近年、急速にスマートフォン(スマホ)が普及し、今では中学生や高校生でも普通に持っている時代になってしまいました。2016年の内閣府の調査では、スマホの利用率は年齢とともに上がり、小学生では27%、中学生では51.7%、高校生ではなんと94.8%が利用しています。きちんと時間を決めて使用をすれば何の問題もないのですが、残念なことに、睡眠時間を犠牲にして夜遅くまでスマホを利用している生徒が増えてきています。少し古いデータですが、2013年の総務省の調査で、「ネットを利用するために犠牲にされる時間」では、高校生の48.1%が「睡眠時間」と回答しています。
なぜスマホが睡眠の妨げになるのかというと、単純に夜更かしをして睡眠不足になること以外にも、スマホなどの画面が発するブルーライトがメラトニンの分泌の開始を遅らせ、体内時計を狂わせてしまうということがあげられます。その結果として寝つきが悪くなり、朝、起きられなくなってしまうのです。ですので、就寝の少なくとも2時間前にはスマホの使用はやめて、リラックスできる環境を作り、眠りに備えることが大切です。
最近は、「朝起きれなくて、不登校になってしまった」ことを主訴に受診する中学生や高校生が増えていますが、その原因に少なからずスマホ依存が該当します。スマホ依存は深刻で、見かねた親がスマホを取り上げようとすると、叫んだり暴れだす子供もいます。そうなる前に、スマホを使わない時間を作ったり、スマホを使用する時間を決めたり、警告アプリを使用したり、通知機能をオフにしたり、寝室にスマホを持ち込まないようにしたりするなどの工夫をしましょう。
スマホのために不登校になって、それでもスマホをやめられず、人生を棒に振るのはあまりに惜しいです...。ちなみに私の携帯はまだガラケーで、ほとんど携帯に触れない日も結構あります(笑)。昨日なんかは携帯をクリニックに忘れて帰ってしまい、今日の朝まで放ったらかしでした。スマホ依存対策のひとつとして、“ガラケーにもどす”というのもよいかもしれませんね。