今日も、休みで唐桑コミュニティ図書館に行った。妻が借りていた本を返すため。ところが今日もまた借りたので、また返しに行かなくてはならない。しかし、こじんまりとして、過ごしやすい場所になっている。二組ほど、子供連れのお母さんがいた。
まんがの棚に、一冊小さな文庫本を見つけた。宮崎駿の「シュナの旅」だという。まったく知らない作品だった。アニメ風のまんがというべきか。1983年の初版、この本自体は、85年の9刷とある。「風の谷のナウシカ」が1984年の公開らしいから、その前の年。宮崎駿、40歳代はじめの作品。一般にはブレイクするずっと前の作品となる。
「この物語は、チベットの民話『犬になった王子』が元になっています。」(あとがきから)
これは、宮崎本人の作品であるから、絵柄がそっくりなのは当然のことだけれども、全体的な雰囲気とか世界観も「風の谷のナウシカ」と相当に似ている。ナウシカの月刊アニメージュへの連載と同時期の発表だ。
「十数年前、はじめて読んで以来、この民話のアニメーション化がひとつの夢だったのですが、現在の日本の状況では、このような地味な企画は通るはずもありません。」(あとがき)
今となれば、宮崎が創りたいアニメは創れないはずがないが、当時は、そういう状況だったのだろう。しかし、こういう紙媒体の作品とはなって、2013年、私の目に触れることになった。たいへんにすぐれた作品だ。
この作品は、これ自体として映画のアニメになることはなかったが、「風の谷のナウシカ」とか「天空の城ラピュタ」とか「もののけ姫」とか、後の映画作品に生きてくるところが多々あるように思う。
実は、奥付を見ると、著者の宮崎駿の隣に、発行者として尾形英夫の名前がある。
月刊アニメージュの創刊時の編集長にして、その後徳間書店の取締役であったが、そうか、発行者は必ずしも社長に限らないのか。
宮崎駿の生みの親ともいうべき尾形英夫が、気仙沼市松岩の生まれ、気仙沼高校の大先輩であるということは、あえて、言うまでもないことだ。
私が大学を卒業した1978年には、尾形英夫の存在は、全く知らなかった。
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