片岡のかすみも深き木(こ)がくれに朝日まつ間のひばり鳴くなり(六百番歌合)
朝まだきあがるひばりの声の色も霞にこもる野べのはるけさ(天正五年親王家五十首)
はるばると飛火(とぶひ)が原を見わたせば霞とともにひばり立つなり(夫木抄)
ひばりあがる春の野沢のあさみどり空に色濃きむらがすみかな(夫木抄)
なにとなき草の花さく野べの春くもにひばりの声ものどけき(風雅和歌集)
春ふかき野べのかすみのした風に吹かれてあがる夕ひばりかな(六百番歌合)
うらうらに照れる春日(はるひ)にひばりあがり心かなしもひとりし思へば(万葉集)