monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

櫻狩(さくらがり)

2010年03月14日 | 日本古典文学-和歌-春

駒とめて見るにも飽かずさくらばな折りてかざさむこころゆくまで(風雅和歌集)

いへづとに花をつつみてかへるさは匂ひぞ袖にもれて散りける(正治二年初度百首)

さくら狩り雨は降りきぬおなじくは濡るとも花のしたにやどらむ(古今和歌六帖)

散りまがふ花にこころのうつりつつ家路をさへも忘れぬるかな(風葉和歌集)

暮れぬとて立ちこそかへれ櫻狩なほゆくさきに花を残して(風雅和歌集)

けふもまた飽かぬながめに暮れはてぬあはれ立ち憂き花のかげかな(正治二年初度百首)

行き暮れて木のしたかげを宿とせば花やこよひのあるじならまし(平家物語)


さくら/櫻

2010年03月14日 | 日本古典文学-和歌-春

見わたせば春日(かすが)の野べにかすみ立ち咲きみだれたる櫻花かも(家持集)

あさみどり野べの霞はつつめどもこぼれてにほふ花ざくらかな(拾遺和歌集)

なべて今さかりと見えて桜月うすぐもりなる四方(よも)の山の端(纂題和歌集)

春の日に消えぬばかりぞ花ざくら散るも散らぬも雪のおもかげ(後土御門院御百首)

千年(ちとせ)すむ池のみぎはのやへざくらかげさへ底にかさねてぞ見る(千載和歌集)

春の池の水際のさくら咲きぬればくもらぬみづ にうつるしら雲(秋篠月清集)

さくら咲く尾の上(へ)やいづ こおしなべて空にたなびく春の白雲(嘉元百首)

花ざかり四方(よも)の山べにあくがれて春はこころの身にそはぬかな(千載和歌集)

あだならぬ色とこそ見め櫻花こころにそめぬ人しなければ(道灌花月百首)

山ひとの霞をわくる袖のうへになれしかたみの花の香(か)ぞする(紫禁和歌集)

花や知る来る春ごとにいやましの色香(いろか)にそめてあかぬこころを(草庵集百首和歌)

春ごとに飽かぬにほひを櫻花いかなる風の惜しまざるらむ(金葉和歌集)


初花

2010年03月14日 | 日本古典文学-和歌-春

いまさくら咲きぬと見えてうすぐもり春にかすめる世のけしきかな(新古今和歌集)

さくら花咲きにけらしなあしひきの山の峡(かひ)より見ゆるしら雲(古今和歌集)

春雨にあらそひかねてわが庭の櫻の花は咲きそめにけり(万葉集)

かすみしく木(こ)の芽はるさめ降るごとに花のたもとはほころびにけり(新勅撰和歌集)

あをやぎのいと縒り掛くる春しもぞみだれて花のほころびにける(古今和歌集)

今朝まではのこる片枝(かたえ)も咲きそひて夕べに花のさかりをぞ見る(玉葉和歌集)

春のきる花のころもの新染(にひぞめ)は日かずかさねて色や増すらむ(宝治百首)


待花

2010年03月14日 | 日本古典文学-和歌-春

かきくらし雪も降らなむさくら花まだ咲かぬまはよそへても見む(拾遺和歌集)

けふもまた花待つほどのなぐさめにながめくらしつ嶺のしら雪(新後撰和歌集)

はるがすみ立つを見しよりみよし野の山の櫻を待たぬ日はなし(現存和歌六帖)

山ざくら咲きやらぬ間は暮れごとに待たでぞ見ける春の夜の月(新拾遺和歌集)

待たれつる花こそすでに近からし梢の色のにほひそめぬる(伏見院御百首)