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建築を旅する

那珂川町馬頭広重美術館

2007-06-23 03:26:03 | Weblog
那須。
那須に行ったら是非とも行っときたい所は、やはり馬頭。
馬頭広重美術館。
設計は、もちろん隈さん。

石の美術館とロケーションはそんなに変わらないんじゃないかと思われる、古い街並。
ただ、ちょっとだけ山際にあり、すこし高台風で、気持ちいい。

やはり、これも唐突に写真でよく見る風景が現れる。
うーん、渋い。というか、なんだろう、この謙虚な感じ?
なんというか、機能的なというか、装飾が無いというか、なんか、養鶏場?

グレイッシュになってしまっている木がそうさせるのか。

しかし、やはり、そんな訳は無く、近づくとそれは繊細で可憐な構造物であった。
浮世絵の美術館。木と、和紙。風と空気と光が抜けて行く。
浮世絵は世界でもまれな、物理的に儚くも弱々しい芸術作品であるらしい。
たしかに、ごく薄い紙に版を重ねているだけである。

それにしても、ちょっとあっさりしたものだった。
雑誌等で見ていた複雑に光と反射が綾なす空間というよりは、単純な平面に軽い建築。
供え物の様な、ふっと置いただけのような空間。



藤森氏がガラスよりも軽い感じと言ってた木のルーバー。
たしかに、ガラスが重い固まりに見える軽さがある。
皮膚感覚的な軽さというか、弱さというか、脆さというか。
儚い建築ですな。
儚い軽さというのがあるんだなあ。

光が美しい建築であったし、天井からの光が、大谷石の採石場の様に、印象的であった。
やはり好きな建築。

しっかしやりきってますな。

ここもソフト面がいまいち。地元っこも、いいアートショップとか、カフェとか観て勉強しないと。
それにしてもソフトクリームのオブジェ(看板)の存在感がすさまじい!
イケイケの建築物ときっちりタイマンはれてます。














隈研吾氏ホームページより。

『安藤広重の大量の肉筆画・版画を中心とした4300点あまりのコレクションを収蔵・展示するための美術館。』

『美術館は、町のシビックコアを結ぶ「広重街道」をまたいで計画される、81m×27mにわたる大きく単純な切妻型の建築のボリュームである。そのボリュームを徹底して細かい断面のルーバーで構成した。これは、建築をルーバーという細かいスケールに粒子化することで、柔らかく包み込まれながらも外に開かれた公共空間を実現させる試みであり、かつ広重の浮世絵世界に近づく試みでもあった。ルーバーは地元産の八溝杉を遠赤外線燻煙乾燥+不燃防腐処理したものを使用した。ルーバーの断面は30×60mmの断面形状でピッチは120mmとし、建物の各部位(屋根/外壁のフッ素鋼鈑のハゼピッチ、床の芦野石、内壁の手漉き和紙スクリーン等)の基準寸法はルーバーとの取り合いを考慮し全て120の倍数で構成されるように決定した。
広重の作品に見られる、細い線と小さな点による自然の織りなす繊細にして曖昧な表情とその流動を、建物全体に徹底して表現し、建築自体を自然環境の中に浮遊する粒子の雲のようなものにしたいと考えた。』





作品名 那珂川町馬頭広重美術館
期間 1998-2000
所在地 栃木県那須郡那珂川町馬頭
主用途 美術館

敷地面積 5,586.84




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