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monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

霞の底

2025年02月12日 | 日本古典文学-天象

みよしのは-またはるさむし-ひかけさす-かすみのそこの-ゆきのむらきえ
(文保百首_道順~日文研HPより)

やへうつむ-かすみのそこの-しはのいほに-たにのうくひす-こゑかよふなり
(若宮社歌合_建久二年三月三日~日文研HPより)

やへふかき-かすみのそこの-うくひすは-こゑはかりこそ-たにをいてけれ
(御室五十首_守覚~日文研HPより)

なにことを-はるのひくらし-おもふらむ-かすみのそこに-むせふうくひす
(清輔集~日文研HPより)

ふきおろす春のあらしやさむからんかすみのそこによぶこどりかな
(28・為忠家初度百首、春・谷中喚子鳥・93)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、264ページ

ひとむらの-かすみのそこに-にほひゆく-うめのこすゑの-はなになるころ
(風雅集~日文研HPより)

あしひきの-やまへのさくら-さきぬらし-かすみのそこに-にほふしらくも
(歌合_永仁五年~日文研HPより)

はなはみな-かすみのそこに-うつろひて-くもにいろつく-をはつせのやま
(秋篠月清集_良経~日文研HPより)

かねのおとは-かすみのそこに-あけやらて-かせほのかなる-はるのよのつき
(新後撰集_為家~日文研HPより)

あさまたき-かものかはせを-みわたせは-かすみのそこに-うつもれにけり
(別雷社歌合_治承二年三月十五日~日文研HPより)

やまのはも-ともににほひて-はるのつき-かすみのそこに-かけそいさよふ
(新後拾遺集~日文研HPより)

くれてゆく-はるののこりを-なかむれは-かすみのそこに-ありあけのつき
(玉葉集_式子内親王~日文研HPより)


霞の立所/立処(たちど・たちどころ)

2025年02月10日 | 日本古典文学-天象

みよしのは-はるのかすみの-たちとにて-きえぬにきゆる-みねのしらゆき
(洞院摂政家百首_定家~日文研HPより)

閑中春朝
風さゆる春の霞のたちとたに猶さためなきよもの浮雲
かせさゆる-はるのかすみの-たちとたに-なほさためなき-よものうきくも
(草根集~日文研HPより)

あはれけに-なにはいりえの-あけほのは-はるのかすみの-たちところかな
(亀山殿七百首~日文研HPより)


霞の袖、霞の真袖

2024年01月30日 | 日本古典文学-天象

はるまちて-かすみのそてに-かさねよと-しものころもの-おきてこそゆけ
(金槐集_実朝~日文研HPより)

はるきても-かすみのまそて-なほうすみ-さむさかはらぬ-やまあらしかな
(白河殿七百首~日文研HPより)

さほひめの-ころもはるかせ-なほさえて-かすみのそてに-あはゆきそふる
(続後撰集_嘉陽門院越前~日文研HPより)

はるのきる-かすみのそては-つつめとも-おのれたまらぬ-のへのあはゆき
(洞院摂政家百首_成実~日文研HPより)

ぬきをうすみ-ふるとはすれと-さほひめの-かすみのそては-ゆきもたまらす
(嘉元百首_宗寂~日文研HPより)

さほひめの-かすみのまそて-ふりはへて-はるたつのへに-ゆきやけぬらむ
(為家千首~日文研HPより)

さほひめの-かすみのそては-あをやきの-いともておれる-ころもなるらし
(新拾遺集_公雄~日文研HPより)

さほひめの-かすみのそても-たれゆゑに-おほろにやとる-はるのつきかけ
(続古今集_家隆~日文研HPより)

さくらはな-さきみちにける-うれしさを-かすみのそてに-つつみつるかな
(文治六年女御入内和歌~日文研HPより)

春の山に霞の袖をかたしきていくかに成ぬ花の下ふし
(拾玉集)

花霞
さほ姫の霞のま袖ふりはへてあかすやたてる花の木の本
(草根集~日文研HPより)

さほひめの-かすみのそての-はなのかも-なこりはつきぬ-はるのくれかな
(秋篠月清集_良経~日文研HPより)

おほそらに-かすみのそては-おほへとも-なほはるかせに-はなはちりけり
(壬二集_家隆~日文研HPより)

ゆくはるの-かすみのそてを-ひきとめて-しをるはかりや-うらみかけまし
(久安百首_俊成~日文研HPより)

のこりなき-はるもなこりや-したふらむ-おのかかすみの-そてのわかれに
(嘉元百首_尚侍~日文研HPより)

たちなれし-かすみのそても-なみこえて-くれゆくはるの-すゑのまつやま
(建保名所百首_俊成女~日文研HPより)

くれなゐに-かすみのそても-なりにけり-はるのわかれの-くれかたのそら
(夫木和歌抄_慈円~日文研HPより)


群霞・叢霞・村霞(むらがすみ)

2024年01月08日 | 日本古典文学-天象

はるのきて-あけゆくやまの-むらかすみ-おほろにのこる-よこくものつき
(後鳥羽院御集~日文研HPより)

眺めつるよもの木末のむら霞ひとつに成ぬ春雨のくも
かつらきやくめ路の谷のむら霞とたえは橋に限らさりけり
(正治二年院御百首~続群書類従14下)

ひはりあかる-はるののさはの-あさみとり-そらにいろこき-むらかすみかな 
(夫木和歌抄_慈円~日文研HPより)

霞中雁
くもれとも空たちのこす村霞あらはれ消えて雁そ行くなる
(草根集~日文研HPより)


八重霞(やへがすみ)

2024年01月07日 | 日本古典文学-天象

やへかすみ-やそしまかけて-たちにけり-ちよのはしめの-はるのあけほの
(夫木和歌抄_俊成~日文研HPより)

春のこしあしたのはらのやへがすみひをかさねてぞたちまさりける
(長久二年二月十二日_弘徽殿女御生子歌合~「平安朝歌合大成2」)

八重霞たなびく空をはるといふは月すむよ半の名にこそ有けれ
(三井寺山家歌合~「平安朝歌合大成4」)

くもるとも-わきてはみえぬ-やへかすみ-ふかきそらより-はるさめそふる
(延文百首_道嗣~日文研HPより)

峯帰雁
かへるさの越路のみねの八重霞いかてたとらて雁の行らん
(耕雲千首~「続群書類従14上」)

やへかすみ-さやのなかやま-たちこめて-をちこちひとや-みちたとるらむ
(別雷社歌合_治承二年三月十五日~日文研HPより)

うらつたふ-ころものせきの-なみのうへに-たちかさねたる-やへかすみかな
(為忠家初度百首_為忠~日文研HPより)

更衣
八重霞山も七重をぬき捨ててうすき衣になる朝かな
(草根集~日文研HPより)