観劇☆備忘録

ミュージカル大好き!

『エリザベート』名古屋

2008年08月08日 | エリザベート

8/4マチネ


8/6 マチネ

第一幕 12:00~13:20
  休憩30分
第二幕 13:50~15:10



初々しく新鮮な新キャスト、より完成された続投キャスト、どちらも大熱演。

新キャストからは緊張感、続投キャストからはその新キャストを支え引っ張って良い舞台にしようという気迫が伝わって来る熱くて素晴らしい舞台でした。


まず、メイン・キャストの感想から


<山口トート>
色っぽいお姿、お声、流し目、そして時折垣間見える新キャストへの気遣いにドキドキ。

最高です!

CD(山口トート版)より囁く様に歌う箇所が増え、トーンもやや高くなっていたかな?

でも『最後のダンス』などに大ナンバーは、脳天に響く様な迫力でバッチリ決めて下さいました!

歌がバッチリ決まった後、パーズを止めてカッと目を見開く姿は正に「よっ大将!」

やっぱり山口さん! 凄い凄い!



前回より動き…いやダンスが増えているかも?

『独立戦争』でルドルフが踊っている時に下手端で上半身を連獅子の様にグルグル回したり。

その後、中央に歩み出て、コートの裾をマントの様に振り回しながらルドルフに絡んだり。

ルドルフの手を取って二人で横移動するダンスも健在。


『マイヤーリンク』では、上半身裸のトートダンサーズにルドルフが上着を脱がされてシャツ一枚になった所で、奥の扉から登場して両手を斜め下に広げてダダダと走って来てルドルフに死のキス

(こんな風に書くと何だか危ない舞台みたいですね。すみません

ラストは、両手を広げて首を少し傾けて笑顔でエリザベートをお迎え
(私の席からは横顔しか見えなかったのですが、満面の微笑みを想像しながら見てました。)

歌に動きにドキドキしっぱなしの濃厚な観劇空間でした。


山口さん、キャストはもちろん、オケの方にも気配りされてるんですね。
想像して和んでしまいました。
『Kao文字倶楽部』様


<涼風エリザベート>
エリザベートとしては、やや優し過ぎる感じ。
少々線が細くて、周りの濃いキャラに埋もれてしまったような・・・。

でも歌は流石でした。
柔らかく、温かく、気品と透明感のある声、エリザベートとして期待大です!

山口トートや綜馬フランツとのデュエットも流石。

(でもまだ、極わずかですが曲の途中で声のトーンが変わったり模索中なところも☆)

若い時の声は可愛いし、結婚後は高音の伸びが綺麗。

後半、ルドルフが逝ってしまってからの絶望感が漂う演技が印象的でした。

メイクが少し微妙なのが惜しかったです。

1幕ラストの階段下りは、まだ少しぎこちない?


<朝海エリザベート>
歌が時々「?」なところが・・・。

でも凛としたキャラクターが合っていて、立っているだけでも存在感のあるエリザベート。

山口さんや綜馬さんとのデュエットはどうなるのだろうとドキドキしていたら、トートを睨み付ける様な気丈なキャラと演技がハマって、面白く見応えがありました。

特に『私が踊る時』は、『エーヤン』の後に馬車の上で「どうだ?」と顔を覗き込むトート閣下をしっかり睨み返し、パチパチ(まだバチバチとまではいかない)と火花を散らし合いながら歌っているのが格好良かったです。

エリザベートが年齢を重ねて低い声が出せる様になる後半が良いかな。

(でも『精◯病院』で「なかなか良い感じだなぁ」と安心して聴いていたら「あなたの方が自由~♪」の最後の「ゆ」の音が外れて、そまま伸ばさざるを得なくなったり、まだまだ油断できないところも…)

メイクやドレスの着こなしは全編通して良かったと思います。


『パパみたいに』のバク転は両シシィとも合格。
涼風さんの方がやや豪快?
どちらも、おてんばさんで良い感じ。

<綜馬フランツ>

素晴らしかった
大満足

ノーブルなお声と目を大きく見開いて訴える様に歌う姿に釘付け
ウィーン版のファーストとセカンドのフランツも拝見したけれど綜馬さんが一番好き。


<高嶋ルキーニ>
ただでさえ濃いキャラに続投キャストとしての意気込みが加わり、益々濃い存在に(笑)

ソロの場面なんて、後方席から観ていても舞台から飛び出して来そうな迫力。

『キッチュ』でしっかり手拍子、歌い終わった後に三本締めあり。

唯一のご当地ネタ(二幕の歌い出しの前に「名古屋の皆さんボンジュール」)あり。

鳩をクルクル飛ばすところや、絵葉書をあげるふりをするところとか、お客さんにウケてました。

お客さんの協力的&新鮮な反応が良い感じ。


<村井マックス>
父親としての優しさ貫禄は充分。
歌も上手くなっておられました。


<初風ゾフィー>
素晴らしい文句なし!


<浦井ルドルフ>
ピッタリなルックス、繊細な演技、伸びる声、響く低音、美しい山口トートとの並びとデュエット。

全て完璧!

『ミス・サイゴン』の泉見トゥイ並みの完成度と安心感です。

山口さんとの『闇が広がる』も最高で、ゾクゾクしながら聴き惚れました。


<伊礼ルドルフ>
気弱な皇太子として結構ハマってました。

まだ二回目の公演で、この出来なら文句なし。

何より、真摯に取り組んでおられるのが伝わって来てかなりの好感触。

歌は「まだまだこれから」感はあるけれど、悲劇の皇太子としては有望な声質。

綜馬フランツとの芝居や声の相性も良い感じ。

自決の時のタメと表情に工夫がみられて印象的でした。
(渡されたピストルを見て恐れ戦き、構えてから決意を固める様に鼻で大きく一~二回呼吸をして、目を大きく見開いて引き金を引く・・・みたいな感じ)