学生時代は結構ランドスケープアートを志した時期があった。
いわゆるアースワークと言われるような70年代初頭に世界中に広がったアートの分野。
クリストが日本でアンブレラプロジェクトを行った91年、ちょうど大学一年生で、学校にクリストが来て講演をしてくれたりして、急速にその興味が深まった。
イサムノグチの大回顧展もその頃あったのも大きくて、初めてイサムの庭を知り、草月に憧れた時期もこの頃。
はあ、思い出すだにトキめく時代だったなあ。
91年は荒川修作の回顧展もあって、これまた凄かった。天井からゴムの幕がデローーーンと落ちてたりして。
荒川修作も学校で何度か講演会してくれた(といっても、小さい教室でこじんまりと)ので、受講してた。
途中まではものすごくいい事を言うし、「わかるわかる!その通り!」ってなるんだけど、最後の結論が難解というか、訳の分からない不条理なものであった。
だって、「結局トイレまで苦労して何時間もかかる身体性が重要で云々…」ってなるのがね、本当に意味をなすのか。
アーティストのエゴイスティックな面が前面に出過ぎている感じが共感できなかったな。
作品は非常に面白いものだったけど。
ともかく、90年代初頭は日本でアートが熱い時期であった。特に、空間を使ったアート、映像などもちらほら出て来て、インスタレーションが盛んであった。
時代はさかのぼるけど、その頃執心だったヨーゼフボイスとか、いまだに胸きゅんですよ。
で、アースワーク。
自分が知って学んだのは90年代初頭であったけれど、70年代の彼らに共鳴して、建築(ポストモダンとかバブリーな建築業界自体とか)が当時大嫌いだった自分の突破口を開いてくれた。庭に興味を持ったのもアースワークがあったからだなと思う。
何が言いたいかというと、その当時のそんな自分にど真ん中直球な書籍が鹿島出版から出た。
ある意味自分の原点の本ですんで紹介したいなと。
その名も『アースワークの地平』
これは、凄くて、大好きなデビッドナッシュ、リチャードロング、イサム、タレル、ワルターデマリア!
表紙はワルターデマリアの「稲妻の平原」
はあ、これに尽きる。
是非一読されたし。ありそうで、無い本です。写真見るだけでも感動する。
稲妻の平原、本物みたいなああああ。