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建築を旅する

現在のポートレート展

2006-01-27 08:16:57 | Weblog
先日、「日本人若手作家6人の写真展 現在のポートレイト」展に行って来た。
http://www.parthenon.or.jp/events/museum/051121/051121.html

場所は、パルテノン多摩。
多摩センターに行くのもずいぶん久しぶり、しかも目的を持って行くのは初めてかもしれない。
新宿から京王線で約40分。

ちょうど大雪の日に当たって、車窓からの景色は個性的とは言えない住宅街を綺麗に染めており、雪化粧とはよく言ったものである。
まあ、それにしても凄い雪だった。
北海道の雪とは違い、しっとりした牡丹雪。
実家の雪に似ていて、懐かしい気分になった。

パルテノン多摩は非常に厳格な感じでそこにあるのだなあ。
東欧の映画にでも出てきそうな、パルテノンと言うには、意外なほどさっぱりとして機能的な感じ。
象徴性はあるのだけれど、その辺が東欧っぽいところ。

「現在のポートレート展」
実は友人が6人の作家の一人である。
案内をもらっていたので、是非行こう行こうと思いつつ、結局最終日近くなってしまった。
落合佐和子 澤田知子 長島有里枝 藤澤卓也 蔵真墨そして、清真美。

長島有里枝と、澤田知子の名前は知っていた。
特に澤田知子の作品は、写真というか、どちらかと言うとパフォーマンスアートとして。
印象的だったのは、長島有里枝の「Family Portraits」。
家族写真なのかなと思もわせつつも、実は全く知らない赤の他人が親しげに居る。
奇妙でコンセプチャルな写真。
家族とは、他人とは。絆の凄さを再確認する作品であった。

澤田は、自分自身が様々な人々に扮して、自分自身を撮影する。
特徴的なその顔が、着衣と共にまさに百変化する。
立場や社会的な役割で、人間というのは傾向性をもって変化するのだなと興味深く見た。
まあ、単純に面白くもあった。

あとは、皇居に集まる、これまた特徴的な人々を写した藤澤卓也の作品も、皇居が呼び寄せる人物の面白さが出ていた。
やはり、それっぽいというか、戦後のかつての日本人的な人々であり、2005年撮影という事に驚きを感じる。

そして、清さんの作品。
彼女は、ポートレートという事をその人とその人を取り巻く環境といった事を一つの作品として、自分でチョイスし構成する。
コラージュの様に点在しているその人らしさの様な物を汲み上げて行く作業が面白い。
人物とともに、その人の内面が伺えるモノの数々。その人を構成するパーツでもあるのだろう。
そして、出来上がった作品が、どれも幸せを発散していて、彼女のパーソナリティがよく出ているなと思う。

たまたま、清さん本人が来ており、そしてその共通の友人、大学時代の10年以上ぶりにあう建築の友達も来ていた。
久々の邂逅は、一気に時間を縮め、昨日大学で会った様な不思議な感じであった。

最近、展示会づいているが、こういう出会いがあると、足を運んだ甲斐がある。
友人に限らず、作品の後ろ側にある、作者、人に会って行きたいものだ。



動画 仙台メディアテーク

2006-01-17 11:04:58 | Weblog
先日買ったDVD LANDSCAPE OF ARCHITECTURES 4を見た。
取り敢えず、いくつかあるうちの、仙台メディアテーク分。
竣工当時などの雑誌等で散々見て来たメディアテークだけれど、実はまだ行った事がない。
当時、写真の印象は、スケッチや模型の中の揺らぐ様な軽やかな感じとは違い、思ったより重たいイメージで、限界なのかなと思った記憶がある。ただ、構造体を積極的に意匠化していく建築の今の流れの新しいチャレンジであり、流石最先端の建築家だなと感じたように思う。

で、今回初めて動くメディアテークを見た。
このシリーズに限らないが、DVDで建築を撮った映像を見る事はよくあるが、今回は特にその恩恵を感じた。
建築は、静止した状態ではやはり解らない。
行くのが一番であるが、動く事で、またその場所の音を聞く事で、ようやくその建築の全体像が見える。

これは凄いと思ったのは、エレベーター。
渦巻きのように組まれた、白い構造体の筒の中を、縦導線が貫通する。
同時に、光、風、空間も繋がって流れていく。
すごくそれを実感したのが、ガラス張りのスケルトンエレベーター内部から、撮った映像。
一階から、順に階の構成を伝える物だけど、これが凄い。
天井裏という臓物の逃げ場を作らずに、ハニカムで組んだ薄いスラブの構造体が驚きだった。
なんというか、薄い!
エレベーターで上がっていくと、その薄さに驚く。
上下の空間がシームレスに繋がっている印象。
フッと、一瞬スラブの黒い影が横切るのだけど、目線的に上下階を一度に見れる瞬間があり、それが新鮮な驚きであった。
やはり、メディアテークは、見た事無いモノが出来てしまってるんだなと思った。

もう一つは、そのエレベーターの動きを外から捉えた映像。
夜には、既に閉館した階の『暗い層』と、まだ動いている『明るい層』がミルフィーユの様に重なり合っている。
その中を、発光するエレベエーターが上下する様は、夢の様に美しかった。
暗い層を通過する時、スパイラルの構造のシルエットが、天井面に広がり、収縮し、そして消えていく。
オラファーエリアソンの作品の様に、芸術的な影を落としていた。
それは、あたかも厳寒の深海で自らが発光するクラゲのような、生物の吐息のような有機性を帯びていた。

やはり、建築は動いてみるに限る。

今月末まで、メディアテークのホームページで定禅寺通りからのライブカメラの映像もある。
夜には、その感じが見れるかも。まあ、行くのが一番だけど。

http://www.smt.city.sendai.jp/

オラファーエリアソン影の光

2006-01-15 01:40:11 | Weblog
オラファーエリアソン影の光展へ行く。
久しぶりの原美術館。
今日は、雨。
初めて雨の原美術館を訪れた。
外からしっとりとした、洋館の姿はなんとも美しい。

こんな寒い雨の日だから、さぞガラガラかなと思ったら、めちゃ混みだった。
なんだ?どういう事?土曜だし?
やはりオラファーエリアソンってそんなに人気?
(帰って調べたら、Casa BRUTUSで紹介されてたみたい。どうりでいかにもそんな感じの若人が多かった。)

オラファーエリアソンを知ったのは、テート美術館での展示「The weather project」の紹介記事を見たから。
タービンホールのでっかい空間に太陽が昇った様な作品が強烈だった。
あとは、金沢21世紀美術館にあるイガイガの感じのカレイドスコープの作品。

霧や、光など、自然現象を利用した装置を作って、シンプルかつ深淵な情景を作るインスタレーション作家。
自分自身、90年代初頭のインスタレーションが大好きだったので、非常に共感した。
実際、彼もその時代からずっと続けている様であった。

原美術館のスケールの為に設えているのだろうが、本人も言っている様に、とても良いスケールの展示であった。

一番良かったのは、ピンポイントの光の中にアクリルリングがくるくる回る作品。
日食や、月食の様な、感動的に綺麗な澄んだ光が広がり、また、収束して消えていく。
シンプルだけれど、無限の宇宙の様な、生命の鼓動というか、輪廻の様な物まで感じるほど、強い印象を持った作品だった。

あとは、霧に虹がかかる作品。

やはり、自然の美しさにかなうもの無しと言った所。
とても気持ちよい展示だった。
2月上旬までやってるから、晴れ日にもう一回ゆっくり行きたい。
めちゃ混みは勘弁。



図録買う。







http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html

ようやっと

2006-01-13 09:23:44 | Weblog
ミニのセブン、パークレーン、チェックメイトが日本でもようやく発売されるみたいだ。
ホームページを見ると、金額などものっている。
納期ってどのくらいだろう。
実物をじっくり見たい。
チェックメイトのスペースブルーで、内装がパークレーンで、チェッカー柄無しってできないかなあ。

http://www.mini.jp/mini.html?jsessionid=3191087188371870

岡本太郎の写真展

2006-01-12 10:41:37 | Weblog
恵比寿の東京都写真美術館でやっている「写真展・岡本太郎の視線」を観て来た。
岡本太郎。
最近だと万博の太陽の塔の内覧会などでも話題で、あれは見逃したのが悔しいところ。

岡本太郎の写真はちゃんと初めて観た。
1930年代!にパリに居た頃に、結構写真家との交流をしていたらしい。
ロバートキャパとか、ブラッサイやマン・レイなんかとも懇意にしていたのは驚き。
しかも、ブラッサイの引き延ばし機をもらって自分でも結構執心だった。

マン・レイの作品なども展示されていたけど、今観ると、衝撃は当時如何ばかりかと思うほどの斬新さ。
マン・レイはなんなく60年代とか、最近の人のイメージがあったけど、半世紀以上前からあの独自の作風が確立されていた。
写真が当時広がりを見せた一つの要因は、いわゆる絵画が売れなくなってしまい、芸術家が写真に流れたというのもあるみたい。
キャパなんかは、一枚の写真から一気に高名になり、いわば博打的にも魅力的だったんだろう。

ともかく、岡本太郎の作品は、やはり力強かった。
コントラストの強い、見たままの感動を伝えたかったという作品。
ぐんぐん引きつけられる感覚は、他の岡本太郎の作品と共通するキャッチーさ。
すごく刺激になる。

地方を巡り、当時の世相や祭りなど、一般の人達のスナップがとても魅力的であった。『1950年代のグラビア紀行「藝術風土記」』
沖縄のおばあとか、哲学者の様な表情の荷運びの男性とか、日本も良い時代があったんだなとも思う。

同時開催の日本の子供の60年も生き生きとしていた。
黄金の日本、カンバック!

http://www.syabi.com/schedule/details/okamoto.html