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30倍も明るく見える超新星のからくりとは…

2014年05月06日 | 宇宙 space
90億光年彼方の超新星を、明るく見せている銀河が発見されました。
これで新タイプの超新星の可能性は消え、明るく見える仕掛けも証明されることになります。

“重力レンズ効果”で、超新星“PS1-10afx”が増光するしくみ。
地球から見て、超新星より手前にある大質量天体の重力が、
レンズのように光を集めることで本来より明るく見える。

この超新星は“PS1-10afx”といい、通常の30倍以上も明るかったので、新種の超高輝度超新星とも考えられていました。

でも詳しい調査で、通常のIa型超新星がより地球に近い天体(銀河)の“重力レンズ効果”により、
明るく見えていることが分かったんですねー

このことを証明するには、“重力レンズ効果”を生み出す手前の銀河を見つけることが必要になります。
ただこの銀河は、超新星が出現した銀河と重なった位置にあり、これまでのデータでは区別ができませんでした。

なので、超新星がじゅうぶん暗くなった後の2013年9月に、ハワイのケック1望遠鏡を用いて新たな観測が行われることになります。
そして、手前の銀河を分離して見つけ出すことに成功したんですねー
超新星が現れた領域の分光観測結果。
超新星が現れた銀河(赤)とレンズになっている手前の銀河(青)の
それぞれから放射される酸素の輝線が見られる。

“PS1-10afx”は、“重力レンズ効果”を受けるIa型超新星の初めての観測例ですが、
そのレンズ源を発見できたことで、結果を確実なものにすることができました。

明るさがほぼ一定とされるIa型銀河は、遠方宇宙の距離を知る“標準光源”としても利用されます。
今後同じように“重力レンズ効果”を受けたIa型超新星を多数観測することで、宇宙膨張の研究に大きな役割を果たすと期待されているようです。


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