秋田でアクティブに活動

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2022年4月16日 活動内容

2022-04-16 23:59:59 | 活動内容
本日は、無償学習塾の学習指導に参加しました。高校1年生の生徒さんに、数学の「一次方程式の応用」(中学数学の復習)を解説しました。


(例題)
箱とボールがそれぞれいくつかあり、ボールを箱に入れていく。
1箱につきボールを6個ずつ入れた場合、全ての箱にボールが6個ずつ入り、どの箱にも入れていないボールは20個になった。
また、1箱につきボールを7個ずつ入れた場合、全てのボールを箱に入れることができ、ボールが1つも入っていない箱が8箱、ボールが3個入った箱が1箱になった。
箱は全部で何箱あるか、求めなさい。


はじめに、全体の箱数をxとします。それぞれのボールの入れ方より、全体のボール数をxを用いた式で表します。一例として、下の図のようにして考え、このときのxの値を求めていきます。



・1箱につきボールを6個ずつ入れた場合
x箱にボールが6個ずつ入っており、箱に入れていないボールが20個あることから、
全体のボール数は (6x+20)個 と表されます。 … ①

・1箱につきボールを7個ずつ入れた場合
図より、ボールが7個入っている箱は (x-9)箱 あります。
(x-9)箱にボールが7個ずつ入っており、他の1箱にボールが3個入っていることから、
全体のボール数は 7(x-9)+3
したがって、(7x-60)個 と表されます。 … ②

①②は、それぞれボールの入れ方が違うだけで、全体のボール数は同じであるから、6x+20=7x-60 の関係が成り立ちます。これを解くと、x=80
したがって、箱は全部で80箱あります。 … [答]


数量関係を把握する際に、図や数直線を利用すると全体像が見えやすくなりますので、有効活用して解いてほしいです。

この日の夜に満月が見えました。4月の満月は、「ピンクムーン」と呼ばれています。月の色がピンク色に染まるわけではなく、アメリカの先住民が春に咲く花の色にちなんで名付けたのが始まりとされています。




出典
朝日新聞 4月の満月は「ピンクムーン」、今夜から未明に 都心の空に明るい月

秋田高専 再生水を活用した酒米栽培の取り組み

2022-04-10 13:30:00 | 日記
秋田高専では、安全な「下水再生水」を用いた酒米栽培の実証実験および酒造メーカーとの連携による日本酒の醸造に取り組んでいます。
日本酒の新規商品化や技術開発費などに必要な資金を、クラウドファンディングのFANAKITAにて募っていました。目標額の2倍以上の資金が集まり、今後の成果も期待されます。この取り組みについて紹介致します。


1.下水再生水とは
生活排水や雨水は、下水管に流入して下水処理場に集められます。集められた下水は、汚れを沈殿,分解,消毒して安全基準を満たす水準に浄化してから河川などに放流されます。一方で、農業用水や工業用水などは、その水質が必ずしも飲料水と同等である必要はなく、適切に浄化された下水を利用することも可能です。このような場面で活用される、浄化された再利用可能な下水のことを下水再生水といいます。


2.下水再生水を用いることのメリット
下水処理場で浄化された処理水には、窒素やリンなどの栄養塩が含まれています。これらの物質は有害ではありませんが、河川や海などに大量放流されると、その水域が富栄養化状態となります。これによりプランクトンが異常繁殖して赤潮やアオコが発生し、様々な悪影響をもたらします。
異常繁殖したプランクトンは、活動に伴い水中の酸素を大量に消費します。さらに、プランクトンが死滅すると微生物がそれを分解しますが、その際に微生物が水中の酸素を消費します。その結果、水中が酸欠状態となり 魚などの水生生物が生息できなくなります。二枚貝が有毒のプランクトンを食べると、その体内に毒素をためこむために、人間がそれを食べたときに健康被害が生じる場合もあります。
農作物の生育には窒素,リン,カリウムなどの栄養分が必要になりますが、下水処理水に含まれている栄養塩には、農作物の生育に有益な栄養分を含んでいます。現在の農業では化学肥料が多く利用されていますが、下水処理水を有効活用することにより化学肥料の代替となります。河川や海などに放流される下水処理水の量を減らすことにより、先述の諸問題を抑止することもできます。また、渇水時において水資源を確保する手段としても有効です。

● 下水処理水を農業に活用しない場合


● 下水処理水を農業に活用する場合



3.秋田高専の取り組み
秋田高専は、平成29年に下水再生水を用いた酒米栽培の実証実験を始めました。
はじめに、模擬水田(水田を模した実験装置)を用いて栽培実験を行いました。特に安全性に関する評価を中心に行い、基礎的なデータを積み上げ、米の品質向上や再生水の利用方法を検討していきました。この取り組みは専門家から高い評価を受け、国土交通省「循環のみち下水道賞 イノベーション部門」や公益社団法人土木学会東北支部「技術開発賞」などを受賞しました。
令和2年に、試験栽培を0.2アールの実水田に移し、模擬水田の成果が実証されるか研究しました。水田の場所は下水処理場の近くとして、再生水を輸送するコストや手間をかけずに、再生水を安定的に供給できるようにしました。下水処理場から発生した再生水の貯水タンクと水田をパイプで繋ぎ、タイマー制御して再生水を流しています。令和3年に水田の規模を35アールに拡大し、昨年度を上回る品質の酒米1.4トンを収穫することができました。
昔の農業では、肥だめで作られた堆肥を肥料として活用していました。下水再生水を用いた農業は、肥だめを現代版に進化させたものといえます。

令和3年に収穫された酒米は、大仙市にある秋田清酒株式会社の協力の下、特別限定醸造酒として醸造を進めており、この日本酒の名前を「酔思源」(読み方:すいしげん)と命名しました。酔思源という名前は、「飲水思源」という中国の故事成句に由来しています。「水を飲むときに、その水源のことを思うこと」という意味から転じて、「物事の基本を忘れないという戒めの語」「他人から受けた恩を忘れてはいけないという戒めの語」という意味を持ちます。また、秋田県の田沢湖付近には、田沢湖と台湾の澄清湖が姉妹湖提携した記念に台湾から贈られた「飲水思源像」があり、本プロジェクトとの運命的な由縁が感じられます。
4月10日現在、酔思源は、5月頃を目途に数量限定で一般販売も予定されています。発売方法は調整中です。来期以降も販売する予定で検討を進めているとのことです。
5月11日現在、当初想定していなかった醸造工程のトラブルにより、今年度における酔思源の完成は見送りとなりました。完成に向けての取り組みは継続されるとのことで、酔思源が良好な出来栄えとなることを願っております。

本プロジェクトは、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられている17の目標のうち、「水資源の持続可能な管理(ターゲット6.4)」と「持続可能な生産と消費のパターンの確保(ターゲット12.1)」の実現を目指しています。下水再生水をはじめとした下水道資源を農業に活用するにあたり、技術的な課題のみならず社会経済的な課題も含めてクリアし、自立的に継続できる形で社会実装することを最終目標としています。


4.あとがき
秋田高専が取り組んでいる実証実験が実用化されると、河川や海などの富栄養化を抑止するだけでなく、化学肥料を使わない安全な農業も同時に実現できます。限りある資源を循環利用する新しい農業に、今後も注目していきたいです。


出典
FANAKITA 【秋田高専プロジェクト】水をつなぎ、未来をひらく米づくり 日本酒「酔思源(すいしげん)」誕生!
国土交通省 下水道のしくみ
国土交通省 下水再生水とは
東京都下水道局 再生水とは
環日本海海洋環境ウォッチ 富栄養化とは?
国土交通省 東北地方整備局 河川部 川と海の勉強室
農林水産省 SDGs17の目標と169のターゲット