心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

レクサプロ

2015年11月25日 | 抗うつ薬

SSRIのひとつであるレクサプロが、11月20日に社交不安障害に対する効能・効果が追加承認されました。これで、日本においては社交不安障害に適応を持つ薬剤はデプロメール/ルボックス、パキシルに続き、3剤目となりました。レクサプロは眠気等少なく、他の2剤と比較して忍容面で優れていますので、今後は社交不安障害の薬物治療の第一選択薬になり得る薬剤として期待しております

ただし、先日のブログの記事で述べたように、社交不安障害は薬物療法だけで完治させるのは困難ですので、薬物療法に加えて認知行動療法を組み合わせて治療を行うのが理想と言えるでしょう。


ブプロピオン

2015年11月25日 | 抗うつ薬

本邦では未発売ながら、海外ではうつ病治療ガイドラインの第一選択薬のひとつに「ブプロピオン(商品名;ウェルブトリン)」という抗うつ薬があります。DNRI(ノルアドレナリン・ドパミン再取り込み阻害薬)として作用するユニークな薬剤で、セロトニン系には作用しません。

当院には時折、海外からの留学生などが来院されますが、これまでに数人が過去にブプロピオンを内服していて、調子が良かったとおっしゃっていました。ブプロピオンはグラクソ・スミソクラインという製薬会社が開発し、海外で販売しております。ブプロピオンは海外では評価が高く、2007年にはアメリカでは4番目に多く処方された抗うつ剤となっております。また、禁煙補助剤としての効果も確認されており、禁煙補助の目的にも使用されております。

日本では2004年から臨床試験が開始されておりますが、2つのプラセボを対象とした二重盲検試験の結果、いずれもブプロピオンの有効性を示すことができず、2014年に開発を断念するにいたったようです。ですので、残念ながらもう日本で発売される見込みはないでしょう