ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

鹿踊りの継続

2016-07-27 01:07:48 | 2015年4月以降の詩

 

どんどこどこどこ

どんどこどこどこ

どーんどん

 

どんどこどこどこ

どんどこどこどこ

どーんどん

 

山間いのたんぼのうねに

装束つけた男たちが勢ぞろい

刈り取りの後の切り株の枯れ田に飛び降りて

胸の太鼓をならして

頭の飾りを振り回す

 

どんどこどこどこ

どんどこどこどこ

どーんどん

 

たんぼは切り株

やがて水を張り

苗を植え

苗が育ち

あおあおと稲が伸び

やがて黄金色に登熟し

刈り取られ

また切り株の更地となり

 

季節が変わっても

田植えするでもなく

草刈りするでもなく

 

どんどこどこどこ

どんどこどこどこ

どーんどん

 

時の過ぎていくのを

コーヒー飲みながら

眺め

踊りを踊る人々を

太鼓を叩く人々を

眺め

 

季節ごとのたんぼを視界に置いて

コーヒーをまた一口

 

時は経ち

時は止まり

古びるのか古びないのか

生まれるのか生き続けるのか

死ぬのか死なないのか

 

踊るのか踊り終えるのか

叩くのか叩く手を置くのか

飛び跳ねるのか足を止めるのか

 

どんどこどこどこ

どんどこどこどこ

どーんどん

 

焦げるのか

焦げないのか

香るのか

煙るのか

 

苦いのか

酸味系なのか

果実香なのか

微かに甘いのか

 

どんどこどこどこ

どんどこどこどこ

どーんどん

 

鹿踊りが継続する

谷間いの人里で

 

コーヒーの香る山里で


最新の画像もっと見る

コメントを投稿