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建築を旅する

京都 二条城

2006-09-05 08:05:14 | Weblog
久しぶりに京都に帰ってきた。
先日入籍をしたので、家内をつれて京都見物兼、遅ればせの披露宴会場探し。
で、観光しようってことになったけど、随分観て回っているので、もう行くとこも無いなと思っていたらありました。
二条城。
人生で一度も見た事なかった。これは、自分でも驚き。
いつも二条駅も、二条城の前も通るのに、行こうって思った事無かった。

天気は快晴。お堀が照り返しでギラギラしていたけれど、日陰に入ると涼し。
やはり京都では異質な勇壮な石組み。
いわゆる城然とした外回り、エントランス空間。
しかし、一歩入るとやはり京都らしいというか、寺院的な雰囲気の有名な二の丸御殿。
豪華な装飾、有機的にうねる桧皮葺の屋根。門扉の屋根といい、まさに日本藝術の粋であるなと感服。
二の丸御殿のエントランスは牛車が入れるように4畳半あるらしい。
まあ、牛車ってそれくらいなのね。
中に入ると、もうそれはそれは絢爛豪華で力強い狩野一派の世界。
予備知識があった松の絵が描かれた大広間の一の間、ニの間も、ディテールを含めたみっちりと作り込まれた世界観に眼を奪われる。そして慶喜が大政奉還を発表した場所っていう、歴史的な場所を体験する興奮。またしても京都凄いな。
こういう、武家的なゴージャスさというか、勢いというか、壁からはみ出そうな松などを見ていると、繊細と思われがちな日本人のもうひとつの面がリアルに感じられる。
実際に狩野探幽の松はあまりに大きく、迫力がある。探幽は狩野派の中でも中興の祖と言われるような天才であったのだけれど、将軍に好まれた訳が判った。人間性が突き抜けてでかかったんだろうなと思えるダイナミックな筆致があった。
いやあ、これほどまとまって襖絵を見た事が無く、やはり武家は凄いなと、お腹一杯になった。
虎虎虎虎!松松松松!って感じ。
かなり過剰だなあと思える趣味の偏りが、武人の男らしい性質が出てて、清々しく気持ちよかった。

全体的に城っぽさより、武人ぽさみたいな、人間の匂いがプンプンする二条城であった。
まあ、城というより、元離宮ってことだし、天守閣も落雷で焼失しているからな。

非常にいい体験でした。また見たいよ。


二の丸御殿 唐門。切妻造、桧皮葺が美し。彫刻も非常に精緻で完璧。


二の丸御殿 車寄せより全景。国宝に勇姿。


東橋より城内の門、石垣など。


本丸御殿(五層の天守が焼失した後、旧桂宮邸の御殿を、明治26年から27年にかけて本丸内に移築したものらしい)



松が生い茂る庭園全景。立ってる場所は元、天守閣があった石垣の上。