monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

藤袴(ふぢばかま)

2010年07月14日 | 日本古典文学-和歌-秋

ぬし知らぬ香(か)こそにほへれ秋の野にたがぬぎかけし藤袴ぞも(古今和歌集)

何人(なにびと)か来てぬぎかけしふじばかま来る秋ごとに野べをにほはす(古今和歌集)

わが恋ふる人もきてみぬ藤袴なにとて露の染めておくらむ(西宮歌合)

やどりせし人のかたみか藤袴わすられがたき香(か)ににほひつつ(古今和歌集)

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朝顔(あさがほ)

2010年07月13日 | 日本古典文学-和歌-秋

秋くれば霧のまがきにたちかくれほのかに見ゆる朝顔の花(堀河百首)

たちまよふ霧のまがきにむすぼほれまだ露ほさぬあさがほの花(現存和歌六帖)

きみ来(こ)ずはたれにか見せむ我がやどのかきねに咲けるあさがほの花(拾遺和歌集)

あだにのみ見つつぞ過ぐる軒ちかきまがきに咲ける朝顔の花(堀河百首)

おきて見むと思ひしほどに枯れにけり露よりけなる朝顔の花(新古今和歌集)

朝がほの日かげ待つまに咲きたちて風に散りぬるつゆのはかなさ(御室五十首)

世の中をなににたとへむ夕露も待たで消えぬるあさがほの花(順集)

世の中のはかなきうちにはかなきは暮れをも待たぬあさがほの花(堀河百首)

ありとてもたのむべきかは世の中を知らするものはあさがほの花(後拾遺和歌集)

消えぬまの身をも知る知るあさがほの露とあらそふ世をなげくかな(玉葉和歌集)

朝がほのあしたの花の露よりもあはれはかなき世にもふるかな(続古今和歌集)

朝顔をなにはかなしと思ひけむ人をも花はさこそ見るらめ(拾遺和歌集)

朝顔をはかなきものといひおきてそれに先だつ人はなになる(拾玉集)
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春日野の野べのあさがほおもかげに見えつつ妹(いも)は忘れかねつも(古今和歌六帖)

垣ほなる君が朝顔見てしがなかへりてのちはものや思ふと(大和物語)

人しれずこひはしぬともいちしろく色にはいでじ朝顔の花(古今和歌六帖)

しののめを契りて咲ける朝顔にたがかへるさのなみだ置くらむ(続古今和歌集)

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秋風

2010年07月12日 | 日本古典文学-和歌-秋

手もたゆくならす扇のおきどころ忘るばかりに秋風ぞ吹く(相模集)

うつりゆく日かずならでも知られけり秋とおぼゆる風のけしきは(嘉元百首)

ささがにの手引きの糸もたゆむらむ草の露ふく秋の夕かぜ(内裏百番歌合)

秋の来てかぜ吹きたらばささがにのくものすがきの荒れまくも惜し(宝治百首)

穂にいでてなびく尾花のかたよりにゆくかたしるき野べの秋風(嘉元百首)

庭の面にゆふべの風は吹きみちてたかきすすきの末ぞみだるる(風雅和歌集)

いとどしくなぐさめがたき夕暮れにあきとおぼゆる風ぞ吹くなる(後拾遺和歌集)

秋吹くはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ(詞花和歌集)

露の身のおきどころこそなかりけれ野にも山にも秋風ぞ吹く(新後撰和歌集)

秋はただものをこそ思へ露かかる荻のうへ吹く風につけても(新古今和歌集)

きみ待つと我が恋ひ居ればわが宿のすだれうごかし秋の風ふく(万葉集)

秋風の身にさむければつれもなき人をぞたのむ暮るる夜ごとに(古今和歌集)

思ふひと袖ににもせめてふれもせよ恋ひあまる日の暮れの秋風(伏見院百首)

(2009年8月31日に掲載した「秋風」の記事は削除しました。)

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七夕後朝/二星別

2010年07月08日 | 日本古典文学-和歌-秋

たまさかに秋のひと夜を待ちえても明くるほどなき星合(ほしあひ)の空(新勅撰和歌集)

七夕のよるのちぎりはほどもなく明くるかなしき星合の空(文保百首)

明けぬとも天の川霧立ちこめてなほ夜(よ)をのこせ星合の空(続後撰和歌集)

朝戸あけてながめやすらむ七夕はあかぬ別れの空を恋ひつつ(後撰和歌集)

天つ風なほ吹きとぢよ七夕の明くるわかれの雲の通ひぢ(続後撰和歌集)

七夕の待ちつるほどのくるしさとあかぬ別れといづ れまされる(詞花和歌集)

たなばたの涙やそへてかへすらむ我が衣手の今朝はつゆけき(続後撰和歌集)

夜のほどに水(み)かさやまさる天の河かへさは袖をしぼりつるかな(重家集)

天の河みづかげ草におく露やあかぬわかれの涙なるらむ(新勅撰和歌集)

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七夕/棚機(たなばた)

2010年07月07日 | 日本古典文学-和歌-秋

秋風の吹きにし日より天河(あまのがは)瀬に出(い)でたちて待つと告げこそ(万葉集)

たなばたはあさ引く糸の乱れつつとくとや今日の暮れを待つらむ(後拾遺和歌集)

逢ふことは今日と思へど七夕の暮るる待つまのこころをぞ知る(亀山殿七百首)

いかばかり身にしみぬらむ七夕のつま待つよひの天(あま)の川風(新古今和歌集)

彦星のつま待つよひの秋かぜにわれさへあやな人ぞ恋しき(拾遺和歌集)

思ひきやたなばたつめに身をなして天の河原をながむべしとは(和泉式部日記)

彦星にけふは我が身をなしてしが暮れなば天の河わたるべく(平仲物語)

彦星と織女(たなばたつめ)とこよひ逢ふ天の川門(かはと)に波立つなゆめ(万葉集)

夕立に水まさるらむ天の河はるかにわたせかささぎの橋(夫木抄)

あまのがは今宵ながめぬ人ぞなき恋のこころを知るも知らぬも(和泉式部集)

たなばたに心をかして天の河うきたる空に恋ひやわたらむ(能宣集)

あまのがは今やたなばたわたるらむ更けゆく空のかげぞ涼しき(二条太皇太后宮大弐集)

君が舟いま漕ぎ来(く)らし天の河霧立ちわたるこの川の瀬に(万葉集)

彦星のつまむかへ船漕ぎ来らし天の川瀬に霧立ちわたる(家持集)

秋もなほ天の河原に立つ波のよるぞみじかき星合(ほしあひ)の空(続後撰和歌集)

かささぎのわたすほどなく明けわたる夜半のつばさや夢の浮橋(百詠和歌)

いつよりか天(あま)の河瀬(かはせ)にわたしけむ年(とし)にひと夜(よ)の夢の浮橋(草庵集)

ちぎりけむ心ぞつらき七夕の年(とし)にひとたび逢ふは逢ふかは(古今和歌集)

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