monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

さいたづま

2010年03月23日 | 日本古典文学-和歌-春

さいたづままだうら若きみ吉野の霞がくれにきぎす鳴くなり(忠度集)

野べ見ればやよひの月のはつかまでまだうら若きさいたづまかな(後拾遺和歌集)

春日野にまだうら若きさいたづま妻こもるともいふ人やなき(玉葉和歌集)

野べごとにいつしげるらむさいたづま朝ふす鹿の隠(かく)らなるまで(山家五番歌合)

うらわかき弥生の野べのさいたづま春は末ばになりにけるかな(六百番歌合)

(「さいたづま」=虎杖イタドリ のこととされるが、春の若草の総称という説も。)