ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

純粋な遊戯

2009-02-09 21:40:38 | 寓話集まで
気仙沼の港の空には
天旗が良く似合う

二月の港の青空に程よい風が吹いて
幾百枚の連凧が伸びて
十数組の連凧たちが開花し

季節外れの暖かな
午前の無風の
広大な商港岸壁荷揚場が
舞い上がろうとする大小の天旗と
走りまわるひとびとと
で埋め尽くされ

岸壁の一隻の新造漁船のマストや
港湾道路沿いの電信柱と電線さえ
邪魔にされ
あるものは海に落ち

海からの日の出を
単純で力強い絵柄と色彩で表現した
気仙沼独特の伝統の
「日出凧」の
三十二畳敷きの大天旗が
ようやく吹き出した季節外れの南風に
ようやく乗って
離陸する浮上する
舞い上がる

そのあとは
程よい南風に吹かれ
幾百枚の連凧が
晴れ渡った港の冬空の
高みをめざして
十数組の連凧が
連舞する
無限遠の彼方に


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1 コメント

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富士山には月見草 ()
2009-04-03 23:23:40
 富士山には月見草が似合うそうだが、気仙沼湾には天旗が良く似合う。天旗は、凧のこと。
 例年2月第3日曜日は、気仙沼の商港を会場に天旗まつりが開催される。
 来年、ぜひ、お越しください。
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