かはたれどき
ややもやがかかって
高台のわたくしたちの家
縁側にわたくしたちが並んで立って
国道沿いにならび それに交差してならび あるいは無造作に点在する街灯が
まだまぶしい時刻
川面に
やや明らむ空が映り
妻問婚の時代であれば
後朝(きぬぎぬ)の別れの刻か
数か月前のわたくしも
あの川沿いの道を急いでいた
ああ 妻よ
わたくしたちは一緒に暮らしている
詩集湾Ⅱ 第Ⅳ章幻想旅行 より
2015年の注;この高台からの風景はいまも当時も変わらない。しかし、2011年3月11日からしばらくの間は、街灯がひとつも見えなかった。家の灯りも見えなかった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます