山仲間と春秋に行っている恒例のトレッキング。今回は、上田市、筑北村、千曲市、坂城町に跨る山体の大きな大林山です。2010年の12月30日に息子達と積雪の中を登ったのですが、滑る急登は大変なものでした。しかも山頂で昼食中に見る見るうちに雪になり、このままでは遭難すると急遽下山。今回は、それのリベンジも兼ねているので、長男も参加しました。当日は、天候に恵まれ山頂でもほとんど無風だったため、快適なトレッキングができました。
戸倉上山田温泉街を抜け、55号線を坂上トンネル方面へ上り、現在は通行止めの四十八曲峠への旧道ゲートに駐車。万が一山林所有者が作業に来るといけないので、車一台分の幅を空けました。9時15分に出発。ゲートを抜けてヤマザクラやカスミザクラの咲く旧道を少し歩くと、33号カーブの標識。ここから山中に入り左の檜の植林地に取り付きます。最初はもの凄い急登で、その後も急登続きですが、人が登らない尾根で山菜狩りをしようということで選んだコースです。とにかく尾根の高みを登っていけば、必ず大林山北面をトラバースする登山道に出るので、迷う心配はありません。ただ、やはり道のない尾根なので初心者向きではありません。
思ったよりも木々の芽吹きは遅れていて、散見されるコシアブラもまだ芽は小さく、多くは採れませんでした。途中、一本だけオオカメノキ(ムシカリ)が純白の花を咲かせていて、目を楽しませてくれました。這々の体で標高差200メートル足らずを登ると、トラバースの道に出ました。距離50メートルほど下ると中部電力の電波反射板の鉄塔があります。ここは刈払いされているので、山菜が採れました。そして、九竜山方面へ尾根を直登します。かなりきつい急登を何度かこなして11時に山頂へ。途中の尾根にはカタクリがあちこちに。ヒトリシズカやミヤマエンレイソウも。山頂にはキジムシロが咲いていました。
山頂で昼食。そんなにたくさん採れるとも思わなかったので、山菜係の私があらかじめ用意しておきました。タラの芽、ハリギリ、コシアブラ、ウド、我々が栽培している椎茸のどんこ。Tさんが生で食べられるほど新鮮なアスパラガスを持参。そして、Kさんが鶏肉を漬けて持参。これらを天ぷらで堪能しました。さらにSさんが持参のジビエ、タレに漬け込んである鹿肉をソテーしたのですが、私のアイデアでビールを加えてまろやかに。山頂は、ほぼ360度の大展望。風もなくゆるゆると昼餉の贅沢な、ちょっと食べ過ぎの時間が過ぎていったのでした。我々以外には、後で八頭山方面からひとり男性が、その後またひとり男性が登ってきただけでした。最初の方は、我々の食卓を見て、「フルコースだね。」と呟きました。確かに、山菜とジビエで山の幸のフルコースです。私は昔、フライフィッシングをしていましたが、ここにイワナかヤマメの塩焼きでもついたら完璧ですね。
上からコシアブラ、ワラビ、椎茸、タラの芽、カタクリの葉、コシアブラ、ハリギリ、ウド。とても食べきれないので、お土産に持ち帰ってもらいました。真ん中は鹿肉のソテー・ビール煮。野趣豊かな滋味でした。大林山は、おおばやしやま、だいりんざんと言いますが、上田市室賀の人々は氷沢山と言います。南東方向に大きな氷沢という沢があるのです。沢名が山名になるのは、よくあることです。それだけ沢が利用され、重要なものだったということです。
山頂からの眺めは、特筆ものです。西方の赤松などで一部遮られますが、北アルプスのスカイラインが、白馬三山から仁科三山、槍ヶ岳から常念岳まで綺麗に見えます。北には戸隠連峰と火打山、妙高山。西には根子岳と四阿山。南には蓼科山と八ヶ岳連峰。その右には美ヶ原。地味な山ですが、最近ジワジワと人気が出てきているのも、この雄大な展望のお陰かもしれません。結局頂上での昼餉は二時間にも及びました。
下山の途中で八頭山を背景に咲く白い花。タムシバでした。Sさんが、この芽を食べてみてくださいというので、皆で食べるとミントの味。更に噛んでいくとレモンのような味に。そんなわけで噛む柴がタムシバに転訛したという説もあるそうです。更に下ると、今度は非常によく似たコブシの花が。花の直下に緑の葉があることで、タムシバと見分けがつきます。
ぽんぽんの平で、コーヒーブレイク。Sさんが美味しいコーヒーを入れてくれました。息子が買ってきたあんこ入りのドーナッツがおやつです。コースの距離が短いので、今回は休憩や昼食を長めにしました。途中で花があると撮影時間も長めに取りました。こんなゆったりとしたトレッキングもいいものです。私自身が自律神経失調症の病み上がりのため、このコースはリハビリにも最適でした。
帰路に見られた花は、ショウジョウバカマ、イカリソウ、シロバナエンレイソウなど。ヒトリシズカの群生やヤマブキも。スミレは、タチツボスミレがあちこちに咲いていました。登山道脇にはシジミチョウの食草のイボタノキも。林道整備の時に切られてしまうことが多いのですが、整備する人も行政ももっと勉強をしてもらいたいものです。知らずに自然破壊していることが非常に多いのです。
37号カーブに下り立ったのは3時過ぎ。谷筋にニリンソウの群生地を見つけました。我々は33号カーブから登りましたが、32号カーブのカーブミラーの脇に、大林山・八頭山 登山口の標識があり、登山道がついています。これを登ると反射板の少し下の地形図で956mと書かれた尾根の場所に出ます。普通に登るならば、こちらを選んだほうがいいと思います。
下山後は、いつもの様に戸倉上山田温泉の「万葉温泉へ」。温まった後、Kさんの田んぼと幻の伊賀筑後オレゴンを栽培している畑を見学してから、慰労会の居酒屋へと向かったのでした。
慰労会では、山の話はもちろんのこと、艶のある話から放射能汚染やTPPまでの話まで多岐に渡りました。いくら楽しい酒の席といえども脳天気に酔っていられる時代は過ぎ去りました。日本は滅亡の縁にいます。それが分からない人は、情報弱者か安全性バイアスにかかっている人か、ダチョウ症候群にかかっている人か、変な思想や宗教に被れている人でしょう。幸い私の仲間は、程度の差こそあれ危機感は持っているようです。そうでないと生き残れない時代です。
★妻女山(斎場山)の歴史については、「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。をご覧ください。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」などリンク記事も豊富です。
このブログでもページの右上で「妻女山」や「斎場山」、「川中島合戦」、「科野」などでブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。主に古代科野国と戦国時代、幕末から明治維新にかけての記事がご覧頂けます。
川中島合戦と山名についての考察。斎場山と妻女山まとめ。関連記事のリンク集も。
★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
戸倉上山田温泉街を抜け、55号線を坂上トンネル方面へ上り、現在は通行止めの四十八曲峠への旧道ゲートに駐車。万が一山林所有者が作業に来るといけないので、車一台分の幅を空けました。9時15分に出発。ゲートを抜けてヤマザクラやカスミザクラの咲く旧道を少し歩くと、33号カーブの標識。ここから山中に入り左の檜の植林地に取り付きます。最初はもの凄い急登で、その後も急登続きですが、人が登らない尾根で山菜狩りをしようということで選んだコースです。とにかく尾根の高みを登っていけば、必ず大林山北面をトラバースする登山道に出るので、迷う心配はありません。ただ、やはり道のない尾根なので初心者向きではありません。
思ったよりも木々の芽吹きは遅れていて、散見されるコシアブラもまだ芽は小さく、多くは採れませんでした。途中、一本だけオオカメノキ(ムシカリ)が純白の花を咲かせていて、目を楽しませてくれました。這々の体で標高差200メートル足らずを登ると、トラバースの道に出ました。距離50メートルほど下ると中部電力の電波反射板の鉄塔があります。ここは刈払いされているので、山菜が採れました。そして、九竜山方面へ尾根を直登します。かなりきつい急登を何度かこなして11時に山頂へ。途中の尾根にはカタクリがあちこちに。ヒトリシズカやミヤマエンレイソウも。山頂にはキジムシロが咲いていました。
山頂で昼食。そんなにたくさん採れるとも思わなかったので、山菜係の私があらかじめ用意しておきました。タラの芽、ハリギリ、コシアブラ、ウド、我々が栽培している椎茸のどんこ。Tさんが生で食べられるほど新鮮なアスパラガスを持参。そして、Kさんが鶏肉を漬けて持参。これらを天ぷらで堪能しました。さらにSさんが持参のジビエ、タレに漬け込んである鹿肉をソテーしたのですが、私のアイデアでビールを加えてまろやかに。山頂は、ほぼ360度の大展望。風もなくゆるゆると昼餉の贅沢な、ちょっと食べ過ぎの時間が過ぎていったのでした。我々以外には、後で八頭山方面からひとり男性が、その後またひとり男性が登ってきただけでした。最初の方は、我々の食卓を見て、「フルコースだね。」と呟きました。確かに、山菜とジビエで山の幸のフルコースです。私は昔、フライフィッシングをしていましたが、ここにイワナかヤマメの塩焼きでもついたら完璧ですね。
上からコシアブラ、ワラビ、椎茸、タラの芽、カタクリの葉、コシアブラ、ハリギリ、ウド。とても食べきれないので、お土産に持ち帰ってもらいました。真ん中は鹿肉のソテー・ビール煮。野趣豊かな滋味でした。大林山は、おおばやしやま、だいりんざんと言いますが、上田市室賀の人々は氷沢山と言います。南東方向に大きな氷沢という沢があるのです。沢名が山名になるのは、よくあることです。それだけ沢が利用され、重要なものだったということです。
山頂からの眺めは、特筆ものです。西方の赤松などで一部遮られますが、北アルプスのスカイラインが、白馬三山から仁科三山、槍ヶ岳から常念岳まで綺麗に見えます。北には戸隠連峰と火打山、妙高山。西には根子岳と四阿山。南には蓼科山と八ヶ岳連峰。その右には美ヶ原。地味な山ですが、最近ジワジワと人気が出てきているのも、この雄大な展望のお陰かもしれません。結局頂上での昼餉は二時間にも及びました。
下山の途中で八頭山を背景に咲く白い花。タムシバでした。Sさんが、この芽を食べてみてくださいというので、皆で食べるとミントの味。更に噛んでいくとレモンのような味に。そんなわけで噛む柴がタムシバに転訛したという説もあるそうです。更に下ると、今度は非常によく似たコブシの花が。花の直下に緑の葉があることで、タムシバと見分けがつきます。
ぽんぽんの平で、コーヒーブレイク。Sさんが美味しいコーヒーを入れてくれました。息子が買ってきたあんこ入りのドーナッツがおやつです。コースの距離が短いので、今回は休憩や昼食を長めにしました。途中で花があると撮影時間も長めに取りました。こんなゆったりとしたトレッキングもいいものです。私自身が自律神経失調症の病み上がりのため、このコースはリハビリにも最適でした。
帰路に見られた花は、ショウジョウバカマ、イカリソウ、シロバナエンレイソウなど。ヒトリシズカの群生やヤマブキも。スミレは、タチツボスミレがあちこちに咲いていました。登山道脇にはシジミチョウの食草のイボタノキも。林道整備の時に切られてしまうことが多いのですが、整備する人も行政ももっと勉強をしてもらいたいものです。知らずに自然破壊していることが非常に多いのです。
37号カーブに下り立ったのは3時過ぎ。谷筋にニリンソウの群生地を見つけました。我々は33号カーブから登りましたが、32号カーブのカーブミラーの脇に、大林山・八頭山 登山口の標識があり、登山道がついています。これを登ると反射板の少し下の地形図で956mと書かれた尾根の場所に出ます。普通に登るならば、こちらを選んだほうがいいと思います。
下山後は、いつもの様に戸倉上山田温泉の「万葉温泉へ」。温まった後、Kさんの田んぼと幻の伊賀筑後オレゴンを栽培している畑を見学してから、慰労会の居酒屋へと向かったのでした。
慰労会では、山の話はもちろんのこと、艶のある話から放射能汚染やTPPまでの話まで多岐に渡りました。いくら楽しい酒の席といえども脳天気に酔っていられる時代は過ぎ去りました。日本は滅亡の縁にいます。それが分からない人は、情報弱者か安全性バイアスにかかっている人か、ダチョウ症候群にかかっている人か、変な思想や宗教に被れている人でしょう。幸い私の仲間は、程度の差こそあれ危機感は持っているようです。そうでないと生き残れない時代です。
★妻女山(斎場山)の歴史については、「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。をご覧ください。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」などリンク記事も豊富です。
このブログでもページの右上で「妻女山」や「斎場山」、「川中島合戦」、「科野」などでブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。主に古代科野国と戦国時代、幕末から明治維新にかけての記事がご覧頂けます。
川中島合戦と山名についての考察。斎場山と妻女山まとめ。関連記事のリンク集も。
★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。