monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

春の月

2010年03月17日 | 日本古典文学-和歌-春

照りもせずくもりもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき(新古今和歌集)

ふかき夜のあはれも空にしられけりおぼろにかすむ春の月かげ(宝治百首)

飽かず見る花のにほひもふかき夜の雲ゐにかすむ春の月かげ(新拾遺和歌集)

春されば木がくれ多き夕月夜(ゆふづ くよ)おぼつかなしも花かげにして(後撰和歌集)

木の間もる月さへ影のかをるかな花の軒ばの朧夜の空(伏見院御集)

月かげにむかしの春を思ひ出でてわが身ひとつと誰れながむらん(続後撰和歌集)

ながむとも同じこころに誰れか見む思ひぐまなき春の夜の月(風葉和歌集)

よそにても同じ心にありあけの月を見るとや誰れに問はまし(万代集)