心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

来年秋に移転します!

2018年10月30日 | ブログ

今年一番のビッグニュースです!来年秋頃を目途に、クリニックを移転することが決まりました。場所は若葉町の旧福重外科跡地(現在、更地)で、当院からの距離は約200m、徒歩4分の距離です。今後、ビルを建設予定で、現在、鋭意、設計中です。

現在のクリニックから近隣ながら、本通りから一本入ったところに位置するため、人目が気になる方でも来院しやすくなるかと思っております。

1階は駐車場と駐輪場とし、新クリニックは2階となります。移転後はバリアフリーとなり、エレベーターもできるため、足が不自由な方にもお気軽にご来院頂けるようになるかと思います。駐車場やエレベーター、受付カウンター、トイレなど全て車椅子対応といたします。

なお、現在のテナントは約30坪ですでに手狭となっており、時には患者さんに立ってお待ち頂くこともあるため大変申し訳なく感じておりますが、移転後はフロアの広さは倍近くになるため、臨床心理士などのスタッフも増員し、診療を拡充いたします。

現在、特にカウンセリングをご希望されている患者さんの待機時間が3~4ヶ月とかなり長く、大変ご不便をお掛けしておりますが、移転後はハード面、ソフト面ともに拡充することで、少しでもさらに皆様のお役に立てればと考えております。

具体的な移転時期が決まりましたら、クリニックのHPや本ブログでもご案内いたします。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


安全な飲酒量はない!

2018年10月23日 | ブログ

Lancetという非常に権威のある医学雑誌の本年8月号に、「『健康リスクを最小限に抑えるための安全な飲酒量の目安が存在する』という認識は神話にすぎない」との研究結果が報告されました。

この研究では1990~2016年の間に、195カ国・地域におけるアルコール関連の健康問題(心血管疾患やがんなどを含む)についてのリスクの検討が行われました。その結果、世界でアルコール関連死は280万人/年に上り(2016年)、がんの死亡リスクはアルコール摂取量が多いほど増加し、健康損失を最小限に抑える飲酒量はないことが算定されてました。

特に15~49歳の男性では死亡の12%は飲酒関連と極めて高いことが判明しています。また、50歳以上ではアルコール関連死に占めるがんの割合が高く、女性で27.1%、男性では18.9%でした(2016年の結果より)。

最終的に、全健康損失リスクを最小限に抑えるアルコール摂取量は、1日0ドリンクと推算されています。すなわち、アルコールを全く飲まないことが一番健康には良い、という結論です。

この研究結果は長期間に渡るかなり大規模な調査から得られたものなので、信頼性は高いものと思われます。お酒好きな方には耳の痛いニュースですね...


長崎トラウマ関連症状勉強会 親睦会開催

2018年10月23日 | 専門外来

昨日、第1回目の長崎トラウマ関連症状勉強会として、まずは親睦の食事会を市内のレストランにて行いました。今回はEMDRのweekend1トレーニング以上を修了した先生方を対象としたクローズドの会でしたが、15名の臨床心理士や精神科医の先生方にお集まり頂けました。なお、現在、長崎県内にはweekend1トレーニング以上を修了した精神科医および臨床心理士が30名程います。

初めてお会いする先生も多かったですが、和やかな雰囲気で、皆、和気あいあいと打ち解けることができ、大変有意義な会となりました。ご多忙の中、五島や大村、西海、佐世保といった遠方からご参加頂いた先生もおられ、大変感謝いたしております。

会長の今村 明教授(長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部)を中心とし、今後は鋭意、本格的にEMDRを中心としたトラウマ治療の勉強会を企画していきたいと思っております。なお、僭越ながら私が本会の代表世話人を務めております。

まだ長崎県では本格的にEMDRを使ってトラウマ治療を行っている医療機関や施設が少ないのが現状ですが、最終的にはトラウマを抱えて困っている患者さんが、長崎県の各地でEMDRを受けられるようになることを目指しております。また、私自身を含め、当院の臨床心理士もさらにEMDRの研鑽を積み、より一層、患者さんのお役に立てるよう励みたいと思っております。


精神科薬物療法研修会

2018年10月02日 | ブログ

9月30日(日)に、日帰りで東京で行われた精神科薬物療法研修会(日本精神科病院協会主催)に参加してきました。皆様ご存知のとおり、前日の29日から台風24号が猛威を奮っていたため、本研修会の参加を一旦は見送ろうかと思っていましたが、思いのほか台風の速度が遅く、30日早朝の時点でまだ鹿児島にも到達していなかったため、長崎空港から30日の午前の便は飛ぶことが分かり、当日AM8:35発の便で上京することに決めました。

というのも、この研修会が結構大事な会で、今年の診療報酬改定にかかわるものだったからです。また、帰りについても、ANAの最終便19:15羽田発を予約していましたが、30日早朝の時点で、同日21時の台風到達地が近畿地方であったため、帰路の羽田便もまず問題なく出発するものと楽観視しておりました。

研修会は14時~16時で終了し、案の定、まだ曇で雨も風もほとんどなかったので、近隣のデパ地下で悠々とお土産を買い、余裕を持って17時過ぎに羽田空港に到着したところ、なんと、電光掲示板のほぼ全ての便が赤文字で「欠航」と書かれているではありませんか。自分の目を疑うとともに一気に血の気がひき、「雨も風もほとんどないのに、なぜ」と思いつつも、航空会社の方針でしょうからどうすることもできず、途方にくれつつも電光掲示板をよーく見てみると、ANAのコードシェア便のソラシドエア18:40羽田発長崎行きが、「長崎空港の天候調査中」ながら欠航ではなく、搭乗の受付をしてしているのを見つけました

結局、羽田第二ターミナルでは夕刻以降のANAの便は全便欠航となっていました。まだ台風の影響がほとんどない状況で、まさかANAが全便欠航するとは夢にも思っていませんでした。

一縷の望みを託して搭乗券発売の窓口に並んだところ、無料で18:40発の便に振り替えてもらうことができました。しかしまだまだホッとはできません。なぜならこの便が条件付きの飛行で、またその条件がなんと「安全に長崎空港に着陸できないと判断される場合には、那覇空港に向かう(!!)」というとてもデンジャラスなものでした。

「もし那覇空港に着いた際には、月曜の朝からの診療には到底間に合わない…」と思いつつも、この日の夕刻に九州方面に羽田空港を出発する便はソラシドエアの長崎行きと大分行き、鹿児島行きの3便のみでした。しかもいずれも条件つき飛行で、おそらく他の便も代替の空港は那覇だろうと推察されました。

翌朝1便で戻ることも検討しましたが、翌朝の1便も飛ぶ保証はないし、どのみち朝9時からの診療には間に合わないため、結局、イチかバチかで18:40発の長崎行きの便に乗ることに決めました。出発前の時点で台風は高知の沖に位置していたので「きっと大丈夫」と思いつつも、離陸1時間後の飛行中には「長崎空港上空の風速は10m。安全に着陸できない場合には那覇空港に向かいます」と機長のアナウンスが流れ、ギエーッと思ってしまいましたが、最終的には無事に長崎に着陸し、やっと安堵できました。そして、翌日月曜の朝からは何事もなかったかのように、朝イチから普通に診療を開始することができました

実は過去に、台風をまたいで特に何の問題なく羽田から長崎に飛行した経験があったため、「今回も大丈夫だろう」と甘くみておりました。未だにソラシドエアの便は普通に羽田を出発し、一方で同時刻のANA便が全便欠航となったのは謎ですが、今後はもう少し慎重に行動しないといけませんね…。