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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

外縁天体の奇妙な軌道は、太陽系に9番目の惑星がある証拠

2016年01月23日 | 宇宙 space
海王星の20倍以上遠く… 太陽系外縁部の極寒の暗がりに、
9番目の惑星が存在しているのかもしれない っというお話し。

海王星軌道の外側には、天体密集領域“エッジワース・カイパーベルト”があります。

ここにある、いくつかの天体の奇妙な軌道を調べると、
未知の大きな惑星の重力が作用している形跡が見つかったんですねー

天体の奇妙な軌道が、
未知の大きな天体“第9惑星”が太陽系外縁部に潜んでいるという、
証拠になるのかもしれません。


シミュレーションによる発見

太陽系に“第9惑星”が存在する可能性を示したのは、
カリフォルニア工科大学の研究グループが行った、
数値モデルとコンピュータ・シミュレーションからでした。

計算によれば、
この天体は海王星の20倍以上も遠いところを、
1万年から2万年かけて公転しているようです。

地球の10倍の質量をもっているようなので、
小惑星や準惑星でなく“惑星”になるんですねー
9番目の惑星(イメージ図)


浮かび上がる9番目の惑星

研究グループは、
まず、太陽系の外縁部にあるエッジワース・カイパーベルト中の、
6つの天体の軌道に着目します。

それぞれの天体は、
公転周期や遠日点(軌道上で太陽から最も遠ざかる点)の距離は違うものの、
おおむね同じ方向を向いた楕円軌道を持っていることに気付きます。

さらに、これら6天体は軌道の傾きも一致していました。
セドナなど6つの太陽系外縁天体の軌道と、“第9惑星”の軌道。

そして、このような軌道になったのは、
大きな質量を持つ未知の天体が影響していると考え、
コンピュータ・シミュレーションなどを行い、
その天体の大きさや軌道を導き出しました。

すると、近日点(軌道上で太陽に最も近づく点)が6天体とは180度反対にあり、
楕円軌道で公転する海王星程度の大きさの“第9惑星”が存在すると仮定すれば、
6天体の軌道をうまく説明できることを突き止めます。

“第9惑星”があるとすれば、セドナや小惑星2012 VP113といった、
非常に遠い天体の軌道も説明できます。

セドナは一番太陽に近づくときでも海王星の外側にあり、
小惑星2012 VP113はさらに遠い軌道を回っています。

さらに計算から予測されたのは、
“第9惑星”の影響によって太陽系の惑星の軌道面と垂直な軌道を回っている、
太陽系外縁天体の存在でした。

そして垂直な軌道を回る天体は、すでに4つ見つかっているんですねー
惑星の軌道面に垂直な軌道を持つ天体の軌道図と、“第9惑星”などの軌道。


観測による惑星探し

シミュレーションやモデルをさらに改良する一方で、
もちろん観測による“第9惑星”探しも始まっています。

もしかしたら過去の画像中に見つかるかもしれないし、
太陽から一番遠ざかっていても、すばる望遠鏡なら発見出来るかも知れません。

ただ、軌道上のどこにいるのかが分からないので、
軌道に沿って“第9惑星”を探すことになります。

冥王星が惑星から準惑星に再分類され、太陽系の惑星が8個になったのが10年前。
ひょっとしたら、再び9個に戻るかもしれませんね。


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