心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

新型コロナワクチン1回目を摂取しました!

2021年04月22日 | ブログ
昨日、近医の内科にて新型コロナワクチン1回目を摂取してもらいました。


打った時の痛みはほとんどありませんでしたが、4~5時間後より接種部位(肩)の痛みが段々とでてきて、今日もまだ痛みが続いております。

しかし他には特に副反応なく、接種部位の疼痛も我慢できない程ではないので、私は比較的副反応は軽い方なのかな、と感じております。知り合いの医師の中には、摂取後1~2日は「肩が上がらなかった」という者もおりました。やはり個人差があるようですね。

一日も早くワクチンが国民全体に行き渡り、新型コロナウイルス感染症が終息に向かうことを心より願っております。

(院長 森)

第2回ソーシャルワーカーのための精神科薬物療法講習会

2021年03月14日 | ブログ
3月13日に長崎市内にて、長崎県精神保健福祉士協会と大塚製薬株式会社の共催のもと、第2回ソーシャルワーカーのための精神科薬物療法講習会が開催されました。「PSWの方々に知っておいて欲しいこと」の演題にて、僭越ながら私が講師を務めさせていただきました。 

前半の1時間は、
・統合失調症
・気分障害(うつ病、双極性障害)
・発達障害
のそれぞれについての基本的な薬物治療についてのお話をさせて頂きました。

後半の1時間は症例提示+ディスカッション形式で、大人の発達障害のケースを2例提示し、参加者には活発な討論をして頂けました。

長崎県内から約20名のPSWの方々にご参加頂き、心より感謝いたしております。今後も微力ながら、長崎の精神医療の発展に寄与できればと思っております。

(院長 森)

第23回長崎県病院薬剤師会精神科薬物療法講習会

2021年03月10日 | 気分障害
3月9日にZoomのウェビナーを用いたオンライン形式にて、第23回長崎県病院薬剤師会精神科薬物療法講習会が開催されました。「双極性障害の病態と薬物治療について」の演題にて、僭越ながら私が講師を務めさせていただきました。
 
双極性障害についての疫学や診断、病態、予後、最新のトピックスを含めた薬物治療について90分程、お話させていただきました。100名以上の薬剤師の先生方にご参加いただいたとのことで、心より感謝いたしております。
 
今後も微力ながら、長崎の精神医療の発展に寄与できればと思っております。

(院長 森)

インターネット・ゲーム依存の研修会実施報告

2021年02月18日 | 専門外来
本日、令和2年度第3回西海市・西彼杵郡学校保健会高等学校・特別支援学校養護教諭研修会として、「インターネット・ゲーム依存の対応・治療について」の演題のもと、僭越ながら私が講師を務めさせていただきました。

講演の中では、インターネットやゲーム依存の現状やゲーム障害の診断、対応および治療について約1時間半に渡り、お話させていただきました。インターネットやスマホの急速な普及に伴い、スマホやゲームの利用者は年々、増え続けており、それらに伴う依存症が大きな社会問題となってきております。

インターネットやスマホは私たちの日常生活には必要不可欠な存在となってしまっているため、ネットやスマホの依存症に陥ることなく、上手に付き合うことが必要となります。

ネットやゲーム依存の患者さんはなかなか受診に繋がりにくいという特徴があるため、我慢強く、長い目で診ていく必要があります。コロナがもう少し収束しましたら、今後は当院にてネット・ゲーム依存の家族会も計画し、定期的に実施していきたいと思っております💡。

(院長 森)

インターネット・ゲーム依存の集団治療プログラムの様子

2021年02月16日 | 専門外来
現在、第2期生2名が毎週火曜の午前にインターネット・ゲーム依存の集団治療プログラムに参加し、取り組んでいます。

本プログラムは、久里浜医療センターにて実施されている認知行動療法をより取り組みやすいようにアレンジし、当院オリジナルのRegardプログラとして実施しています。

毎週火曜の午前9時から1回50分かけて行い、全部で7回で完結します。プログラムの内容は以下の通りです。

第1回 一日の生活の振り返り
第2回 起きていた問題の振り返り
第3回 ネット使用の良い点・悪い点
第4回 過剰なネット使用について
第5回 ネット以外の活動を検討
第6回 欲求への対処方法
第7回 将来の目標設定

本プログラムへの参加を通し、今までのネットの使い方を客観的に見直し、過剰使用に戻らない対処法を身に着けることを目標とします。

本日は第3回目が行われました。ファシリテーターは当院心理士の久冨が主に担当しております。参加者からは活発な意見が出され、有意義なひと時を過ごしていただくことができたのではないかと思います。

現在実施中のクールは3月末頃に終了予定で、現在、4月から新規に開催予定の第3期生を募集中です。参加人数は1クールにつき、2~10名です。

対象は小学生高学年~高校生で、ネットやゲームの過剰使用により日常生活に支障が生じていると感じ、何とかしたいけれど自力では抜け出すのが難しい!と思っている方でしたら、どなたでもご参加いただけます。

ご希望の方は、お気軽に当院受付または主治医までお問い合わせください。

(院長 森)

EMDRの総説が精神神経学雑誌に掲載

2021年02月03日 | 専門外来
精神科領域では日本で最も権威のある医学雑誌の“精神神経学雑誌”の最新号に、EMDRの総説が初めて掲載されました。

EMDRはWHOも推奨しているPTSDの治療法のひとつですが、欧米に比べると日本での普及は遅れており、本邦でのEMDRの普及は喫緊の課題と考えられます。

また、EMDRはPTSD以外でも、トラウマが関連している精神障害には幅広く適応が可能で、効果が期待できます。今後も微力ながら、長崎県内でのEMDRの普及活動に努めていきたいと存じます。

(院長 森)

第7回長崎トラウマ関連症状勉強会

2020年12月20日 | 専門外来
12月20日(日)の9時~12時に、ZOOMを用いたリモート形式にて第7回長崎トラウマ関連症状勉強会が開催されました。講師は市井 雅哉先生(兵庫教育大学大学院発達心理臨床研究センター教授) にお願いいたしました。

市井先生は臨床心理士で、日本で唯一、EMDR研究所認定トレーナーの資格をお持ちの、日本におけるトラウマセラピーの第一人者です。

本日は事例検討方式(2例)で、県内外から25名程の精神科医師および臨床心理士の先生方にご参加いただきました。的確で分かりやすいご助言を頂いたり、補助となる資料もご提供くださり、大変充実した有意義な勉強会となりました。

今後も本勉強会を継続的に開催し、自身の研鑽とともに、長崎でのトラウマ治療の発展、普及に務めていきたいと存じます。

(院長 森)

抗精神病薬クロルプロマジンが新型コロナウイルス複製阻害

2020年12月11日 | 抗精神病薬
フランスのSainte Anne病院で、医療従事者の新型コロナウイルス感染の発症や重症化が精神科病棟の患者より多いことが見出されました。

同病院の研究者はこれまでの研究で抗ウイルス作用が示されている統合失調症薬クロルプロマジンの新型コロナウイルス複製阻害作用を細胞実験で確認し、COVID-19入院患者40人を募る予備試験(pilot study)が早速計画されています。

クロルプロマジンはSainte Anne病院にとって大変ゆかりのある薬で、1952年に同病院の研究者が見つけた世界初の統合失調症治療薬です。最近ではあまり使用される頻度の少ない薬剤ではありますが、このような恩恵があるとは意外でした。

同薬剤が新型コロナウイルスの治療や収束に役立つことを期待しております。

(院長 森)

令和2年度長崎県精神障害者家族支援強化促進事業研修会

2020年11月22日 | ブログ
本日、長崎県の補助事業の一環で、令和2年度長崎県精神障害者家族支援強化促進事業研修会(長崎県精神障害者家族連合会 主催)が長崎市内で開催され、僭越ながら私が講師を務めさせていただきました。

演題は「精神医療の現状と今後の課題 ~ ストレス社会を乗り越えるためには~ 」で、世界や日本、長崎県の精神医療の現状や今後の課題をお話し、不安を解消したり、心身の健康を増進したりする方法をいくつかご紹介させていただきました。

当事者やそのご家族、施設や医療関係者など約50名の方にご参加いただきました。コロナ禍での講演でしたが、検温やマスク着用、手指消毒、換気など感染予防対策もしっかりと施されており、安心してお話させていただくことができました。

今後も微力ながら、少しでも皆様のお役に立つことができるよう、尽力いたしたいと存じます。また、本日ご参加いただきました皆様には感謝申し上げます。まことにありがとうございました。

(院長 森)

ゼプリオンTRI発売

2020年11月19日 | 抗精神病薬
11月18日に、1回の注射で効果が3ヶ月間持続するという持効性抗精神病剤、ゼプリオンTRIが発売されました。これは統合失調症の治療薬の一つで、これまでは1ヶ月しか効果が持続せず、同薬剤を使用している患者さんは毎月、注射を受ける必要がありましたが、病状の安定している患者さんは、今後は3ヶ月に1回の注射のみでよくなります! 

統合失調症の患者さんは、お薬の内服をやめてしまうとほぼ全員、再発してしまうため、継続的な治療が必要となりますが、うっかり飲み忘れてしまい病状が悪化してしまう方も少なくないのが現状です。中には、毎日の内服が煩わしかったり、自分自身が病気である自覚が乏しく、段々、お薬を飲まなくなったりする患者さんもおられます。

そのような現状で、今回の3ヶ月に1回だけの注射製剤の登場は、患者さんにとって大きな恩恵になることと期待されます。海外ではすでに同注射剤は発売されており、アメリカでは今月の2日に、1回の注射で半年間も効果が持続するゼプリオンの6ヶ月製剤をJohnson & Johnson がFDAに承認申請しています。

他にも、認知機能の改善を目的とした統合失調症治療薬(GlyT1阻害剤;BI 425809)なども開発されつつあり、今後、統合失調症患者さんのさらなる症状の改善やQOLの向上が期待されます。

マスメディアに求められる自殺報道の在り方

2020年09月27日 | ブログ
今年に入り、大変残念なことに著明人の自殺が相次いでいます。それに伴い懸念されるのが、自殺の連鎖や自殺者の増加です。これまでに報告されている多くの研究結果から、「有名人(celebrity)の自殺報道後1~2ヶ月間で自殺が13%増える」ことが分かっています。また、報道された自殺方法と同じ方法での自殺の増加はより大きく、30%上昇します。

実は随分前から自殺の連鎖については言われており、特にマスメディアの自殺報道に起因することが指摘されてきました。そのため1980年代後半にオーストリアでは自殺報道に関するガイドラインが策定され、 新聞社がこれに従うと自殺数が急減し、その後、他のEU各国も追随しています。

その後、2000年にはWHOが自殺を予防する自殺事例報道のあり方についてガイドラインを公表し、世界各国に改善を促していますが、日本ではほとんど守られていないのが現状です。

実は厚生労働省のHPにもそのガイドラインが掲載されています。「すぐわかる手引(クイック・レファレンス・ガイド)」には、〈やるべきこと〉と〈やってはいけないこと〉が具体的に示されています。

〈やってはいけないこと〉の中には、
  • 自殺の報道記事を目立つように配置しないこと。また報道を過度に繰り返さないこと
  • 自殺に用いた手段について明確に表現しないこと
  • 自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと
  • センセーショナルな見出しを使わないこと... etc.
と示されていますが、実情はどうでしょうか。明らかにこれらに反する報道が多く、国はマスメディアに対して、著名人の自殺後の報道についての規制を速やかに強化することが強く求められます。

本日も、大変著明な女優の自殺が報じられました。とても悲しく、胸が痛みます。ただ、特にうつ病をはじめとした精神疾患を患っている方々は、あまりネットやTV、雑誌、新聞等の報道に触れないようにしてください。

(院長 森)

テトラミドの出荷再開のお知らせ

2020年09月15日 | 抗うつ薬
本年の2月17日にテトラミド10mg錠が製薬企業のMSDにより自主回収され、その後さらには同薬剤の30mgも出荷が制限されておりました。そのため、処方薬の変更を余儀なくされた患者さんが多数いらっしゃり、多大なご迷惑をお掛けしている状態が続いておりました。

この度、9月18日よりテトラミド10mgの出荷の再開および30mgの出荷制限が解除となるお知らせをいただきました。つきましては、今後は再びテトラミドを通常通りに処方できるようになります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

(院長 森)

COVID-19罹患後のPTSDや不安、抑うつの治療を準備する必要性について

2020年09月07日 | ブログ
これまでに報告されている多くの研究結果より、2002年に始まった重症急性呼吸器症候群(SARS)流行や2012年からの中東呼吸器症候群(MERS)流行時に、これらの感染症に罹患した患者では、回復後にうつ症状や不安、疲労、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が多く認められたことが分かっています。

COVID-19罹患患者に関するデータはまだ不十分であるため何とも言えませんが、イギリスの研究者らは、「COVID-19罹患後にも同様の精神症状が出現する可能性があるため、精神科医療機関はこれらを治療する準備を整えておく必要性がある」と述べています。

当院では、新型コロナウイルス(COVID-19)流行に伴う情緒不安定や抑うつ、不安、不眠などの相談、治療にも力を入れておりますので、どうぞお気軽にご来院ください(初診のみ電話での予約制となっております)。

一日も早くワクチンが開発され、COVID-19が終息することを心より願っています。

(院長 森)

FDAがエスケタミンをうつ病に伴う希死念慮/自殺企図の治療薬として承認

2020年08月25日 | 抗うつ薬
8月4日に米国FDAは、うつ病に伴う希死念慮/自殺企図の治療薬としてエスケタミン点鼻薬(SPRAVATO)を承認しました。これまでにうつ病の自殺関連症状に対して効果が立証された治療薬は存在しなかったため、これは非常に画期的なことであり、精神医学において大きな進歩と言えるでしょう。

なお、他の精神障害の治療薬ではリチウム(対象疾患;双極性障害)とクロザピン(対象疾患;統合失調症)に自殺予防効果があることが知られています。

日本でも自殺者が一人でも減るように、同薬剤の開発・承認が期待されます。

(院長 森)

当院屋内における常時のマスク着用徹底のお願い

2020年08月04日 | ブログ
当院では新型コロナウイルスの感染予防のため、以前より受診者全員にマスクの着用をお願いいたしております。もしお忘れの場合やお持ちでない場合には、受付にて1人1枚無料でご提供しております。
 
中には、マスクを着けてはくるものの、受付や待合室でマスクを外したり、診察やカウンセリングの際に外す方がいらっしゃいます。現在、長崎県はフェーズ3(感染拡大期)に移行しています。夏なので、マスクの着用に不快感を感じる方もおられるかもしれませんが、県民全員が「うつさない、うつらない」を強く意識する必要があります。

新型コロナウイルスは、お互いがマスクをしている場合には、1.2m離れると話すだけではうつらないといわれています(長崎大学病院安全管理部教授 栗原医師より)。
 
つきましては、当院屋内では常時のマスクの着用を重ねてお願い申し上げます。ご協力の程、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。

(院長 森)