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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

山姫、遠山姫

2025年02月20日 | 日本古典文学-人事

かすみゆく-とほやまひめや-そめつらむ-おなしみとりの-ゆきのしたくさ
(洞院摂政家百首_教実~日文研HPより)

山姫の袖のかすみの八重かさねさくらたちそへて二月の空
(前摂政家歌合~「続群書類従15上」)

雲のゐるとほ山姫の花かつら霞をかけてふくあらしかな
(内裏百番歌合_建保四年閏六月九日~日文研HPより)

 

やまひめの-もみちのいろを-そめかけて-にしきとみする-ころもてのもり
(文治二年歌合~日文研HPより)

あきもいまた-とほやまひめの-たかねより-なにゆゑさらす-ぬのひきのたき
(夫木和歌抄_為家~日文研HPより)


仁王会(にんわうゑ)

2024年02月23日 | 日本古典文学-人事

季仁王会と呼ばれるもの:毎年春(2月か3月)と秋(8月か9月)に実施された。

(寛弘二年二月)二十五日、癸卯。
(略)仁王会が行なわれた。内裏から大極殿に着して、午剋に仁王会を始めた。申剋に内裏に参って、内裏の行香(ぎょうごう)を奉仕した。あらかじめ諸司に命じて、大極殿の東西の軒廊(こんろう)に床子(しょうじ)を立てさせて、僧が集会する際の座とした。前師藤原朝臣(藤原伊周)の座次を、大臣の下、大納言の上に列するということを、外記(惟宗)行利に命じて宣旨を下させた。
(御堂関白記〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)

(治承四年七月)十六日。天晴る。炎旱、旬に渉る。法勝寺如説仁王会に参ず。(略)
(『訓読明月記』今川文雄訳、河出書房新社)

 


友船・共船・伴船(ともぶね)

2022年07月16日 | 日本古典文学-人事

みなとかは-ほのかにしらむ-かすみより-こゑのみいつる-あまのともふね
(建仁元年十首和歌~日文研HPより)

春霞飾磨の海をこめつればおぼつかなしや海人の友舟
(堀河院百首和歌~「和歌文学大系15」)

なにはかた-なみもかすみも-ひとつにて-そらにきえゆく-おきのともふね 
(延文百首_経教~日文研HPより)

建保名所百首歌に 前中納言定家 
もしほ火の/明石の沖の/友舟も/行かたゝとる/秋の夕きり 
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

あかつきの-うらのともふね-こきわかれ-きりにやたとる-しかのあまひと 
(三十番歌合_頓阿判~日文研HPより)

さのみやは-まちわたるへき-ともふねの-やすらふほとに-いつるつきかな 
(為忠家後度百首_親隆~日文研HPより)

 渡月 寂能 
淀河のよとまぬ月の渡し守わたるせはやきあまの友舟
(宝治百首~日文研HPより)

 平高業
後れじと人も旅にや出でぬらん
波のよるゆく月の友舟
(菟玖波集~バージニア大学HPより)

みなと川苫(とま)に雪葺(ふ)く友舟はむやひつゝこそ夜(よ)をあかしけれ
(山家集~「西行全歌集」岩波文庫)

 舟中雪
あるる日の湊入りくる友舟はかす限なき雪のとまふき
(草根集~日文研HPより)

ふりまかふ-ゆきをへたてて-いてつれと-くもまにきゆる-あまのともふね
(拾遺愚草~日文研HPより)

平宗宣朝臣すゝめ侍ける住吉社卅首歌に、海路 前大納言為世 
今朝はみな/真帆にそかくる/追風の/吹一かたに/出るとも舟 
(続千載和歌集~~国文学研究資料館HPより)

うなはらやなきたる浪のうへとほみあまたこきゆくおきのとも舟
(三十番歌合_伝後伏見院筆~日文研HPより)

なみこしに-やへのしほちを-みわたせは-あまのともふね-かすそきえゆく 
(広田社歌合~日文研HPより)

あけぬれは-おきのともふね-さをさして-こころこころに-こきかへるなり
(二十番歌合_乾元二年~延慶元年~日文研HPより)

ともふねを-おのかいへちに-よひわひて-くれゆくいその-あまのもしほひ
(院当座歌合_正治二年十月一日~日文研HPより)

次の日のまた朝、蜑共船に乗つれ、遥はるかの沖に出て見れば、(略)
(源平盛衰記・北条上洛尋平孫附髑髏尼御前事~バージニア大学HPより)


割れ舟・破れ舟、片割舟(かたわれぶね)

2022年07月14日 | 日本古典文学-人事

つかさめしにもりてなけき侍ける比、女のもとにつかはしける 中納言基長
われ舟の/しつみぬる身の/かなしきは/渚によする/浪さへそなき
(後拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

つきもせぬ-なみたのかはの-われふねの-あふせなきさに-くちやはてなむ
(夫木和歌抄~日文研HPより)

寄船恋 院御製
浦かくれ/入江にすつる/われ舟の/われそくたけて/人は恋しき
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

堀川院御時、百首歌奉りける時、述懐の歌によみてたてまつりける 源俊頼朝臣
もかみ河/瀬ゝの岩かと/わきかへり/思ふこゝろは/おほかれと/(略)/なきさなる/かたはれ舟の/うつもれて/ひく人もなき/なけきすと/浪のたちゐに/あふけとも/(略)
(千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

たのむxき-そのことのはも-なきさなる-かたわれふねの-われそこかるる
(文保百首_経継~日文研HPより)


捨て舟、捨て小舟(をぶね)

2022年07月13日 | 日本古典文学-人事

わたつうみの涙のあわとうく袖やよるべもしらぬ海人の捨舟
(内裏百番歌合_建保四年~「新編国歌大観5」)

よるへなき-ひとのこころの-あらいそに-おもひくたくる-あまのすてふね
(延文百首_尊胤~日文研HPより)

こひすてふ-わかみはあまの-すてふねよ-うきぬしつみぬ-ものおもふころ
(沙玉集~日文研HPより)

にこりえの-こひちにわれは-しつみつつ-こきすてられし-あまのすてふね
(安嘉門院四条五百首_阿仏~日文研HPより)

 寄舟恋
いつまてとたか捨舟の浅き江に朽ちぬうらみを猶残すらん
(草根集~日文研HPより)

あふことは-なきさによする-すてふねの-うらみなからに-くちやはてなむ
(延文百首_公清~日文研HPより)

ふるかはに-かたふきをれる-すてふねの-うかふかたなく-くちやはてなむ
(新撰和歌六帖_信実~日文研HPより)

宝治二年百首歌に、浦船 常盤井入道前太政大臣
さそはるゝ/波のゆきゝに/年もへぬ/あまのなかせる/浦の捨舟
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

いかにせむ-かせしくなみの-しまかくれ-よにすてふねの-よるへなきみは
(文保百首_覚助~日文研HPより)

うきみよに-たちこそめくれ-すてふねの-ひくひともなしと-なにうらみけむ
(白河殿七百首~日文研HPより)

題しらす藤原頼景
夕塩の/さすにまかせて/湊江の/あしまにうかふ/あまのすて舟
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

(たいしらす) 津守国夏
みこもりの/古江の浪に/朽はてゝ/しほたにさゝぬ/あまの捨舟
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

 月前舟
浦ち行く月をのせしは昔にてわれて洲にゐる浜の捨舟
(草根集~日文研HPより)

 救濟法師
ふりぬるやかたに秋もしられず
主もなき浦の捨舟月のせて
(菟玖波集~バージニア大学HPより)

今は心もみたれ髪のいふにもあまる恋草はつむともつきぬ七車の又めくりあふ事もやといたらぬくまもなくまとひありきてもとむれとひとりこかるゝすて舟のさほさしていつことをしゆるよすかもなけれはむなしく立かへりけるか
(鳥部山物語~バージニア大学HPより)

まほならぬ-あしまかくれの-すてをふね-こかれわふとも-ひとはしらしな
(沙玉集~日文研HPより)

うき世を物にたとふれば、岸の額(ひたひ)の根無草(ねなしぐさ)、入江の水に捨て小舟(をぶね)、波にひかれて行方(ゆくゑ)なく、(略)
(横笛草紙~岩波文庫「御伽草子・下」)

大納言殿泪を押へて宣けるは、「我身かく引人もなき捨小舟の如く、深罪に沈みぬるに付ても、たゞならぬ御事とやらん承りしかば、(略)
(太平記・十三「北山殿謀叛事」~WIKISOURCEより)