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古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

よぶこどり(喚子鳥・呼子鳥)

2025年03月26日 | 日本古典文学-禽獣魚虫

をちこちの-たつきもしらぬ-やまなかに-おほつかなくも-よふことりかな
(猿丸集(猿丸大夫集)~日文研HPより)

 (呼子鳥をよみ侍りける) 藤原親佐
おほつかなたれをかくのみ呼子鳥人数ならはこたへてまし
(月詣和歌集~「続群書類従14上」)

シテ「遠近の。
同「たづきも知らぬ。山中に。おぼつかなくも。呼子鳥の。雲雀山にや。待ち給ふらん。いざや帰らん。いざや帰らん。
(謡曲「雲雀山」~半魚文庫より)

 よふことりをききて、となりの家におくり侍りける 列樹
わかやとの花にななきそ喚子鳥よふかひ有りて君もこなくに
(後撰集~日文研HPより)

年毎になきてもなにそ呼子鳥よふにとまれる花ならなくに
(新撰和歌~「群書類従10」)

みやま路にはるの日くらし呼子鳥我かと行てとふ人やなき
(亜槐集_藤原雅親~「群書類従14」)

つれつれと-はるのゆふくれ-なかめやる-をりにしもなく-よふことりかな
(堀河百首_師頼~日文研HPより)

あたらよの-あはれをしるや-よふことり-つきとはなとの-ありあけのそら
(壬二集_家隆~日文研HPより)

春の夜のくらふの山のよふことり心の闇をおもひこそやれ
(兼好法師集~「群書類従15」)

なけやなけ-しのふのやまの-よふことり-つひにとまらむ-はるならすとも
(夫木和歌抄_順徳院~日文研HPより)

 むらかみの御時に御あそびあるに、めしなかりければ、内侍のかみの御もとにつかはしける
春ならばよぶこどりをもききてましつらきは秋のをはりなりけり
(小野宮殿実頼集~「私家集全釈叢書31」風間書房)

 暁呼子鳥  散位平実重
行人のすかたもみえぬあけくれに誰ともしらすよふこ鳥かな
(今撰和歌集~「群書類従10」)

 暁の喚子鳥
夜をのこす寝覚めに誰をよぶこどり人も答へぬしののめの空
(建礼門院右京大夫集~「新編日本古典文学全集47」小学館)

里とをきみ山のおくのよふこ鳥人もこたへぬねをや鳴らん
(寂身法師集~「続群書類従16上」)

鳴行もはやしかくれはわかなくに誰よふこ鳥いつち過らん
(前参議時慶卿集~「続群書類従16上」)

 呼子鳥をよみ侍りける 賀茂重保
山ひこをなれか友とや思ふらんこたふれは又よふ子鳥かな
(月詣和歌集~「続群書類従14上」)

やまひこは-たれとしりてか-こたふらむ-なをよふことり-こわたえもせす
(久安百首_顕輔~日文研HPより)

あしひきの-やまのやまひこ-こたへすは-ともよふことり-たれとなかまし
(久安百首_花園左大臣家小大進~日文研HPより)

おしなへて-こたへぬやまの-やまひこを-うはのそらにも-よふことりかな
(散木奇歌集_俊頼~日文研HPより)

 喚子鳥を
あまひこの音羽の山のよふこ鳥我か人かととはまし物を
(李花集_宗良親王~「群書類従14」)

ゆきやせむ-ゆかてやあらまし-あつまちの-なこそのせきに-よふことりかな
(久安百首_郁芳門院安芸~日文研HPより)

きくひとも-なきものゆゑに-よふことり-みみなしやまの-たにになくなり
(為忠家初度百首~日文研HPより)

かむなひの-いはせのもりの-よふことり-いたくななきそ-わかこひまさる
(万葉集~日文研HPより)

たれをかく-うはのそらには-よふことり-たのめぬひとの-いかかこたへむ
(千五百番歌合~日文研HPより)

きくひとも-なきおくやまの-よふことり-かひなきねをそ-われもなきつる
(久安百首_教長~日文研HPより)

 女のもとに、をとこのふみつかはしけるに、返こともせす侍りけれは 読人不知
山ひこもこたへぬ山のよふことり我ひとりのみなきやわたらむ
(拾遺集~日文研HPより)

 このたびは、かへりごとなければ、男
山びこのこたふる声のきこえねばながむる空はまどはるるかな
 かへし
よぶこ鳥いく声なきぬ山びこのこたふばかりはあらずぞ有りける
(小馬命婦集~「私家集全釈叢書24」風間書房)

 怨(ゑ)じたる人のもとに文(ふみ)をやりたりければ、返り事もせぬに
山彦も答へぬ春の呼子鳥なけとや声の絶えぬ限りは
(馬内侍集~「和歌文学大系54」明治書院)

 物思ひみたれたるに(イころに)よふこ鳥のなくを
世の中をなそやといふもよふこ鳥我なく声をこたふとや聞
(康資王母集~「群書類従15」)

ナニトナク思ハヌ山ニヨフコ鳥キシカタニノミカヘル心ヲ
(蒙求和歌~「続群書類従15上」)

 山でらに侍りしころ、よぶこどりのしげくなき侍りしかば
うき世にはなどやいとはるるたびごとにしきりなくなるよぶこどりかな
(山田法師集~「新編国歌大鑑7」角川書店)

百首歌の中に 前中納言定家 
思ひたつ/道のしるへか/よふこ鳥/ふかき山辺に/人さそふなり
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

さらに世をいとひはてねと山ふかく誰よふこ鳥声聞ゆらん
(正廣三百六十番自歌合~「続群書類従15上」)


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