Bar FU-TEN

もじっとの瘋癲的なブログ
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そして誰もいなくなった

2010年04月05日 | 
おかえりなさい
こちらのお席にどうぞ

★コトッ(カクテルグラスを用意します)

雨が降って地下鉄通勤をしたり、出張なども重なって、いつになく短期間で本を1冊読み終えました

★コト コト コトッ(シェイカーを用意します)

ミステリの女王、アガサ・クリスティの代表作でもある『そして誰もいなくなった』



U.N.オーエン氏にインディアン島へ招かれた、年も職業もバラバラな10人の男女。

★トクトク(ウォッカを25ml入れます)

彼らが集まった日の晩餐後、突如として彼らの過去を暴露する声が…
その直後、体躯にも恵まれた遊び人の男が、毒によって謎の死を遂げる。

★トクトク(ドライベルモットを25ml入れます)

U.N.オーエン氏は何者なのか、その目的は?
童謡「10人のインディアン少年」と死者が出るたびに減っていくインディアンの人形。
次は誰が、どうやって殺されるのか…

★ツー(メロンリキュールを10ml入れます)

10人も登場人物がいるので、序盤は人物紹介やその人物像に割かれており、本当に最後は“そして誰もいなくなる”んかいな?と不安に思いましたが、文章自体も読みやすく、中盤からは「10人のインディアン」の童謡にそって、テンポよく殺人が行われていきます(笑)←笑い事じゃないけど

★ツー(ライムジュースを一振り加えます)

何でこんなにテンポがいいんだろ?と不思議に思っていましたが、ミステリには不可欠の探偵がいませんでした
ミステリで童謡殺人をしようとすると、シチュエーションに無理がある歌詞では、殺した後に偽装工作をせざる得ず、そこを名探偵に突かれることがよくありますが、探偵がいなければ、多少の無理のある殺人もやり放題

★カランカラン カポ カポッ(シェイカーに氷を入れ、ストレーナとトップをかぶせます)

ミステリ小説というより、パニック小説に近い感じですね。

★シャカシャカ(シェイクします)

とはいえ、ちゃんと最後には種明かしがあります
そして種明かしを読むと、テンポのよすぎるところに、トリックが仕込んでありました

★カパッ トクトク(カクテルグラスに注ぎます)

というわけで、やっぱりパニック小説ではなく、ミステリ小説として読んでみてください

★お待たせしました、グリーンファンタジーです。
甘いメロンリキュールとドライなウォッカの組み合わせ。
甘くなりすぎず、意外なほどドライに仕上がっています
甘すぎるお酒はちょっと…という人にちょうどいいんじゃないかなと思います。
黄緑色がカウンターに映えそうですね。



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