朝霧
朝霧は
音を立てず
しのび寄り
たち去る
真昼の霧
重苦しいねずみ色の
街を覆い尽くす真昼の霧
いつが遅い朝食時で
いつが正午か
市民は誰も把握できない
いつが午睡の午後か
パーティーの始まる夕刻か
ひとりも知るものがいない
朝一番のいっときの明るい陽射しか
午後4時前後に射し込むまぶしい西陽の斜光線を見逃さなかった一握りの幸運な
ひとびとの外は
そして正午のほのかな熱の気配を感知す
るひと以外は
朝霧は
音を立てず
しのび寄り
たち去る
真昼の霧
重苦しいねずみ色の
街を覆い尽くす真昼の霧
いつが遅い朝食時で
いつが正午か
市民は誰も把握できない
いつが午睡の午後か
パーティーの始まる夕刻か
ひとりも知るものがいない
朝一番のいっときの明るい陽射しか
午後4時前後に射し込むまぶしい西陽の斜光線を見逃さなかった一握りの幸運な
ひとびとの外は
そして正午のほのかな熱の気配を感知す
るひと以外は
ひとは、誰も何も知らず、あたかも知っているかのように生活を送っているだけだ。