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観劇☆備忘録

ミュージカル大好き!

市村正親『KEAN (キーン)』

2008年11月08日 | 市村正親
NHK芸術劇場にて、11月14日(22:30~0:45)市村正親さんの“キーン”が放送されます♪

2008年10月16日 天王洲銀河劇場にて収録分みたいです。
詳しくはこちら


私は兵庫県立文化センターで観ました。



思いっきりネタバレしていますのでご注意下さい




『KEAN』10/24マチネ

(兵庫県立文化センター・中ホールにて)


良かった~♪

とっても面白かったです(^-^)v

やっぱり市村さんは凄い!

爆笑したり、市村さんのド迫力に圧倒されたり、客席の反応も良い感じでした♪



エドマンド・キーン(市村正親)は英国演劇界きってのスター俳優、でも私生活は酒と女と借金まみれで破滅的。

そんな彼を気に掛ける、皇太子(鈴木一真)とデンマーク大使夫人エレナ(高橋惠子)。

この二人も、人前では本来あるべき姿を演じているが実際はかなり下世話で人間くさい。

皇太子は結構遊び人で夜な夜な楽屋に来てはキーンをからかうし、エレナ(高橋惠子)はキーンの熱烈なファン・・・と言うより一人の男として惚れている。


そして、キーンと皇太子もエレナを愛している。

役者、皇太子、デンマーク大使夫人・・・身分違いの奇妙な三角関係。

『キーン』は、虚像と実像の狭間で悶々としているこの三人が、求め合ったり、反発し合ったり、時に傷付け合ったりするお話。

(で、良いんですよね?)


で、この話を更に引っ掻きまわし、三人が揉める切っ掛けを作るのが・・・

「私、女優を目指しているんです 弟子…いや恋人にして下さい的なノリでキーンの楽屋に飛び込んで来た、超元気娘 アン・ダンビー(須藤理彩)。


「はいはい、お嬢ちゃん。お帰りはあちらね

と子供扱いだったキーンやも次第に彼女のペースに・・・。


若手の女優さんは盛り上げようとする余り、声を張り上げ一本調子になりがち。
彼女もそうなんですが、それがキーンに認めて貰おうと背伸びする役に合っていて良かったです。

献身的な付き人のサロモン=中嶋しゅうさんは流石で、市村さんとのやり取りには笑ったりホロりとさせられたり。


そんな折、キーンは昔身を寄せていた劇団の救済のため急遽十八番の「オセロー」を上演することになる。
突然のことゆえ、相手役がおらず、目の前にいたアンにデズデモーナをやってもらうはめに…。



当然、エレナはヤキモキ。

開演前の楽屋で「あなたがその娘とイチャイチャするなら、こっちはボックス席で皇太子様とイチャイチャさせて頂きますわ」とキーンに啖呵を切って出て行く。
(↑すみません、セリフ適当です)

迷いながら舞台に立ったキーン。

舞台上には相手役のアン、舞台袖にはプロンプターのサロモン、上手(のセット)の二階のボックス席にはエレナと皇太子。


役者は全て揃った!


ここでキーンが切れて、客席に本音をぶちまけるのがこの舞台の最大の見せ場。


「皆、敵なのか!

私があなた方の望むモノを演じている間は持て囃すくせに、いざ本当の姿を見せたら見捨てるのか!」

(↑結構長い台詞で覚えきれなかったので自己流にまとめてます。間違っていたらスミマセン)


メイクを拭って

「これがキーンです!」


まるで、『ジキハイ』のハイドが現れたかの様なド迫力で、ひたすら圧倒されました。

こんな市村さんが観たかった



この後、興奮したキーンが倒れるんですが…

駆け寄って来たスタッフがTシャツにジーパンという格好だったので一瞬ドッキリ。

幕が降りて、その隙間から出て来た中嶋しゅうさんが「すみません…舞台が続けられなくなってしまいました・・・」と申し訳なさそうに挨拶。


お客さんの中には、キョロキョロしたり、隣の人と「大丈夫なの?」とか話している方もいて、騙されたのが自分だけでなかった事にホッとしたり(笑)


このシーンの迫力と驚きは、生の舞台ならでは。

観に来て良かったな~と素直に楽しめました



役者として・・・舞台を滅茶苦茶にする
市民として・・・皇太子を殺意をみせる

と、壮大な自殺行為をやってしまったキーン。

後は監獄…

のはずだったんだけど…。


ここから先のネタバレは控えるべきなんだけれど、ちょっとだけ・・・。


ここからラストまでは見ているこっちが照れちゃそうな程のハッピーエンド。

「何だ、皆キーンが好きなんじゃないの~」って感じ。

『サイゴン』とか『エリザ』など悲劇的な舞台に慣れているので、このラストが何だか(良い意味で)くすぐったかったです。


このまま甘い雰囲気で終わるのかなぁと思っていたら、最後はキーン…いや、市村さんが渋く決めてくれました。

キーンのセリフではなく、市村さん自身の言葉として…。(と、私は感じました)

客席に背中を向けゆっくりと舞台後方に去ってゆくキーン。

これでこの舞台は終了。


十分な余韻を残した後、クルリッと客席に向き直る市村さん。

いつもの人懐っこい笑顔に戻っていました

場内、拍手喝采!

この後、舞台装置や囲いが全てせり上がり、舞台裏が客席から丸見えに。

順に登場したキャストも皆、稽古着みたいな私服姿。


虚像と実像・・・カーテンコールまで徹底した演出が面白かったです。


最後に同じく私服に着替えた市村さん登場。

いつの間にか、スタンディングオベーションで客席は大盛り上がり!

市村さんもニッコニッコ♪


満足のゆく舞台でした

もう一度観たいと思いましたが、次の日から仕事で願い叶わず(T_T)

DVDになっても、あの迫力は半減しちゃうんだろうなぁ…。

屋根の上のヴァイオリン弾き

2006年02月24日 | 市村正親
2006年2月23日(木) マチネ 日生劇場

テヴィエ 市村正親
妻・ゴールデ 浅芽陽子
長女・ツァイテル 匠ひびき
次女・ホーデル 剱持たまき
三女・チャヴァ 安部麻美
仕立て屋・モーテル 駒田一
学生・パーチック 吉野圭吾
金持ちの肉屋・ラザール 鶴田忍


良かった~!
東京まで遠征した甲斐がありました!

ネットでの評判通り、暗い話だけれど市村さんのお茶目な演技が笑えて楽しめました。

でも市村さんだけが突出していたのではなく、他の共演者さん達も芸達者で上手くまとまっていて全てが素晴らしかったです。

特にベテランのオジサマ方、肉屋さん・本屋さん・司祭さん・巡査部長。
それぞれの掛け合いの見事さに思いっきり笑ったり、ホロリと来たり。

コーラスも綺麗ですし、ダンスも役者さんがボトルダンスやロシア風ダンスなど難しそうなモノを難なくこなされているのに驚きました。


もともと悲劇的な運命を背負った民族が明るく逞しく生きていく様を描いた作品だから、根底にある問題が暗くても希望やユーモアや明るさがあるんですね。
ほのぼのした家族愛にも癒されましたよ。

次回も上演される事があれば、是非また観に行きたいです(^_^)


テヴィエ 市村正親
皆さんが笑えると言われていたのでもう少し軽めの演技を想像していましたが、実際は重厚で存在感がありました。もちろん茶目っ気も充分で、バランス的にとても良かったと思います。

「デモクラシー」「モーッアルト」と観て来ましたが、やはり主役作品が一番この方の魅力を味わえますね。独り芝居も観たくなりました。
まずは4月5月の「ライフ・イン・ザ・シアター」かな。

三姉妹
長女・ツァイテル 匠ひびき
次女・ホーデル 剱持たまき
三女・チャヴァ 安部麻美

みんな可憐で可愛かった。
ちょっと押しが弱い感じもしましたが、及第点かな。

仕立て屋・モーテル 駒田一
気弱でテヴィエに長女との結婚をなかなか切り出せない。如何にも人の良さそうなこの方が、「レ・ミゼラブル」で商魂逞しいテナルディエだというのは本当なのでしょうか?
名古屋での観劇予定では偶然3回中2回が駒田テナルディエなので、今からとっても楽しみです♪

学生・パーチック 吉野圭吾
「モーッアルト」のシカネーダー役が大好きなのですが、こういう真っ直ぐな青年役も似合うのですね。
期待通りの軽やかな動きに満足♪
(「レミゼ」のアンジョルラスも観たかったなぁ。)