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monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

雲雀(ひばり)

2010年03月21日 | 日本古典文学-和歌-春

片岡のかすみも深き木(こ)がくれに朝日まつ間のひばり鳴くなり(六百番歌合)

朝まだきあがるひばりの声の色も霞にこもる野べのはるけさ(天正五年親王家五十首)

はるばると飛火(とぶひ)が原を見わたせば霞とともにひばり立つなり(夫木抄)

ひばりあがる春の野沢のあさみどり空に色濃きむらがすみかな(夫木抄)

なにとなき草の花さく野べの春くもにひばりの声ものどけき(風雅和歌集)

春ふかき野べのかすみのした風に吹かれてあがる夕ひばりかな(六百番歌合)

うらうらに照れる春日(はるひ)にひばりあがり心かなしもひとりし思へば(万葉集)


呼子鳥(よぶこどり)

2010年03月21日 | 日本古典文学-和歌-春

呼子鳥なく音(ね)ぞいとどあはれなるははその森の暮れがたの空(夫木抄)

朝露にしとどにぬれて呼子どり神奈備山に鳴きわたるなり(夫木抄)

思ふこと千枝(ちえ)にやしげきよぶこ鳥しのだの杜(もり)のかたに鳴くなり(千載和歌集)

友もなき雲ゐの山におのれのみうはの空にもよぶこどりかな(夫木抄)

人もなき深山(みやま)の奥の呼子鳥いくこゑ鳴かばたれかこたへむ(風雅和歌集)

聞く人もなき奥山のよぶこどりかひなき音(ね)をぞ我もなきつる(久安百首)

山彦もこたへぬ山のよぶこどり我ひとりのみなきやわたらむ(拾遺和歌集)

つれづれと春の夕暮れながめやるをりにしも鳴く呼子どりかな(堀河百首)

夜をのこす寝覚めにたれをよぶこどり人もこたへぬしののめの空(夫木抄)

あたら夜のあはれを知るやよぶこどり月と花とのありあけの空(玉葉和歌集)

鳴けや鳴けしのぶの森のよぶこ鳥つひにとまらむ春ならずとも(新続古今和歌集)