心療内科 新(あらた)クリニック 院長のブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

臨床心理士が新たに1名、入職いたしました

2020年04月01日 | 専門外来
4月1日より臨床心理士が新たに1名、入職いたしました。PTSDなどのトラウマ関連症状のケアや児童・思春期領域をはじめ、精神障害全般に精通いたしております。

これまで多くの患者さんに当院のカウンセリングをご希望いただき、待機期間が長くなってしまっており、大変ご不便をおかけしておりましたが、今後は少しでも待機期間を短くできればと思っております。

また、今後もさらにスタッフ皆で研鑽を積み、当院における心理療法および心理検査をますます充実させていきたいと存じます。

当院の様々な新型コロナへの防衛対策について

2020年03月30日 | ブログ
現在、世界中で新型コロナウイルスによる大騒動が起きており、長崎は全国的にみて感染者数はかなり少ない方ですが、それでもコロナ関連のニュースに連日、触れることで、不安感が増したり、気分が落ち込む方が増えてきております。

本日は、安心して当院に受診して頂けるように、当院におけるウイルスや細菌に対する防衛体制についてお伝えさせて頂こうかと存じます。今回、新たに移転するにあたって、実は様々な工夫を施しています。

①密閉対策
・窓の設置
当院は若葉町16番地の角地に位置し、四方に障害物が全くないため、窓をたくさん設置しています。受付・待合室・処置室・診察室・カウンセリング室・相談室のすべてに窓があり、適宜、換気を行っています。

また、移転・開業以来、1階のドアは毎日終日、開放したままにしています。


・24時間換気装置
当院ではクリニック内、待合室を含め、すべての部屋で24時間換気を行っております。また、随所に空気清浄機も設置しています。

②密集・密接対策
当院の待合室は広くとってあり、ゆったりとお待ちいただくことが可能です。また、待合室ではお隣の患者さんと会話をする必要もありません。スタッフは、全員マスクを着用しております。

また、診察室やカウンセリング室もゆったりと面接できる作りとなっています。
もちろん毎日欠かさず、クリニック内すべての清掃を行っています。

その他にも、様々な工夫を施しています。
・当然ながら、待合室には患者さん専用の手指消毒液を設置しています。


・トイレには自動の薬用ハンドドープと便座除菌クリーナーを設置しています。

・極め付きは、受付・処置室・診察室・カウンセリング室・相談室のすべての部屋に取り付けてあるライトです!
一見、フツーのライトに見えるかもしれませんが、実はこれ、「イナズマライト」という、除菌と消臭機能を兼ね備えた照明器具なのです!特許も取得している優れものです。点灯中は常に除菌と消臭、脱臭、空気浄化を行ってくれています。

ただし、これらすべては、今回の新型コロナ騒動に端を発して一朝一夕に講じたものではなく、移転前から、常にクリニックを衛生的に保つために、設計段階から計画的に行ってきたことです。 

ですので、咳やくしゃみなどの呼吸器症状がある方は、事前に受診に際してご相談を頂ければと存じますが、基本的には安心してご来院頂いて大丈夫かと思っております😊

それにしても、一日も早くこの騒動が収束に向かうといいですね...

トラウマ回復ルーム;心と体の回復エクササイズ

2020年03月29日 | 専門外来
当院の多目的室にて、トラウマ治療の一環として、本年4月より「心と体の回復エクササイズ」を本格的に開始します(当院通院中の一部の患者さんには、すでに開始しています)。

虐待やネグレクトなどに起因する発達性トラウマ障害や複雑性PTSDの治療は一筋縄ではいかず、段階的な治療が必要となります。というのも、そのようなクライエントに対しては、いきなりトラウマに焦点をあてた治療(EMDRなど)を行うと、返って情緒的に不安定になったり、問題行動が激しくなる懸念があるためです。

まず一番に大事なことは、心身ともに安全で安心を感じられる環境を確保することです。次に、トラウマを想起させてもある程度、耐えることが出来るようになるための作業が必要となります(これを“安定化”と呼びます)。

その安定化に必要なエクササイズには、表情筋を使ったり(変顔体操など)、体幹を鍛えバランス感覚を養ったり、歌を歌ったり、ボイストレーニングをしたり、ヨガをしたりすることなどが有効ということがこれまでのトラウマ研究から分かってきています。

そのため、当院では多目的室に“トラウマ回復ルーム”を設置し、本格的にトラウマを処理するEMDRを行う前準備として、上記の安定化を図ることができる「心と体の回復エクササイズ」を実施できる体制を整えました。

今後も多様なニーズに応えられるよう、さらにハード面・ソフト面ともに充実させていきたいと考えております。


精神保健福祉士が入職しました

2020年03月26日 | ブログ
3月25日より精神保健福祉士が1名、入職いたしました。

精神保健福祉士は、精神障害を抱える方やそのご家族の相談を受け、日常の生活訓練をする施設を紹介したり、就職に対するアドバイスを行ったりして、よりよい生活を送ることができるように援助する役割を担います。

また、他の医療機関や保険、福祉、介護、司法施設などの各分野と連携・調整しながら、相談者にとってより過ごしやすいライフスタイルを考えていきます。

これまでは、当院では精神保健福祉士が不在であったため、患者さんからの精神保健福祉関連のご相談に充分には応じることができておりませんでしたが、今後は精神保健福祉士による相談援助を通して、よりよい日常生活を送れるようにサポートしていきたいと存じます。 

当院に通院中の患者さんで、精神保健福祉に関するご相談のある方は、どうぞお気軽にお申し出ください。

ネット・ゲーム依存専門外来を開設します 

2020年03月16日 | 専門外来
近年のインターネットの普及およびそれに付随するサービスの発展は著しく、日本でもネット依存に陥る人々(特に中高生の若年者)の増加が懸念されています。

2017年12月~2018年2月に実施された厚生労働省の調査では、この5年間で病的なインターネット依存が疑われる生徒は中学生、高校生ともにほぼ倍増しており、病的なインターネット依存が疑われる中高生は推計93万人にのぼります。インターネットの使い過ぎで発生した問題では「成績低下」と「授業中の居眠り」が際立って高く、不登校に陥る生徒も少なくありません。

また、過剰なインターネットの使用が原因で、うつや自殺、攻撃的行動、不安感、対人恐怖、睡眠障害など様々な精神的な問題が生じることも明らかになっています。発達障害との関連も示唆されており、特にADHDでは約8%がネット依存の疑いがあることが報告されています。

2018年6月にWHOが新たに改訂・発刊したICD-11(国際疾病分類第11回改訂版)には、新たに「Gaming disorder (ゲーム障害)」が掲載されました。しかし、日本ではまだネットやゲーム依存の治療に専門的に取り組んでいる医療機関や施設は非常に少ないのが現状です。

そのため、当院では令和2年4月よりインターネット・ゲーム依存外来を開設いたします。トレーニングを受けた医師および臨床心理士が連携し、必要に応じて各種検査や集団認知行動療法、心理士による個別カウンセリングを行い、ネット・ゲーム依存からの回復を支援いたします。

背景にADHDや精神障害が併存している場合には、薬物療法を併用することで治療効果が高まるため、積極的な薬物治療の導入も検討いたします。まずはお電話にて、初診のご予約をお願いいたします。

診療支援プログラム
集団認知行動療法(Regardプログラム);現在、第1期生を募集中です(各期10名まで)

御礼

2020年03月09日 | ブログ
本日の移転・開業に伴いまして、多くの皆様からお祝いのお花などを頂きました。本当に有難く存じております。今回の移転は、通院中の患者さん以外には実はあまりオープンにしておりませんでしたので、正直、このようにたくさんのお祝いのお花を頂けるとは思っておりませんでした。

本当に多くの方々に支えられ、今日という日を迎えることができ、感慨深いです。改めて、皆様に心より感謝申し上げます。

本日は移転の初日でしたが、大きなトラブルもなく一日を終えることができ、ホッといたしております。これもひとえに皆様のお力添えのおかげと、深く感謝しております。地域の皆様に愛されるクリニックを作っていきたいと思っております。また明日からも頑張ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。



若葉町に移転しました!

2020年03月08日 | ブログ
昨日午後と本日で、無事に若葉町の新しいクリニックに引越しをいたしました。今回のビル新築・移転に際しましては、建築士の先生や現場監督、電気工事、設備の担当の方々、現場の作業員をはじめ、多くの方々にご尽力いただき、皆様に心から感謝いたしております。

また、昨日午後と本日はお休みの中、当院のスタッフも皆、引越しのために出勤してくれました。スタッフの皆にもとても感謝しております 。多くの方々に支えられ、ここまでくることができ、本当に有り難く思っております。おかげさまで予定通り、明日からの診療を開始することができそうです。

まだまだ至らないところもあるかと存じますが、スタッフ一同、精進いたしますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

晴天の霹靂;テトラミド10mg錠の自主回収・出荷停止の衝撃!

2020年02月22日 | 抗うつ薬
製薬企業のMSDは、2月17日より四環系抗うつ薬のテトラミド錠10mgの自主回収を開始しました。理由は、安定性モニタリングで、2つの製造番号の製品について溶出性が承認規格に適合しないことが判明したためです。あわせて、出荷停止も行うことが決定されました。

溶出性の遅れにより、「吸収に遅れが生じ、効果発現が遅延する可能性を否定できない」とのことですが、効果の発現が多少遅延したとしても、患者さんに大きな不利益が生じるとは考えにくいです。現に、MSDも「重篤な健康被害の恐れはまずない」 と表明しており、今回の自主回収・出荷停止には疑問を感じざるを得ません。

というのも、過去に本ブログでも取り上げたことがあるように(https://blog.goo.ne.jp/mori8701/e/104482fd616fe986948f66beba4ac30f)、テトラミドは非常に優れた薬剤であり、当院の主力商品で、最も処方の多いお薬のひとつだからです。 

テトラミドには30mg錠もあり、こちらは特に問題はないため引き続き供給されるものの、10mg錠の出荷停止に伴い、出荷制限が行われます。そのため、テトラミドの今後の処方に大きな影響が出るのは必至で、非常に困っています...。

一番にご迷惑をかけてしまうのは現在、テトラミドで良い調子を保っている患者さんの皆様です。正直、テトラミドに代わるお薬はないため、どのような対策を立てるか、頭を抱えています😕

今回のMSDの責任は非常に重く、事の重大さを真摯に受け止め、一日も早くテトラミド10mg錠の出荷を再開してほしいです😟

インターネット・ゲーム依存の診断・治療等に関する研修 修了

2020年02月02日 | ブログ
1月30日~31日に久里浜医療センターにて開催されました「インターネット・ゲーム依存の診断・治療等に関する研修」に参加してきました。

久里浜医療センターは、日本でいち早く、2011年7月よりネット依存治療研究部門を開設し治療を開始しております。久里浜医療センターでは、医師の診察から始まり、心理士によるカウンセリング、薬物治療、ネット依存デイケア(集団認知行動療法を含む)、入院治療、ネット依存家族会、ネット依存家族ワークショップ、治療キャンプ(8泊9日, 集団認知行動療法を含む)といった、非常に充実した様々な治療プログラムを用意しており、日本で最先端のネットやスマホ、ゲーム依存に対する治療体制を備えておりました。

今回の2日間の研修では、上記について各担当者(医師、心理士、精神保健福祉士、看護師)から詳しくご講義頂き、集団認知行動療法についてはグループに分かれての実習もあり、実践的で大変実りのある研修会でした。

依存対象は年々変化しているとのことで、2019~2020年はフォートナイト、レインボー6、APEX、バンドリ、ストプリへの依存度が高くなってきており、中でも、フォートナイトが依存度が一番高く、特に深刻化しているとのことでした。課金の問題も深刻で、子供にもかかわらず、100万~200万円使ってしまうケースもあるとのことでした。

様々な対処法の説明がありましたが、フィルタリングや機能制限はあまり効果はなく、治療の基本方針は「本人が自分の意思で行動を変えていくように援助する」ことで、治療目標は「減ネット使用」とのことです。

ネット・ゲーム依存は、背景に発達障害(特にADHD)や精神障害が併存していることも少なくなく、そのような場合には薬物療法を併用する方が治療効果が高いとのことで、積極的な薬物治療の検討も推奨されていました。

ただ、ネット・ゲーム依存の治療には時間を要するとのことで、一喜一憂せずに、時間をかけて粘り強く関わっていく必要があるとのことでした。

外来治療でコントロールができない場合や、問題行動(暴れる、暴力を振るうなど)も含めた治療が必要な場合には、入院治療が有効とのことです。入院中はすべてのデジタル機器の使用を不可とし、デジタルデトックスを行う、とのことでした。

当院でも、ネットやゲーム依存の相談件数は確実に増えてきており、今後、当院でもネットやスマホ、ゲーム依存に対する治療体制を整えていきます。まずは当院でできる治療プログラムを作成し、今年の4月頃からネット・ゲーム依存の専門外来を開設できるよう、鋭意、準備を進めていきます。

第4回長崎トラウマ関連症状勉強会

2020年01月26日 | ブログ
1月25日(土曜;13時~16時)に、長崎大学医学部内会議室にて第4回長崎トラウマ関連症状勉強会が開催されました。講師には兵庫県こころのケアセンターから大塚 美菜子先生にお越し頂きました。大塚先生は日本EMDR学会認定EMDRコンサルタントのお一人で、新進気鋭のトラウマセラピストです。

勉強会には長崎県内外から10人の精神科医師および臨床心理士の先生方が参加されました。事例検討会(2症例)が行われましたが、あっという間の3時間でした。

EMDRに関する基本的なスキルから応用まで幅広く丁寧にご指導頂き、 大変充実した実りある会となりました。本勉強会会長の今村 明教授(長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部)を中心に今後も本勉強会を継続的に開催し、自身の研鑽とともに、長崎でのトラウマ治療の発展、普及に努めていきたいと思っております。

移転間近です!

2020年01月22日 | ブログ
昨年の10月3日に、本ブログ上にて移転のご案内をいたしましたが、順調に工事が進んでおり、3月9日(月)より新しいテナントにて診療開始となります!すでに外壁は完成しており、現在は内装を工事中です。画像は、新しいビルの外観です。現在のクリニックからも見える距離に位置しています。

新しいクリニックはビルの2Fで、エレベーターもありますので、足の悪い方も安心してご来院ください。ビル内、院内は全てバリアフリーで、手すりもついています。車いす用のトイレも完備いたしております。また、キッズスペースも新たに設けますので、小さなお子さん連れの方も大歓迎です!

小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い世代の方々から愛されるクリニックを目指しています。

なお、現在のクリニックは3月7日(土)13時をもって閉院となりますので、ご留意くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。



明けましておめでとうございます

2020年01月03日 | ブログ
新年、明けましておめでとうございます。

今年は3月9日にクリニックの移転を控え、上半期は特に何かと多忙な日々になりそうです。しかしそのような中でも、本年も新たに様々なことに挑戦したいと考えております!

まず皮切りに、1月30日~31日に国立病院機構久里浜医療センターにて開催される「インターネット・ゲーム依存の診断・治療等関する研修プログラム 」を受講しに行ってきます。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2018年6月にWHOが新たに改訂・発刊したICD-11(国際疾病分類第11回改訂版)には、新たに「Gaming disorder (ゲーム障害)」が掲載されました。

これは、近年の思春期・青年期の世代を中心とした深刻なゲームやネット、スマホ依存を背景に、治療の必要性の声が世界中であがっていることに起因しています。

しかし現代病だけに、日本で本格的な治療を受けられるのは、現時点では久里浜医療センターの1箇所のみに留まっているのが現状です。

日々の臨床で、中学生・高校生を中心に当院にも多くのゲーム依存やスマホ依存の患者さんが来院されています。よって、今年中に当院にて、久里浜医療センターに準じた治療プログラムを提供できるように鋭意、準備を進めていきたいと計画しております。

そして、4月からは新たにPSW(精神保健福祉士)とトラウマ治療や児童・思春期領域にも精通した臨床心理士を雇入れ、3月の移転と併せてハード面、ソフト面ともにさらに充実させます。

トラウマ治療に関しては、ポリヴェーガル理論に基づく神経エキササイズを実践できるトラウマ回復ルームの設置・開設を移転後に目指します。神経エキササイズとは、複雑性トラウマの段階的治療の一部で、虐待などに起因する複雑性のトラウマからの回復に必要な治療的介入です。

長崎県内におけるEMDRの普及活動も、本年も引き続き勉強会を定期的に企画・開催し、努めて参ります。

さらには、近年、自閉スペクトラム症に有効性が示されているオキシトシンの点鼻(または舌下)治療を提供できる体制も整えたいと考えております。オキシトシンの点鼻は現在、日本を含め、世界中で治験や臨床研究が実施されている最中ですが、副作用はほとんどなく、比較的良好な結果が次々と出てきております。

精神医学はアンメットニーズの高い医療領域ですので、患者さんに役立つことには、労もお金も惜しまずに、精一杯、尽くしていきます。 

私の尊敬する人物の一人に、フランス料理人の上柿元  勝シェフがおられます。上柿元氏は自伝で以下のように述べています。
「情熱という言葉は簡単に使われていますけど、要するに死に物狂いというか、いかなる場合でも体を張って夢を実現しようとする強い強い信念ですよ。寝らんでもいい、飲まんでもいいから何かを得ようと常に自分の心が燃えているくらいの情熱がない限り伸びるどころか衰退以外ありません」 

まさにその通りだと、いつも同氏のこの言葉を思い出しながら、日々、精進しています。私は上柿元シェフの足元にも及びませんが、微力ながら皆様のお役に立てるよう、これからも絶えず、頑張っていきたいと思っております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

CAPS研修会参加報告

2019年12月16日 | 専門外来
12月14日(土曜)に、兵庫県こころのケアセンターで開催されましたCAPS研修会に私と心理士2名(森、久冨)が参加してきました。

CAPSはClinician-Administered PTSD Scaleの略で、 日本語には「PTSD臨床診断面接尺度」と訳されます。CAPSは現在もっとも精度の高いPTSD診断用構造化面接尺度として国際的にも広く知られており、正確なPTSD診断には欠かせない評価尺度です。

CAPSは、DSMという精神障害の診断基準(アメリカ精神医学会が作成)に併せて作られております。現在のDSM-5は2013年に改訂され、世界中で幅広く使用されていますが、それまではDSM-Ⅳでした。

ですので、CAPSも以前は「CAPS-Ⅳ」でしたが、現在は「CAPS-5」となっています。私は2007年にCAPS-Ⅳの研修会を修了しておりましたが、この度、CAPS-5の研修を受講し、当院でCAPS-5を実施できる体制を整えました。

PTSDの診断基準は、DSM-ⅣからDSM-5に改訂された際に一部、変更点があり、それに併せてCAPSも変更が生じています。また、採点方法も変わっており、今回の研修会に参加することで、より一段とPTSDの診断に関する知識を深めることができました。

今後もさらに研鑽を積み、当院における心理検査や心理療法をますます充実させていきたいと思っております。  

初のADHD治療装置の開発・承認!

2019年12月03日 | 発達障害
本年4月にアメリカのFDAは、ADHD治療のための初の医療デバイスMonarch external Trigeminal Nerve Stimulation (eTNS) Systemを承認しました。 患者の額に装着したパッチを介して三叉神経枝に低レベルの電気刺激を与え、ADHDに関連するとされている脳部分に電気信号を送ることで、治療効果が得られます。  

適応は7-12歳の小児ADHDです。Monarch eTNS Systemは保護者の見守りのもとで睡眠中に使用します。

Monarch eTNS Systemは欧州にていち早く承認され、2015年に7歳以上のADHD患者への使用が承認されています。また、うつ病治療でも欧州では承認されております。

作用機序としては、ポリヴェーガル理論からは、三叉神経は健全な社会的交流を司る腹側迷走神経複合体に含まれますので、 腹側迷走神経複合体を刺激することによりADHD症状の改善が図られるのではないかと考えられます。

重篤な副作用の報告はなく、薬物治療に比べて比較的安全に使用できそうですので、日本への導入も期待したいですね。


長崎県かかりつけ医と精神科医のうつ病ネットワーク講演会

2019年11月14日 | 気分障害
本年の2月に諫早で開催されました表記の講演会が、昨日11月13日に長崎市内にて開催されました。今回も「うつ病の精神療法」の題目にてリクエストを頂きまして、僭越ながら私が特別講演の演者を務めさせて頂きました。

本会はうつ病患者さんの治療について、かかりつけ医(内科などの身体科)の医師と専門の精神科医が連携してうつ病治療に取り組む目的で2015年から長崎県医師会の主催にて始まった企画です。

うつ病の患者さんは最初に様々な身体症状を呈することが多く、そのため大半の患者さんは実は最初に内科などの身体科を受診することがこれまでの調査で分かっております。また、うつ病の患者数は近年、ますます増加しており、うつ病治療のニーズは年々高まっております。

そのため、最初に受診したかかりつけの内科などでうつ病の治療を開始してもらえるようになることが望まれます。そして、かかりつけ医でうつ病の治療を開始したものの、うつ病の症状が改善しなかったり、他の精神障害の可能性が疑われる場合などには、精神科医に紹介してもらうことが望まれます。

まずうつ病の症例を1例提示し、うつ病患者さんに対する心理教育や声のかけ方、接し方、対応の仕方、抗うつ薬の使い方などについてディスカッションしました。

特別講演では、
・うつ病の特徴(だれでもかかり得る病気で、気の持ちようや性格の問題ではなく、治療可能な病気であること、など)
・うつ病治療の基本(休養・環境調整、薬物療法、精神療法の3つが中心)
・うつ病の支持的精神療法・小精神療法
・うつ病の認知行動療法

についてお話いたしました。ご多忙の中、多くの先生方にお集まり頂き、有意義な会合になったかと存じます。なお、本講演会は企画から5年を経て、今回で一旦、終了となるとのことでした。

本講演会の世話人代表の赤司 文廣先生(赤司内科消化器科医院)を始めとした世話人の先生方のご尽力に心から感謝いたしますとともに、今後も身体科の先生方と連携・協力しながら地域のうつ病治療のお役に立てればと思っております。