10月20日
1:00-3:00 1900:21:00 Radio Romania
前半はドビュッシー、中半から後半にかけては
自作とベートーヴェン。バラエティーに富んだ
リサイタルプログラム。
「鬼才! 天才! ファジル・サイ!」のキャッチコピーで知られる。
多分、フルコンサートは初めて聴くと思います。
ドビュッシー前奏曲集第一巻(抜粋)
夕べの大気に漂う音と香り
亜麻色の髪の乙女
沈める寺
妖精の踊り
ミンストレル
ドビュッシーベルガマスク組曲~月の光
印象派はどちらかというとフラットな感じで、それほど
はめ外している感じもなく、聴いていて違和感はありません。
いいドビュッシーだと思います。
サイ:ピアノ・ソナタOp99「新たな生活」
彼のピアノ・テクニックにかかったら何でもありだ。
基本現代曲のようなピアノ使い。メロディー・リズム・ハーモニーは
自在に動く。現代曲。
サイ:ピアノのためのバラード「声」Op40b
短調の旋律が1曲の歌曲のように鳴ってくる。
キャッチ―な旋律も出てくるし、歌なしの曲弾きの
様なアプローチ。
3つのバラードOp12~第一曲「ナージム」
2曲目はロシア民謡の様な土着性を
持つような旋律と低音弦を強めな打弦で表現している。
ブラック・アースOp8
3曲目はプリペイドピアノのように弦を手で抑えるような
表現。普通はやらないけれど、表現に必要ならば、
会場とか関係者に許可を得てとかで弾くのでしょうね。
打弦は強そうですね。ピアノを縦横無尽に弾くという感じ
でしょうか。
ベートーヴェンピアノソナタ第23番へ短調Op57「熱情」
強めの表現、ダイナミックさと繊細さが混じってベートーヴェンを形
作っているような感じです。強さが伝わる。2楽章などちょっと
ロマンチックがはいってアクセントになる。上手いですね。
3楽章は激しく、起承転結がはっきりしている。
バッハ:(リスト編)前奏曲とフーガイ短調BWV543
色濃いバッハでブゾー二かなんかの編曲物を聴いてるような感じ。
こういうバッハまだ弾く人いたんだ的に私には思えました。
これも好き嫌いわかれるでしょうね。
サイ:サマータイム変奏曲
自作のアンコール作品。その意味ではあのキャッチ・コピーは
言えてるかもしれない。と思わせる何かがありました。
おなかいっぱいです。
ファジル・サイ
2023年9月3日 ブカレスト、アテネ―ウム音楽堂