
無人補給船ATVの5号機が、
2月15日、国際宇宙ステーションへの補給任務を終えました。
ATV5号機はヨーロッパ宇宙機関の無人補給船で、愛称は“ジョルジュ・ルメートル”。
任務完了後は、南太平洋上空の大気圏に再突入して燃え尽きています。
ATVは、この5号機が最後のミッションになり、
このあとヨーロッパ宇宙機関は、“ATV”の技術を活かし、
NASAの新型宇宙船オリオンの開発に参加することになります。

ATV5号機は2014年7月にアリアン5 ESロケットに搭載され、ギアナ宇宙センターから打ち上げられます。
8月には国際宇宙ステーションに到着し、
物資の補給や、スラスターを用いてステーションの軌道変更を行っていました。
約20トンの船体の中には、水や燃料、酸素、食料や生活必需品、実験機器などなど…
補給物資が約6.6トン搭載されていて、
これまでATVが運んだ中で最大の積載量だったんですねー

そして2015年2月14日、ゴミなどを搭載して国際宇宙ステーションを出航。
15日には南太平洋上空の大気圏に再突入して燃え尽き、ミッションを終えています。
ATVはエアバス・ディフェンス&スペース社が開発した無人補給船で、
2008年に1号機が打ち上げられ、2011年から毎年1機が打ち上げられていきました。
今回でATVの飛行は最後になるため、これからの国際宇宙ステーションへの補給は、
ロシアのプログレス補給船、スペースX社のドラゴン、オービタル・サイエンシズ社のシグナス、
そして日本のHTV(こうのとり)が担うことになります。
一方、ヨーロッパ宇宙機関による宇宙開発の取り組みが終わる訳ではありません。

ATVの開発と運用を通じて得られた技術は、
NASAが開発中の新型宇宙船オリオンのサービス・モジュール(機械船)の開発に活かされることになるんですねー
すでに開発は始まっていて、
2017年に実施予定のミッションで、オリオンの2号機に搭載されることになっています。
このミッションで無人のオリオンは、月の裏側まで飛行し地球に帰ってくるようですよ。
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