剛が つくるパスタは 本当に おいしい と 恵美は 思う。
「趣味が 男の料理って かっこいいよね~」
と いい出した 剛の 腕は どんどん上達し始めた。
、
「恵美、クックパッド登録してたよね?」
料理が 好きだった 恵美は 毎日クックパッドを 開いて
何を 作ろうか 考える時間が 好きでした。
剛は 恵美のIDで 検索して、それを参考に オリジナルの料理を 作り始めました。
、
週末 台所にたつ夫に、申し訳ない気持ちもあり、
おおげさに 喜んだのが まずかった。
、
「すご~~い!剛の料理って 本当においしい!
野菜の切り方だって 繊細だし、味付けもなんか 絶妙。
こんなに おいしいお料理 さらっと作れて、すごいよ!」
、
「ほんと?今度は なに作ろうかなあ~
恵美ちゃん 何を食べたい?」
、
「ローストビーフとか 牛のたたき 食べたいな~
あと テリーヌとかも 食べてみたい」
、
自分じゃ 自信のない 高級料理を リクエストしたことも まずかった。
、
「今日は 牛のたたきを 作るから お肉買ってきて。
駅前の肉屋で グラム1000円ぐらいのに してね。」
とメールが 来た時に
このままじゃ まずいなあ~ と 思い始めていた。
、
だいたい 男の料理は 食材費が かかりすぎる。
スパイスに カルダモン だの ピンクペッパーだの、 なくてもいいような 注文を つけてくる。
、
時間も 度外視だ。
8時に帰ってきてから 作り始めるので だいたい夕食は 10時になる。
専業主婦の 恵美には それまでの 時間は ただ 暇でしかなかった。
、
実際、朝 剛を 見送ってから 夜8時まで 夕食を 作らないとなったら かなり 暇だった。
クックパッドの検索も つくれぼも 料理をするから 楽しいのであって 料理を取り上げられた 恵美には もう楽しいサイトでは なくなってしまった。
、
体の弱い 恵美は 外に出かけるより おうちの中にいるのが 好きだったので 社会経験もなく、
「恵美ちゃんは ずっと おうちにいてね」
という結婚のときの 剛の言葉が 結婚の決め手でした。
、
なにか 習い事でも しようかな~。
恵美は カルチャーセンターのパンフレットを 集めはじめた。
、
そして ある日の 夕食時
「恵美ちゃんに 赤ワイン 買ってきてって 連絡しておいて よかった~。これには このワインが 合うとおもったんだよね~。
恵美ちゃん 僕 来週から 仕事5時で 終わる 定時切り上げに 変更したから 恵美ちゃんが 働きにいきなよ。
これからは 僕が 買い物へいけるから。
求人誌 買ってきたから 決めてごらんよ。
ぼく なんでも 協力するからさ」
、
恵美は 耳を 疑い、
そして 剛の笑顔が 悪魔に見えてきた・・・。
剛が 作った カルボナーラと なめたけと大根おろしのパスタ。
どちらも 恵美は かなわかなかった。
恵美は
「料理は 私がするから、しないで」
と お願いしたそうですが
きいてもらえなかったそうです。
「家事の分担だよ。俺が料理したほうが おいしいって」