブロックパレットからスクリプトエリアにドラッグアンドドロップして、処理を組み立てていきます。スクリプトエリア上にある不要なブロックは、ブロックパレットにドラッグアンドドロップすることで削除できます。

④ ステージ
プログラム実行時の背景が表示されるエリアです。このエリアに、キャラクター(猫など)や文字列も表示されます。スクリプトエリアで作成したプログラム内容に従い、これらのオブジェクトが動作します。Scratchでは、このキャラクターのオブジェクトのことを「スプライト」といいます。

⑤ スプライトリスト
1つのプログラムで取り扱うスプライトは、1つだけでなく、2つ以上にすることもできます。ステージ上に、複数のスプライトを同時に表示することも、全て非表示にすることもできます。このエリアでスプライトの追加,複製,削除を行い、スプライトの一覧を管理します。スプライトを選択すると、その名称や座標位置,表示/非表示,大きさ,向きが表示され、任意の値を指定できます。

スプライトを2つにしたときの表示

⑥ 背景
1つのプログラムで取り扱う背景は、1つだけでなく、2つ以上にすることもできます。ただし、ステージに表示できる背景は1つだけで、他の背景は非表示になります。このエリアで背景の追加を行い、現在ステージに表示されている背景が表示されます。

● 補足
Scratchで作成したプログラムには、ブロックの組み合わせ,スプライトやその配置,背景,サウンドなど、プログラムを実行するために必要なあらゆる情報を含んでいます。これらを総合したもの「プロジェクト」といいます。他のプログラミング言語の開発環境においても、同様の概念があります。


4.あとがき
Scratchは、操作方法が分かりやすく、初めての方も楽しめそうな印象を受けました。操作性が良いために、学校や塾で広く導入されているのだと思います。プログラムは、ブロックを組み合わせるというシンプルな方法で作成しますが、他の開発者が作成したゲームやアニメーションを見ると、高度な出来栄えで驚きました(作品はこちら)。他の開発者のプログラムを解読して、そこから技術を学べるのも大きな魅力だと思います。作業を開始するのが容易ですので、興味がある方は試していただきたいです。


出典
東洋経済 必修化から2年、進まぬ小学校プログラミング教育の底上げ目指す「Type_T」とは
文部科学省 小学校プログラミング教育の手引(第三版)
子どもプログラミング教室egg スクラッチ(SCRATCH)とは?
未来の学びコンソーシアム くりかえしをつかってリズムをつくろう(ウェブアーカイブ)
未来の学びコンソーシアム 正多角形をプログラムを使ってかこう(ウェブアーカイブ)

秋田県プログラミング教育人材バンク(教育機関のご担当者様向け)

2019-04-21 23:59:59 | プログラミング教育
2020年度から、小学校におけるプログラミング教育を導入することが決定しました。これを受け、秋田県ではプログラミング教育の充実を図るため、「秋田県プログラミング教育人材バンク」を作成し、人材を活用できる体制を整えています。(関連記事はこちらをご参照下さい。)
プログラミング教育の現状を把握し、仕事や独学で得た知識を活かしてお役に立ちたいという想いから、私も「秋田県プログラミング教育人材バンク」に登録致しました。人材の資料はこちらに掲載されており、No33「秋田でアクティブに活動」で登録しました。

ここでは、資料に掲載しきれなかった事柄も含めて、私の情報を掲載致します。尚、プログラミングの経験者が、小学校などの教育機関にて、教職員や児童にプログラミングの指導や研修を実施することを、便宜上「プログラミング支援」と表記します。

所属/運営団体
一連のプログラミング支援は、企業活動ではなく、余暇を利用した個人活動として行います。私がこれまでに行ってきた学習支援活動のプログラミング版という位置付けです。

対応可能な日
余暇を利用した活動のため、基本的に土日祝しか行えないことを予めご了承下さい。平日に授業や研修が行われる学校では、私が活動できる場面は限られてしまいますが、プログラミング教育に尽力したいと存じます。

受講対象地域
秋田市全域です。河辺,雄和地区の方からの連絡もお待ちしております。

活動内容
日頃は、主にVisual Studioを用いたWindowsOS用アプリを作成しています。Visual Studioとは、Microsoft社が提供している、アプリケーションを作成,構築するための総合開発環境のことです。こちらのページより、無償で入手することができます。現在、無償学習塾向けに作成しているアプリもこれを用いております。その詳細はこちらをご参照下さい。
但し、これは実務レベルで、小学校などの教育現場では教育用のプログラミングソフトを用いると予想しています。その一例として「教育版レゴ マインドストームEV3」があり、過去に、秋田拠点センターアルヴェの自然科学学習館で開催されたプログラミング教室では、これを使用しました。(関連記事はこちらをご参照下さい。)
私が使用したことがないソフトを使用して授業する小学校もあると思います。取り扱いが簡単なものでしたら対応可能ですが、対応の可否は事前のお打ち合わせにて判断させて頂きたいと存じます。
開発工数が膨大にならなければ、授業で使用するアプリを作成することも可能です。その他、授業の進め方などについて、要点や注意点をお伝えできればと思います。

受講対象者
教職員および児童を対象とします。私自身はプログラミングの指導経験はありませんが、これまで無償学習塾における学習指導,秋田県児童会館などで実施されたイベントの運営補佐を行ってきました。その経験を活かして、プログラミング支援を行って参ります。

訪問ついて
プログラミング支援や事前のお打ち合わせをする際は、私の方から小学校などに訪問することも可能です。前述の通り、訪問可能な日は限られますが、複数回の訪問も可能です。

各種費用について
指導料や旅費は無料です。事前の打ち合わせに係る費用も無料です。これからも秋田の子どもたちを応援したいという想いから、無償対応とさせて頂きました。

お問い合わせ
ちょっとした質問でも構いませんので、お気軽にご連絡,ご相談下さい。こちらからメッセージを送ることもできます。宜しくお願い致します。



小学校におけるプログラミング教育

2019-04-18 21:16:00 | プログラミング教育
コンピュータは、私たちの生活の中で様々な場面で活用されています。コンピュータは、人間が「プログラム」という形で命令を与えることにより動作しますが、より効果的に活用するためには、その仕組みを知ることが重要です。一方で、諸外国では初等教育の段階からプログラミング教育を導入している動きがあります。このような情勢を受け、日本でも2020年度から小学校におけるプログラミング教育を導入することが決定しました。

1.プログラミング教育のねらい
大まかにまとめると、「① プログラミング的思考を育むこと」,「② プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと」,「③ 各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること」の三つが挙げられます。プログラミング言語やアプリを制作する技術を習得することを、主たる目的としているわけではありません。
プログラミング教育は、算数や理科などの授業に取り入れることや、各教科とは別枠で実施することも可能であり、その方法は学校の裁量に委ねられています。学習指導要領には「プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形を描く」,「身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する」などの例が示されています。プログラミングを通して、その楽しさや面白さ、ものごとを成し遂げたという達成感を味わうことで、コンピュータを上手に活用する意欲を高めたり、各教科の学びがより充実したりする効果が期待されます。

2.「プログラミング的思考」とは?
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされています。
例えば、図1のように「ある地点にいるロボットに動作の命令を与えて、1辺の長さが100cmの正三角形を描きながらスタート地点に戻る」プログラムを考えるとします。


図1 1辺の長さが100cmの正三角形

この動きを実現するためには、「前方に進む」,「その場で回転する」という動きを適切に組み合わせる必要があります。図2に、作成例を2パターン示します。


図2 プログラムの例

それぞれの方法は異なりますが、正三角形の「辺の長さが全て等しい」,「内角の大きさは全て60°」などの性質に着目して、それを基にプログラムを作成する点は共通しています。このように、プログラムを作成するときは、一連の動作からその性質や規則性を見つけ出すことが重要です。
正三角形の内角の大きさは60°ですが、②④⑥で60°回転すると正しい動作になりません。意図する動作を実現するためには、「なぜ失敗したのか?」,「何度回転すれば正しい動作になるのか?」,「より簡潔にプログラムを作成することはできるのか?」という疑問を持ち、修正や改善方法を論理的に考えて試行錯誤することが大切です。

3.外部の人的資源の活用
小学校の先生方には、プログラミングの経験がない、または苦手な方もいらっしゃるかもしれません。私の経験では、理系の学生でもプログラミングが苦手な人はいました。プログラミング教育の充実を図るために、外部の企業や団体と連携することは有効です。
千葉県柏市では、コンピュータの基本操作に慣れている市民ボランティアを募集して、教師の補助や児童の個別支援を担う事例があります。秋田県では、「秋田県プログラミング教育人材バンク」を作成しており、必要に応じて人材を活用できる体制を整えています。

4.あとがき
プログラミング的思考と、算数や理科の応用問題を解くために必要な思考は似ており、プログラミングの学習効果が他の場面で発揮される可能性は大いにあります。将来の進路や職業を決めるきっかけになるかもしれません。自分の手と頭を動かしながら、まずは自身のペースでプログラミングを楽しんで頂ければと思います。

出典
文部科学省 小学校プログラミング教育の手引
小学校プログラミング教育の手引の改訂(第二版)について[概要]
小学校プログラミング教育の手引(第二版)
美の国あきたネット 秋田県プログラミング教育人材バンク