538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

人が人を愛することのどうしようもなさ

2009-01-09 22:42:20 | 邦画
石井隆監督・脚本作品。
久しぶりに石井隆造形の土屋名美がスクリーンに帰ってきた。
石井組女優、喜多嶋舞によって・・・

喜多嶋舞さん、ホント体当たりの演技でしたね。
物語は現実と虚構の映画のスターのお話ではあるのですが
ストリーを現実と虚構の世界を行き来させることで成立させていましたが。

これは、作者の永遠のテーマ「虚実皮膜」を
石井監督なりの答えを見せてくれたのでは無いかなと・・・

劇画の世界も、芝居の世界も、映画の世界も
享受者は目で楽しむものですよね

小説はあくまで読者は虚実皮膜に関係なく
脳内イマジネーションの世界で遊ぶわけで

現実と虚構の世界は読者自身が勝手に消化させてるわけで
その食物を作家さんが与えてる感覚だと思うのですよ。

しかし、観客が目で物語り世界を追う映像では
イマジネーションは作り手のイメージを享受しなければなりません

映像作家は虚構をいかに現実に近づけるかに腐心しちゃうわけでして
石井監督もご自身でなやんでいたかの虚実皮膜の間を
見事に映像作品としてしあげられたようで

永島敏行には前貼りをつけさせ
美景(みかげ)さんはヘア丸出しという
虚実の狭間を映像の性的表現の限界に
挑戦することで

日本の性表現の開放が遅れてるコトへの皮肉をこめるとともに
現実と虚構という問題をもあわせて
1本みたいな感じで映画にしちゃったな

見終わって「してやられたな」と・・・

やっぱタイトルの斜体文字は石井ワールドが
これからはじまるんだ
というワクワク感を持たせてくれますね。