もく窓

~良い映画と究極の手抜き料理を探して~  

他人の顔

2007年03月24日 | 映画 TV・DVD
 ランク:→銀 1966年 勅使河原宏監督 原作・脚本 安部公房 音楽 武満徹
出演:仲代達矢 、京マチ子 、平幹二朗

「しかし、あいにくこれは指じゃない。
 指の形をした劣等感にしか過ぎないんです。
 私は別段、指の治療をしてやってるわけじゃない、精神科の医者ですからね。
 ただこうして劣等感でえぐられた心の穴を埋めてやったまでなんです。」
                   ・・・「他人の顔」より・・・

武満の曲は苦手なのですが、他人の顔ワルツは別です。この曲を聞く度にどんな映画なのだろうと思いを巡らせていましたが、やっと観ることが出来ました。音楽からイメージしていた通りのシュールでスタイリッシュな映像の作品でした。
ビアホールで前田美波里がドイツ語?の歌詞付きで唄う他人の顔もなかなかです。また、ビアホールで仲代達矢と平幹二郎が話をしている時に後にいる客の一人が武満でした。平幹二郎の頭に隠れて少ししか見えませんが、談笑しタバコを吸っています。
この映画は人の心の奥底を冷たい目線で探っています。妻を信頼したいのに信じきれない男は劣等感から猜疑心を持ち、妻の愛情を試してみるのです。妻は夫のための包帯を洗濯し、鼻歌を歌いながら包帯を巻きなおすような可愛いらしくて愛情の深い奥様です。京マチ子が魅力的に演じています。平幹二郎は知的好奇心の強すぎる傲慢な若い精神科医を演じています。映画のラストで男は、、、。

撮影当時、仲代と平は34才と33才です。今どきの俳優さんと比べると深みがあるというか貫禄充分です。オダジョーが31才、キムタクが35才、織田裕二が40才、まっ、軽くなったのは俳優さんに限りませんネ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿