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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

衛星“エンケラドス”の間欠泉の謎

2014年08月15日 | 土星の探査
土星の衛星“エンケラドス”では、
氷と水蒸気が噴き出す間欠泉が観測されています。
“カッシーニ”がとらえた“エンケラドス”の間欠泉

そして、
その領域の詳しいデータ分析から、
これらの間欠泉が、地下深くから噴き出していることが分かりました。


“エンケラドス”の両極付近には、
“タイガーストライプ”と呼ばれる、主に4本からなる100キロ以上にもわたるヒビ割れがあります。
そこから氷の粒や、水蒸気が噴き出して間欠泉となっているんですねー


この間欠泉が見られる領域が高温なので、
これまで、土星の重力で変形を受ける“潮汐作用”で発生する熱が、
間欠泉の存在と関連があるらしいことは分かっていました。


でも、謎もあったんですねー

ヒビの部分がこすれて、発生した摩擦熱で表面の氷が水や水蒸気になるのか?
それともヒビが開閉して、地表の奥深くから水蒸気が噴き出るのか?
水蒸気が噴出する詳しい仕組みについては、特定されていませんでした。

今回、アメリカの宇宙科学研究所では、
NASAの探査機“カッシーニ”のデータから、間欠泉の噴出箇所101個を特定し、
さらに、高解像度の熱分布マップと比較を行っています。
地下から間欠泉が噴き出す仕組み

その結果、高温スポットは、
それぞれ10メートル単位の
ひじょうに小規模なもので、
噴出箇所と対応していたんですねー

このことから、
熱により噴出が起こっているのではなく、
噴出により熱が観測されていることが分かります。

つまり間欠泉は、
ヒビが“潮汐作用”で開閉することで、
地下から出てくる水蒸気と考えることができるんですねー



また、間欠泉の全体的な噴出量の変動と、
“エンケラドス”の公転周期との比較も行ったところ。

「ヒビ割れの開閉にともなう噴出である」と仮定した場合と、
一致していることも分かったようです。


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