心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

インターネット・ゲーム依存の研修会実施報告

2021年02月18日 | 専門外来
本日、令和2年度第3回西海市・西彼杵郡学校保健会高等学校・特別支援学校養護教諭研修会として、「インターネット・ゲーム依存の対応・治療について」の演題のもと、僭越ながら私が講師を務めさせていただきました。

講演の中では、インターネットやゲーム依存の現状やゲーム障害の診断、対応および治療について約1時間半に渡り、お話させていただきました。インターネットやスマホの急速な普及に伴い、スマホやゲームの利用者は年々、増え続けており、それらに伴う依存症が大きな社会問題となってきております。

インターネットやスマホは私たちの日常生活には必要不可欠な存在となってしまっているため、ネットやスマホの依存症に陥ることなく、上手に付き合うことが必要となります。

ネットやゲーム依存の患者さんはなかなか受診に繋がりにくいという特徴があるため、我慢強く、長い目で診ていく必要があります。コロナがもう少し収束しましたら、今後は当院にてネット・ゲーム依存の家族会も計画し、定期的に実施していきたいと思っております💡。

(院長 森)

インターネット・ゲーム依存の集団治療プログラムの様子

2021年02月16日 | 専門外来
現在、第2期生2名が毎週火曜の午前にインターネット・ゲーム依存の集団治療プログラムに参加し、取り組んでいます。

本プログラムは、久里浜医療センターにて実施されている認知行動療法をより取り組みやすいようにアレンジし、当院オリジナルのRegardプログラとして実施しています。

毎週火曜の午前9時から1回50分かけて行い、全部で7回で完結します。プログラムの内容は以下の通りです。

第1回 一日の生活の振り返り
第2回 起きていた問題の振り返り
第3回 ネット使用の良い点・悪い点
第4回 過剰なネット使用について
第5回 ネット以外の活動を検討
第6回 欲求への対処方法
第7回 将来の目標設定

本プログラムへの参加を通し、今までのネットの使い方を客観的に見直し、過剰使用に戻らない対処法を身に着けることを目標とします。

本日は第3回目が行われました。ファシリテーターは当院心理士の久冨が主に担当しております。参加者からは活発な意見が出され、有意義なひと時を過ごしていただくことができたのではないかと思います。

現在実施中のクールは3月末頃に終了予定で、現在、4月から新規に開催予定の第3期生を募集中です。参加人数は1クールにつき、2~10名です。

対象は小学生高学年~高校生で、ネットやゲームの過剰使用により日常生活に支障が生じていると感じ、何とかしたいけれど自力では抜け出すのが難しい!と思っている方でしたら、どなたでもご参加いただけます。

ご希望の方は、お気軽に当院受付または主治医までお問い合わせください。

(院長 森)

EMDRの総説が精神神経学雑誌に掲載

2021年02月03日 | 専門外来
精神科領域では日本で最も権威のある医学雑誌の“精神神経学雑誌”の最新号に、EMDRの総説が初めて掲載されました。

EMDRはWHOも推奨しているPTSDの治療法のひとつですが、欧米に比べると日本での普及は遅れており、本邦でのEMDRの普及は喫緊の課題と考えられます。

また、EMDRはPTSD以外でも、トラウマが関連している精神障害には幅広く適応が可能で、効果が期待できます。今後も微力ながら、長崎県内でのEMDRの普及活動に努めていきたいと存じます。

(院長 森)