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モバライダー mobarider

アルマ望遠鏡で分かってきた連星系での惑星形成

2016年02月19日 | 宇宙 space
連星系の周囲の円盤をアルマ望遠鏡で詳細に観測してみると、
円盤内に、ガスがなくチリで構成された三日月形の領域が見つかったんですねー

このことは、連星系での惑星形成の可能性に、
新たな見識を与えてくれる成果になるのかもしれません。


アルマを使って新たに分かること

今回の研究では、
連星系での惑星の誕生と進化を調べるために、
おおかみ座の方向約450光年彼方にある“HD 142527”を、
アルマ望遠鏡で観測しています。

“HD 142527”は連星系で、
太陽の2倍の質量を持つ恒星と3分の1の質量を持つ恒星が、
約16億キロ離れて回りあっています。

系の内外にある円盤の構造は、
以前の観測から明らかになっていたのですが、
アルマ望遠鏡による最新の高解像度画像には、
連星の周りに広がる幅の広い楕円形の環(円盤)が見つかることに…

中心から円盤の内側までの距離は、
太陽と地球の間の50倍も離れていました。

円盤の大半は一酸化炭素などのガスでできているのですが、
円盤の約3分の1にあたる弧状の部分にはチリが含まれ、
そこではガスが著しく欠乏していました。
“HD 142527”系の擬似カラー画像。
チリの弧の部分(赤)、一酸化炭素の環(青と緑)。

三日月形をしたチリの雲の存在は、
連星系に特有の重力によるものかもしれず、
さらに惑星形成の鍵になる可能性もあります。

この領域にガスがないのは、
凍りついてしまってチリの粒子の表面で、
薄い氷の層になったからなのかもしれません。

そしてチリの粒子は、
くっつき合って大きくなり微惑星が作られ、
微惑星同士が合体を繰り返して、
最終的に惑星になるということです。

これまでに多くの円盤が研究されてきました。
でも、アルマ望遠鏡を使えば新たな観測データを得ることができるんですねー

そのデータを使って新たに研究を行うことで、
また新しいことが分かってくるんですね。
データを元に描かれた“HD 142527”系(イメージ図)。



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