心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

第117回九州医師会医学会記念卓球大会参加報告

2017年10月30日 | 卓球

10月29日に今年は北九州で開催されました第117回九州医師会医学会記念卓球大会(第32回九州・山口医師卓球大会)に参加してきました。

結果ですが、今年は団体戦は3位、個人戦年齢別の部は優勝で2連覇、個人戦全年齢の部では準優勝と、今年もまずまずの成績を残すことができました。団体戦では私は無敗でしたが、準決勝で惜しくも岡山チームに敗れてしまいました。残念。ただ、チーム一丸となり、皆、精一杯頑張ったので、悔いはありません。また、今年も一日で計14試合をしましたが、足がつることもなく、怪我なく終えることができよかったです。ですが、やはり今日は全身筋肉痛です(><)。

個人戦全年齢の部は、過去に準優勝や3位は何度もあるのですが、なかなか優勝が遠いです。きっと、「まだまだ修行が足りないから精進しなさい」との啓示なのでしょう。なんとか優勝を目指して、今後も練習に励みたいと思っています。


自閉スペクトラム症の大部分は遺伝に起因

2017年10月18日 | 発達障害

JAMAのいう医学雑誌の9月号に、「自閉スペクトラム症の大部分は遺伝に起因する」という研究結果が報告されました。具体的な“大部分”の数字ですが、83%という結果が出ていました。結構、高いですね。この研究は、1982年から2006年の間にスウェーデンで生まれた子を2009年まで追跡した大規模な試験の結果で、信頼性は高い研究と考えられます。

この試験には37,570人の双子のペアと2,642,064人の兄弟姉妹、432,281人の従兄弟が含まれており、そのうち14,516人が自閉スペクトラム症と診断されております。今回の結果から改めて裏づけられることは、自閉スペクトラム症は従来から言われているように親のしつけや教育などが悪いせいで生じるわけではない、ということです。

ただ、自閉スペクトラム症の特性の影響で学校や日常生活場面で不適応をきたしている場合には、適切な支援や治療が必要となりますので、早めに専門の医療機関を受診されてください。

なお、自閉スペクトラム症を根本から治癒する治療薬はまだ出ておりませんが、自閉スペクトラム症に伴うイライラ感や興奮、多動、知覚過敏などに対しては、ある程度、効くお薬が出ていますので、場合によってはお薬での治療も選択肢になり得ます。日本では、今のところエビリファイとリスペリドンが「自閉スペクトラム症に伴う易刺激性」に適応を取得しております


日本EMDR学会認定EMDR臨床家資格 取得!

2017年10月04日 | 専門外来

当院のホームページのトップ欄には既に記載しておりますが、9月30日付けで当院の臨床心理士2名(森  ゆみ, 久冨  香苗)が日本EMDR学会認定EMDR臨床家資格を取得いたしました。長崎では本資格の取得は初であり、九州でも当院の2人を含め、まだ3人しか認定されておりません(認定資格保有者の一覧; https://www.emdr.jp/emdr%E6%B2%BB%E7%99%82%E8%80%85%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88/ )。

この資格はEMDRを施行するにあたり、信頼性のある臨床経験及び能力を備えていることを示すものであり、日本EMDR学会が定めた一定の基準(経験症例数やセッション数、コンサルテーションの受講など)をクリアした後、日本EMDR学会の資格審査委員会による厳正な審査により認定されます。

EMDR自体は日本EMDR学会認定EMDRトレーニングを修了さえすれば行うことができますが、本トレーニングの修了のみではEMDRの臨床能力は担保されません。当然といえば当然ですが、例えるなら、医学部生が医師国家試験合格後、医師免許を取得しても、実臨床で指導医のもと一定の経験を積まなければ、的確な診断や治療を行うことができないのと同じようなものです。

医学会の学会制度で例えるなら、専門医≒認定EMDR臨床家資格と言えるでしょう。当院ではこれまでに100例以上のEMDRの施行実績があり、心理士2名は毎年のように日本EMDR学会主催の継続研修会などにも積極的に参加し、研鑽を積んできました。今後はさらに研鑽を積み、EMDRに関して指導する能力を有することを示す「日本EMDR学会認定EMDRコンサルタント資格」の取得を目指していきたいと思っております。

最終的には、長崎県におけるEMDRの普及および県内のEMDR治療者のレベルアップに寄与できればと思っております。現在、当院の心理療法外来の予約待ちが2~3ヶ月となっており、長崎県全体でのトラウマ治療の普及とレベルアップが急がれます。