みすず書房より出版された
『ペーター・ツムトア 建築を考える』
ペーター・ツムトアときたか。
ツムトア。
別に日本語の発音はそれでもいいかもしれないけど、あえて流布している読み方を無視するあたり、みすず書房的だなあ。
購入し、仕事机に置いて、ちょっとづつ読み出した。
今朝のJ waveを聞いていると、宮崎駿の言葉があった。
『才能とは、情熱を持続させる能力のこと』
なるほど、そう実感する。
情熱が無くなった時、物づくりは単なる作業になってしまうだろう。
人の心をとらえ、動かす事はできないだろうし、もう一歩踏み込んで創作することは、止めてしまうだろうな。
たまらない喜びや楽しみが人を突き動かすんだろう。
その、ものづくり、設計や情熱について、ズントー、いやツムトアはこう書いている。
『肝要なのは、洞察、理解、そしてなによりも真実』
『設計のプロセスは、理性と感性の絶えざる相互作用にもとづいている。感情や嗜好、憧れや欲望など、浮かびあがっては形を取ろうとするそれらのものは、批判的な理性によって吟味されなければならない。抽象的な思量が本当に正しいかは、感性が教えてくれる。』
『設計するとは、大筋においては理解することであり、秩序立てることである。しかし、求めている建築の本当の核のところにあるものは、情動と直感から生まれてくる、とわたしは思う。』
『ひらめきの稀有な瞬間は、辛抱づよく作品に向きあっているときにやってくる。』
『脳裡に忽然として現れるイメージ、描画の上の一本の新しい線によって、設計中の建物が一瞬にして変貌し、新しい形を取る。摩訶不思議な麻薬がいきなり効きだしたような感覚。造るべき作品についていましがたまで自分が知っていた一切が、明るい新しい光のもとに現れる。歓喜と情熱が湧きあがる。そして、私の中で、なにかが「この家を私は建てたい!」と言っているような気がするのだ。』
すてき
ああ、この人はやはりアーティストだなと思った。
物づくりの人間は、こうでないと。
脳内麻薬。
やむにやまれぬ情熱。
ズントーの言葉は、一言一句、噛み締められる文章だと思った。
まだ、途中だけど、これは、座右の書になるだろう。
ズントー様に最敬礼。