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建築を旅する

手仕事フォーラムと松浦弥太郎氏

2011-11-18 14:14:00 | Weblog
つづき

手仕事フォーラムの第二部は久野氏と『暮しの手帖』編集長の松浦弥太郎氏と語る「~ 手仕事のこれから 暮らしのこれから~ 」。



松浦弥太郎さんはCOWBOOKSを作った人ってほうがわかるかもしれない。
かみさんが松浦さんが好きらしく、結構本をもっていた。
最近の暮しの手帳が面白いのは、この人がいるから。

とにかく松浦さんの話は広がりが在り、目のつけどころが鋭いなあとおもった。
特殊な経歴の持ち主で、高校を中退しアメリカへ。

アメリカでは廃品を集めて露天商をしていた時期が在り、そのきっかけは、一冊の本をひろったことらしい。
上等そうなその本を試しに古本屋に持ち込んだら、貴重な本だったらしく高額で引き取ってくれた。
それで、本を拾っては持ち込んでいたけれど、あるとき自分で売る方が儲かることにきづいて露天商を始めたそうだ。

露天商をやる中で、人はどの品を手にとり、買い上げて行くのか、とても勉強になったと。
一つの結論として、『手づくりのもの』は人気とのことだった。
どんなにチープな感じのものでも皆興味を示して、時には買って行くらしい。

『手仕事のものは暮らしを変える事が出来る、暮らしを美しくする』というシルタでの久野さんの言葉に感銘を受けて、久野さんに暮しの手帖の連載をお願いしたのが関係の始まりらしい。

松浦さんの話
『自分が気に入ったもの、湯のみとかが、暮らしを変える事がある。
ものをよく見る。この湯のみに合った自分の暮らしとな何だろう? と考えること。』

『暮しの手帖が昔一番人気のあった頃、なぜ人気だったのか?それは ”変” だったから。』
『とにかく一生懸命、一生懸命、ぶざまでかっこうわるいけれど、伝わるものがある。』

などなど、面白い話が様々あったけれど、それは、USTREAMでも見れます。


色々勉強になった手仕事フォーラムでした。


結局もやい工芸に行けなかったので、今度時間つくって行ってみよう。


鎌倉と手仕事フォーラム

2011-11-15 13:52:51 | Weblog
月曜日、平日ではあるけれども、鎌倉へ行った。

知人から誘われた、『手仕事フォーラム』に参加するためである。

『手仕事フォーラム』とは、現在の民藝運動とも言えるもので、聞いているとやはり柳宗悦の系譜に繋がるもののようだ。
柳氏などが中心となった民藝運動の火を継ぐ希望の星という存在みたい。

その中心者が、代表の久野恵一氏である。
武蔵野美術大学出身。
鎌倉で、もやい工藝という工芸品の販売店を営んでいる。
今年で40周年を迎えるそうだ。

70年代から、全国各地の窯元や職人の元へ赴き、直接買い付け、また、制作指導も行っているらしい。
制作指導というと、古くは古田織部なんかを思い出すけれど、柳氏なども行っており、職人さんも良い刺激となるみたいだ。
久野氏としては、その土地の伝統的な技法などを残し、その中から現在に広く受け入れられるものを作りたいんだろう。


手仕事フォーラムとは、『本物の手仕事を守り育て、手仕事の品をとり入れた生活の素晴らしさを社会の人々に知っていただく』ための運動の母体としてあるそうだ。


今回は、そのフォーラムが10周年を迎えるにあたっての記念講演として開催される。



場所は、鎌倉駅にほど近い商工会議所のホール。なかなか感じのいい会場。

会場にはこれまで久野氏が付き合いがあり、また民藝運動の時代から注目されてきた窯元や職人さんが一同に会する貴重な機会となった。

ともかく、職人さんは、本当に職人さんで、なんというかむき出しの個性が素敵であった。
皆さん、魅力的でエネルギッシュで、その道のプロフェッショナルであり、人も含めて作品があることがあらためてわかる感じだった。
いつも思うけれど、いい職人さんは本当に格好いい。
ひとつひとつ自分の魂を込めて、手を動かし、確実に技術と知恵を積み上げて行ける世界が職人の世界であり、美しい。
一足飛びに何もかもを求めては、不安にさまようような現代に必要なことを気づかせてくれる。

確実に、ひとつひとつ、手間と時間をかける。
丁寧に、愛情を込める。

こういうことが、魅力的な人を作って行くのかもしれない。


話のなかで印象的なのは、みんななんだかんだ言って久野さんを必要としていること。
久野氏が居ることで、職人さんは仕事に専念できると。
良いものをつくれば、評価され、世の中につながれる。その関係をつなぐのが久野氏。



椅子もよくみるといい感じ。


つづく