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第2の地球探しへの足がかり!? 灼熱の海王星型惑星“K2-105 b”を発見

2017年03月19日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
約700光年彼方にある太陽に似た恒星の周りに、
海王星型惑星が発見されたんですねー

この惑星は恒星の周りを約8.3日で公転していて、
表面温度が300度以上と見られるので、灼熱の海王星型惑星“ホットネプチューン”のようです。


ホットジュピター

太陽のような恒星の周りに惑星が初めて発見されたのは1995年のこと。

その発見から20年ほどで、
今では3400個以上の系外惑星が発見されているんですねー

系外惑星の発見初期に多く見つかっていたのが木星のような巨大ガス惑星でした。

ただ、主星のすぐそばを公転しているので、
灼熱の木星型惑星“ホットジュピター”と呼ばれています。

以来、ホットジュピターの質量・半径や軌道、大気などを調べる研究が進められてきました。
  巨大ガス惑星“ホットジュピター”に成層圏を検出
    


詳細な観測が困難な距離

NASAの系外惑星探査衛星“ケプラー”は2009年から2013年にかけて、
恒星の前を惑星が通過する現象“トランジット”を観測。

この観測により、2000個以上の系外惑星が発見されてきました。

その中には、
主星のすぐそばを公転する地球半径の4倍程度の大きさを持つ、
灼熱の海王星型惑星“ホットネプチューン”や、
地球半径の2~3倍程度の大きさの“ホットスーパーアース”も見つかっています。

これらのほとんどは1000光年以上彼方にあり詳細な観測が困難なので、
惑星の質量や軌道、大気などの性質を調べることはできていません。


比較的太陽系に近い観測対象

2014年から“ケプラー”はK2ミッションを開始し、
比較的太陽系に近い恒星も観測対象になっています。
  “K2ミッション”は姿勢制御装置の不具合により、
  主要ミッションを終了していた“ケプラー”の新しいミッション。
  姿勢制御装置(リアクションホイール)の代わりに太陽光圧を姿勢制御に利用する。

  故障中の“ケプラー”が復活ミッションで系外惑星を発見!
    

なので、こうした太陽系に近い恒星で小型の惑星が見つけることが出来れば、
詳細な性質を調べることが可能になると期待しますよね。

東京大学の研究チームでは、
K2ミッションの観測データを用いて惑星探しを行う国際研究チーム“ESPRINT”に参加し、
日本の天体望遠鏡と観測装置を使った新しい惑星探しを行っています。

その中で発見したのが、かに座方向の恒星にある惑星候補でした。

ハワイのすばる望遠鏡と、
岡山天体物理観測所の188センチ望遠鏡を用いて確認観測を実施してみると、
この恒星が約700光年彼方に位置する太陽に近い質量を持つ恒星であることや、
周囲を公転しているのは恒星ではないことなどが確かめられます。

つまり、この候補は間違いなく本物の惑星だと分かったんですねー
すばる望遠鏡の近赤外高コントラスト撮像装置“HiCIAO”と、補償光学装置“A1088”を組み合わせて撮影された中心星“K2-150”。


ホットネプチューン

この系外惑星“K2-105b”の公転周期は、およそ8.3日で半径が地球の3.6倍ほど。

そう、海王星と同じサイズを持っているので、“ホットネプチューン”に分類されます。

“K2-105 b”は摂氏5200度ほどの主星のすぐそばを公転しているので、
惑星の表面温度は摂氏300度以上の高温になっていると考えられます。
太陽に近い質量を持つ恒星(G型星)の周りで発見された惑星の公転周期と惑星半径の分布。
今回発見された“K2-150 b”(星印)は、太陽系の海王星に近い半径を持つ“ホットネプチューン”に分類される。

“K2-105 b”の特徴は、
これまで“ケプラー”で発見された“ホットジュピター”の中でも主星が比較的明るいこと。
このことにより質量や軌道の傾きなど詳しい性質が調べやすいようです。

そして期待されるのが、
2018年以降に打ち上げが予定されている“ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡”の活用。

“ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡”で観測すれば、
惑星の大気の情報も得られるかもしれません。
  宇宙の過去を探る史上最強の望遠鏡!
    

また、今回惑星を発見・確認した研究手法は、
2018年に打ち上げ予定の惑星探査衛星“TESS”と、
地上望遠鏡との連携観測の予行演習とも言うべきものなんですねー

残念ながら“K2-150 b”は生命が存在できる環境ではなさそうです。

でも、日本の望遠鏡と観測装置によって、
第2の地球とも呼ぶべき生命を育めるような惑星を発見していくことが可能なことを、
今回の観測結果は示すことになったということです。


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